川崎市役所近くにポツンとある1杯220円の激安ラーメンを出す謎の店の正体は?

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横浜のココがキニナル!

川崎市役所近くにポツンとラーメン屋らしき店が。壁には「ラーメン230円」と書かれているのですが、営業しているのでしょうか?味はどんなもの?(ハゼさんのキニナル)

はまれぽ調査結果
220円という超激安の「ラーメン鳥竹」は午前11時半から午後8時まで激安でも満足できる味と量を提供している、お財布にも心にも優しいラーメン店

ここ最近カレーやらラーメンやら、男らしい料理のレポが続くなぁと感じているライター・中原のもとに、またまたはまれぽ編集部よりやってまいりました、ラーメン店の取材依頼。

今回はなんと、一杯たったの230円で提供している超激安ラーメン店に突撃するというのだ。

230円とは、いくらなんでも安すぎないだろうか。
そんなに安いということは、何かワケアリ・・・? もしかしてトッピングがすごく高いとか? いったいどんなラーメンが出てくるのか? どんな人が作っているのか?

さまざまな期待や疑問を抱きながら、うわさの激安ラーメン店が存在する川崎に上陸!

工事中の一角に突如現れるラーメン店!

JR川崎駅の改札を出て、川崎のにぎやかな街並みを眺めながら地図を参照に歩くこと約15分。川崎市役所を横目に眺め、たどりついたのはどう見ても工事中のエリア。地図上では確かにこの辺りにうわさのラーメン店があるはずなのだが・・・。
「道を一本間違ってる?」なんて思ったところで、一枚の看板を発見!

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あった! ラーメン鳥竹。看板の「→」の上になぜか「ビ~ル」の文字が

「ビ~ル」の文字に誘われておそるおそる進むと・・・。

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あった!あんなところにラーメン屋さんらしきものが!

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「ラーメン鳥竹」。なんだか焼き鳥屋さんみたいな店名です

取材時は平日の午後3時ごろ。ちゃんと営業しているし、小さな店内には3名ほどのお客様がいらっしゃる様子。ではお客様が出るのを待ちましょうか、とスタンバイする中原は衝撃的な貼り紙を発見。

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220円! 230円ではなく220円だった! さらに安いとは!

お客様が全員出るのを見届けて、店長さんにインタビュー開始!

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店長の大沢さんは、若くて爽やかな雰囲気の方でした

大沢さんがこのお店をオープンする決意をしたのは約1年前の2013(平成25)年9月。以前はコインパーキングの中にある焼き鳥屋さんだったが、現在パーキングは工事中。工事が終わっても、この場所でラーメン店は続けるという。

当時運送系の会社に勤務していた大沢さんのもとに、知り合いから「ちょっと面白い物件があるから、そこでお店をやってみないか?」という話が舞い込んできた。その人物が、この物件の所有者だったのだ。

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11:30~20:00まで営業していますよ!

若いころから飲食店でのアルバイト経験があり、飲食業に興味があった大沢さん。
まずは物件を一目見てみようと足を運び、この建物を見た瞬間に「これは面白い! やってみよう」と決意したそうだ。

以前の所有者が焼き鳥屋さんとして利用していたため、店内は既に飲食店仕様になっていた。余計な改装を行わずに居ぬきで使用できたおかげで、改装費を大幅にカットすることができた。

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確かに焼き鳥屋さんの雰囲気があります

「焼き鳥屋さんの名前も、変更せずにそのまま使用させていただくことにしました。ですから表の看板は、一部分だけ直して使っているんですよ。」

それでは、冒頭に登場した写真をもう一度見ていただこう。

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お分かりになるだろうか?

「ラーメン鳥竹」の「ラーメン」の部分だけを後からカスタムした様子がうかがえる。

ただし、焼き鳥屋さん時代は建物の二階部分を座敷席として活用していたそうだが、大沢さんが見にきたときは既に屋根が吹き飛んでおり、二階部分は使用できる状態ではなかったという。

現在は適度に補強して、二階部分は倉庫程度で活用しているとのことで、屋根には修繕の努力の跡が見られる。

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サイドを紐みたいなものでとめてあるのは大丈夫なんでしょうか?

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守り神でしょうか

キニナルラーメンを実食!

なぜこの価格でラーメンを提供するに至ったのか、ちゃんと商売は成り立っているのか。まだまだキニナルことは多々あるが、まずはその220円ラーメンを食べさせていただくことにしよう。

ラーメンをオーダーさせていただくと、「了解です!」と笑顔で厨房に入る大沢さん。
そこでライター中原、入店時からなんとなく感じていた違和感の正体に気付く。

このお店、カウンターと厨房の間が布で覆われていて、せっかくの対面カウンター式だというのに厨房の様子が全く見えないのである!

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これはもしや、布の裏側には企業秘密が潜んでいるのでは?

キニナル衝動を抑えきれない中原、布越しに会話を試みる。
「あの、大沢さん」
(布の奥から)「はい!」
「あの、なんでこれ隠してあるんですか? 何か企業秘密があるのですか?」
(布の奥から)「いや、違います、恥ずかしいからです」
「え?」
(布の奥から)「人見知りなので、自分」

まさかの人見知り! いや、実はそれはフェイクで、やっぱり本当は裏側ですごいことが行われているのでは? 大人気なく、ちろっと布をめくると・・・。

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こそこそ・・・。(布の奥から)「あ、だめです! それはマナー違反です!」

大変失礼しました! みなさん、布は決してめくってはいけません!

待つこと約5分。ついに登場! 220円ラーメン!

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ゴマ油の香りがたまらないラーメン220円

透明感のある醤油ベースのスープ、モヤシ、ゆでたまご、メンマ、のり、チンゲンサイがトッピングされた220円ラーメン。登場と同時にゴマ油の香ばしい香りが漂い、食欲をかきたてる。これはトッピングのもやしが丁寧にゴマ油で炒めてあり、さらに韓国のりを使用しているため。

量も男性にはやや少なめかもしれないが、女性には適度なサイズ感かも。220円という価格を考えれば、ボリューム・トッピングともにまずまず満足できる一品だ。

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決して器が小さくはないことを、ライター・中原とのバランスで分かっていただけるでしょうか

それではいただきます。

一口食べると、なんだか心がほんわか温かくなる。なんだか、昔懐かしい味がするのだ。
小さいころ、お母さんがお昼に作ってくれたような、お父さんに連れられて近所のラーメン屋さんにいったときのような、あの懐かしい感覚。

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スープをぐびぐび飲んでしまいました

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食事メニューはこれのみ! 潔い!

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あとはベビースター(30円)と

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ドリンクメニューはこちら

ちなみに、同行していた編集部・松山氏の粋な? 提案によると
「ラーメン220円+チューハイ250円+ベビースター30円 合計500円」で、“ワンコインで楽しめる晩酌セット”が実現する。

なぜこんな低価格が実現するのか?

ラーメンの味をしっかり堪能したところで、大沢さんに再びお話をお聞きする。

「この話をいただいたときに、お金のない若い子たちにお腹一杯ラーメンを食べてもらえるお店を作りたいと思いました。そこで220円という低価格を実現するべく、さまざまなコストダウンの施策を実行しました」

具体的な施策の一例はこちら。

・オーナーさんのご好意で、家賃をきわめて低く抑えることに成功。
・以前のお店の内装や外装をほとんど変えずに使用。
・割り箸などの使い捨て系は使用しない。
・食材のロスを出さないために、やや少なめに材料を調達。
・余計なメニューを増やさない。

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割り箸は使いません

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これもコストダウンの一環でしょうか

しかし、そこまでしてもやっぱり220円で利益を出すのは厳しいのでは?

「正直なところ、確かに厳しいですよ。私が所帯持ちだったら厳しいかもしれません。でも、今はこの仕事が楽しいので良いんです」

会社に勤務していた時代に比べれば、自由に働くことができて、お客さんの喜ぶ顔を見られる現在は非常に充実しているという。

そしてもう一つ、大沢さんがこのお店に込めた想いがある。
幼少期、父に手を引かれ、ワクワクした気持ちで食べに行った屋台のラーメン。あの懐かしい味を再現したかったのだ。

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味のコンセプトは「屋台のラーメン」

「今は家系ラーメン全盛期ですが、こういう素朴な醤油ベースの懐かしい味も残っていてほしいと思いました。スープは鳥ガラと野菜でダシをとった、シンプルな優しいスープです」

昔懐かしい味を懐かしみ、高齢のお客さんも数多く来店するそうだ。お昼には区役所をはじめとした近隣のビジネスマン、夕方には塾帰りや部活帰りの小学生から大学生まで、さまざまなお客様が足を運ぶ。

近ごろは少しずつ常連客も増えてきて、閉店後は大沢さんもカウンターの外に出て、残っているお客様と一緒にお酒を楽しむこともあるという。

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ときにはお客さんと肩を並べて飲むことも

お財布の中身が寂しいときも、心が寂しいときも、優しいラーメンで元気をチャージできそうだ。

取材を終えて

工事現場のど真ん中という立地ではあるものの、今のところお店を移動しなければいけないような状況は想定していないとのこと。
「私が所帯を持つまでは、続けるつもりです」と話す大沢さん。
体も心も温まる220円ラーメン、大沢さんが所帯を持つ前に、ぜひ一度味わいに行ってみてはいかがでしょうか。

―終わり―

ラーメン鳥竹
所在地/川崎市川崎区東田町9-3
営業時間/11:30~20:00(材料がなくなり次第終了)
定休日/土曜日

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