便利はもう古い?抜群の不便さが新しいカメラアプリ「Tomo」
1枚ずつ、好きなときに撮影したい。撮影したら、すぐ見たい。いつでもどこでも撮れて、しかも高速。不要であれば、すぐに削除もできる。それらは確かに便利ではあるが、時として1枚の写真の重みを忘れさせてしまうことがある。
旅行に行けば、子どもの姿を追うのも忘れ、iPhoneのボタンを押し続ける。デートを楽しむより、景色や食べ物を撮ることに、気をとられてしまう……。撮影自体に夢中になり過ぎて、記憶に残すことが疎かになってはいないだろうか。
シェアなし、フィルターなし。究極の不便さと潔さが売り
カメラは本来、大切な思い出を残すための道具。目的は撮ることではなく、過ぎゆく一瞬を捉えるためにある。ここぞというときに、シャッターを切る。そんなカメラの本質を引き出すアプリが「Tomo」だ。
デジタルでありながらデジタルでない、抜群に不便なカメラアプリ。あまりにもシンプルな仕様は、どこかねじれた現代の風潮を一気に吹き飛ばす。
まず、撮影した写真をその場で見ることができない。36枚を撮り終え、尚且つ、72時間経過したところで、やっと目にすることができる。
ファインダーは非常に見づらく、SNSとの連携も一切なし。色を変えるフィルター機能も、もちろんない。機能で言えば、他のアプリの方がはるかに優秀だと、提供元自身が語っているほどだ。
カメラ本来の楽しさを思い出させてくれるアプリ
それでも、このアプリは数多の製品にはない魅力を持つ。旅行中にかかる記録の時間を減らし、SNS文明から解放してくれる。1枚の大切さを噛みしめ、出来上がりを楽しみに待つこともできる。
デジタルが主流になった今だからこそ、見直したいアナログのよさ。手始めに、こんなアプリで原点にたちかえって、余暇を楽しんでみるのもいい。
ウェブサイト: https://techable.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。