AKB48ってもしかしてプロレスだった? “プロレス脳”が人をタフにする理由

AKB48ってもしかしてプロレスだった?   “プロレス脳”が人をタフにする理由

 プロレス―――その言葉に、ある種の胡散臭さを感じる方は少なくないかもしれません。プロレスとは、あらかじめ仕組まれた「茶番」……もっと言うならば「八百長」であると。事実、世の中のありとあらゆる茶番を形容する意味で、「プロレス」が用いられることもよくあります。

 しかし、『教養としてのプロレス』の著者で、芸人のプチ鹿島氏は同書の冒頭で、そんな世の「プロレス観」を一蹴します。

「何を言っているのか。言っておくが、正しい『プロレス』の使い方はまったく違う。『モノの見方』のことである。予想以上のものを見たとき、心が揺さぶられているとき、それを解釈しようとする心。それこそがプロレスである」

 同書はプチ鹿島氏の30年以上に及ぶプロレス観戦で培われた人生訓やさまざまな教養を約300ページに凝縮した1冊。まさに、”プロレス脳”を鍛えるための「思想書」といったところでしょうか。

 各章の見出しもプロレス臭溢れる、魅力的な言葉が並びます。
【第2章 半信半疑力を鍛える】
【第8章 無駄なものを愛す】
【第9章 胡散臭さを楽しむ】
【第11章 敬意をもって「下から目線」でいる】
【第13章 ファンタジーはリアルの上位概念である】

 そんな同書の第5章「引き受ける力を持つ」では、国民的アイドルグループ・AKB48について言及しています。先日行われたAKB48グループじゃんけん大会やAKB48グループ選抜総選挙といった”ビッグマッチ”で世間を巻き込んでいく手法や、スキャンダルさえ”栄養”にするスタイルは、世間では「プロレスとよく似ている」とも言われます。鹿島氏は、そんなAKBについて、峯岸みなみさんの「丸坊主事件」をテーマにこう語ります。

「それについてはただ一点、私はAKBファンの『ふるまい』についてすごく興味があった。ふるまいとは、幻想が破られたとき、現実を突きつけられたときの所作である。かつて私たちが『プロレス最強』という御旗を信じた。同じようにAKBファンが信じたのが『恋愛禁止』なのだろう。(中略)何度も何度も裏切られてきたプロレスファンはぐずぐずしながらも、ジタバタしながらも、結局タフになった。プロレスを見捨てなかった。(中略)だから丸坊主事件が起きた時、問われているのはAKBではなく、ファンだったのだ」

 あの事件を、プロレス視点で見つめていたことを告白する鹿島氏。そんな彼は、同事件の際に、多くのファンが取り乱す中、ブレない姿勢を示した小林よしのり氏――熱狂的なAKBファンとしても知られる漫画家――の言動について、こう振り返ります。

「私は真剣に思うのは、小林よしのりが『腰が据わっている』のはプロレスファンだったことが大きいのではないか?(中略)AKBファンも、昔からのプロレスファンのそんなタフな部分を参考にしていいと思う」

 誰かに夢を託し、そして裏切られる。そうした経験を重ねているプロレスファンだったからこそ、小林氏はあのような「大事件」に際しても冷静でいられたのではないか……鹿島氏はそう指摘しています。

 当の小林氏は公式ブログの中で「わしの心理を言い当てられていて、まったく降参というほど笑ってしまった」と、鹿島氏の分析を認めています。お互いのプロレス脳が共鳴したのかもしれません。

 そんな鹿島氏と小林氏、両雄が相見えるトークイベントが10月6日(月)にJ-POP CAFÉ渋谷で開催されます。教養としてのプロレスを身につけたい方は、是非、参戦してみてはいかがでしょうか。

【イベント情報】
『教養としてのプロレス』出版記念トークライブ
小林よしのりV Sプチ鹿島
日程:2014年10月6日
場所:J- P O P C A FE渋谷
http://j-popcafe.com /
値段:2000円(+1drink)
時間:6時半開場 7時開演
チケット予約
kyoyo.prow [email protected]

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