コミュ障から脱却するための会話術
「知らない人と何を話してよいかわからない」
「会話の流れにうまく乗れない」
「頭で思っていても、うまく言葉が出てこない」
「異性と話すと緊張してしまう」
「おもしろい返しができない」
「同じ話も、あいつが話すと大爆笑、自分が話すとまったくウケない」
……といった、話すことを巡る悩みはありませんか?
最近、一般的にこうしたタイプの人を”コミュ障”(=コミュニケーション障害)などと揶揄する傾向もありますが、程度の差こそあれ、このような悩みを持つ人は少なくないでしょう。
ハーバード大学卒業のお笑い芸人であるパックンこと、パトリック・ハーランさんによる『ツカむ!話術』は、こうした様々な悩みを解決するべく、アメリカ仕込みの会話術をわかりやすく指南してくれます。
そもそも日本人に比べアメリカ人はコミュニケーション能力に長けていると思いがちですが、ハーランさんによると、アメリカ人の人々も、生まれつきコミュニケーション能力が高いわけではないそうです。会話術の高さの背景には、幼稚園の頃から繰り返し行われるコミュニケーション能力を育てる教育があるのだとか。
本書では、そうした教育によって培われたアメリカ仕込みの会話術が、実際のアメリカ社会での日常の会話、そして政治の場面で使われる話術を例に挙げながら、わかりやすく解説されていきます。
話術を向上させるための、様々な具体的なアドバイス。例えばその一つとして、ハーランさんは、三音節や三フレーズといった「三」というリズムを意識したキャッチフレーズ、対比や韻を意識した話し方を薦めています。
そしてその例としてオバマ大統領の言い方に注目し、次のように説明しています。
「演説が上手いことで有名なオバマ大統領もよく、
『ブラックアメリカ』『ホワイトアメリカ』
『レッドステート』『ブルーステート』
という言い方をして、違った人種がいたり、違った支持政党がある州も、ひっくるめて、一つのアメリカなんだということを繰り返し述べています。(中略)対比と韻を活かしつつ、オバマ大統領は最後にオチというか、核となるメッセージを持ってきて三の法則に仕上げます。『我々は【①】レッドステートや【②】ブルーステートではなく、【③】ユーナイテッドステーツオブアメリカ(合衆国)だ』と」(【数字】は編集部注)
本書で指摘された会話術に関する数多くの観点の中から、自分にも出来そうなものを少しずつ実際の会話に取り入れ、経験を積んでいくことで、冒頭で挙げたような話すことを巡る悩みも次第に解消されていくはずです。
また、本書には優れた話術によるニュース解説で人気の池上彰さんとの対談も収録。使える会話術の詰まった一冊となっていますので、自らの会話に自信が持てない人は是非、一読してみてはいかがでしょうか。
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