家事ハラは夫婦関係破綻のサイン?

夫婦共働きが増え、夫も家事を手伝わないわけにはいかない事態に

家事ハラは夫婦関係破綻のサイン?

今、「家事ハラ」という言葉をよく耳にします。「家事ハラスメント」の略称で、もともとは女性の家事労働の価値の低さへの問題定義から生まれた言葉でした。しかし、最近では、家事協力をする夫に対し、妻がダメ出しをするという現象を指す言葉として使われています。

現代は夫婦共働きが増え、安倍総理が掲げる「女性の活躍推進」や雇用均等法等も手伝って、男女の労働に対して差別が無くなってきましたが、まだまだ妻の家事負担が明らかに大きいことは否めません。

そこで各家庭で「夫婦で家事を分担し合おう」というルールが作られるのですが、世の夫の中には「妻が家事をしてくれるもの」という期待を抱いて結婚をする人が多いのも事実です。一人暮らしの期間が長い男性でない限り、ほとんどの男性は、さほど家事は上手ではありません。しかし、子どもが生まれたりすると、妻にしかできない育児の問題が新たに生じ、夫も家事を手伝わないわけにはいかなくなります。

「家事ハラ」には「いじめ」の構図が浮かび上がってくる

どんな夫婦も結婚当初は、互いに感謝の意を伝え合うものです。しかし、ある程度の遠慮がなくなると、それが「ダメ出し」に変わります。夫からすれば「妻の負担を軽くしてあげたい」という思いやりから家事を手伝い始めるのですが、妻からすると、段々それが当たり前になってしまい、感謝の気持ちを忘れてしまうだけではなく、挙句に「きちんと出来ているか」というチェックに変貌を遂げます。

その後、夫の家事への不満を切り口に、指導という名の「叱咤」が入るのです。家事へのダメ出しに留まらず、妻は夫の人格を否定し始めます。ハラスメントという言葉が使われているように、「いじめ」の構図がここに浮かび上がってくるのです。中には、妻から夫へのDVに発展することもあります。

家事ハラを解決するには、根本にある夫婦の問題に気づくしかない

こうして考えてみると、「家事ハラ」は何も家事だけに関する問題だけではなく、夫婦の関係性そのものにつながっているといえるでしょう。家事ハラを解決しようと思えば、根本にある夫婦関係の問題に気づくしかありません。しかし、その中身が明快なことばかりではなく、もっと屈折した夫婦関係が起因していることもあります。怖い話ですが、実は家事へのダメ出しは口実に過ぎず、パートナーに対しての憎しみが根っこにあることも少なくないのです。

ただ、一つ言えることは、家事分担にこだわり過ぎると、結果のチェックにこだわってしまって良くありません。そもそも家事は役割ではなく、思いやりに立ち戻って互いが考えるべきでしょう。何年経っても互いへの感謝の気持ちは忘れないようにしたいものです。

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