“3Dメガネ不要”の特殊スクリーン技術が開発中 既存の技術よりコストもダウン
3D映画といえば、専用の3Dメガネをかけて鑑賞するイメージがあるが、これが今後変わっていくかもしれない。Massachusetts Institute of Technology(MIT)の、Matthew Hirsch氏をはじめとするMIT Media Labの研究チームでは、ここ3年に渡って、3Dメガネ不要の多視点3D動画スクリーンの開発を手がけている。
観客の位置や視点によって、スクリーン上の対象の見え方が変わってくるという。この特殊スクリーン技術が実現化されれば、既存のホログラフィー動画タイプよりコストも抑えられるようになる。
3Dスクリーン用のプロジェクターには、光源とレンズの間に、2つの液体クリスタルのモジュレータ(変調器)が設置されている。お互いのモジュレータは、光の照射角度が微妙に異なるように据え付けられており、別のアングルをキープするようになっている。これにより、観客の立ち位置によって、少しずつ異なる画像が見えるのだ。
3Dスクリーンのプロトタイプは、2タイプのレンズが横並びに組み合わされ、まるで透明な溝のシートのような形状を構成している。よく子ども向けの“3D効果”の本やおもちゃに使われている技術だ。これによってより広い視界アングルを実現している。
もちろん、エンターテイメント業界のアプリケーションに用いられるだけでなく、デザインや医療分野の画像表現に活用することも期待されている。わずらわしい3Dメガネから解放されるかもしれないこの技術だが、未だ改良段階にあり、完成までもう少し時間がかかりそうだ。
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