安倍首相、平和記念式典のスピーチで痛恨の”セルフコピペ”

安倍首相、平和記念式典のスピーチで痛恨の”セルフコピペ”

 昨日8月6日、広島にて開催された平和祈念式での安倍晋三首相のスピーチがネット住民の間で「やってしまった」と話題になっています。

「広島市原爆死没者慰霊式、平和祈念式に臨み、原子爆弾の犠牲となった方々の御霊に対し、謹んで、哀悼の誠を捧げます」と始まる安倍さんのスピーチ。核廃絶に対する日本の取り組みや、恒久平和の実現へ向けた首相の決意が語られていますが、実はこれ、昨年のスピーチとほぼ内容が「同じ」だったのです。

 毎年開催される式典ですし、同じような内容になるのは十分にわかりますが、「似たような話をしている」とかではなく流用レベルの「同じ」。

 たとえば、今年のスピーチでは「69年前の朝、一発の原爆が、十数万になんなんとする、貴い命を奪いました。7万戸の建物を壊し、一面を、業火と爆風に浚わせ、廃墟と化しました。生き長らえた人々に、病と障害の、また生活上の、言い知れぬ苦難を強いました」とのくだりがあります。小保方晴子さんのコピペ判定でも話題となったテキスト比較ツール「difff(デュフフ)」を使い、昨年と今年のスピーチを比較してみましたが、「68年前」が「69年前」に変わっていること、「一発の爆弾」(昨年)が「一発の原爆」(今年)と言い換えられていること以外、全く同じという結果が出ました。

 これ以外でも前段部分は、昨年とほぼ同じ。さすがに後段では言い換えられている部分が多いものの、昨年は国連での核軍縮決議に触れていたのが、今年は国連総会の核軍縮ハイレベル会合に置き換わっていたこと以外、内容自体は全く同じです。関連リンクに、首相官邸ホームページに掲載されている昨年と今年のスピーチ、そしてdifffのURLを記載しますので、比較してみてください。

 それにしても安倍首相、なぜこんなことをやらかしてしまったのでしょう? 原稿は本人が書かれたものではないのでしょうが、あそこまで同じものを読ませられて、なにも感じなかったのでしょうか? 毎日、死ぬほど忙しいのに一年前に読んだスピーチのことなどいちいち覚えていられるかって話かもしれませんが、あれほどの「大舞台」で読むスピーチですから、原稿を読んで気づいていただきたかったところです。

 また気になるのは周囲がどうして安倍さんにあんなものを読ませたかという点。どう考えてもバレるレベルの流用を、堂々とやり遂げてしまったわけですが、なにか魂胆でもあるのかと勘ぐりたくなります。もしや新手のクーデターなのでしょうか。

 
 今回紹介するのは『オバマ再選演説集』。2012年の米大統領選挙で共和党のミット・ロムニー氏からの激しい追い上げにもかかわらず、選挙戦を勝ち抜いたオバマ大統領の演説を集めた作品です。生音源入りのCDと対訳付きですので、スピーチのキモとなる声の抑揚や間のとり方なども習得できそうです。安倍さん、是非、ポケットマネーでお買い求めください。

 とりあえず安倍さんは、今回の”流用問題”をどう釈明されるのか、もしくはスルーするのか……成り行きを生暖かく見守っていきたいと思います。

【関連リンク】
平成25年8月6日 広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式あいさつ(首相官邸)
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/0806hiroshima_aisatsu.html

平成26年8月6日 広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式あいさつ(首相官邸)
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/0806hiroshima_aisatsu.html

difff
http://difff.jp/

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