パズルガールズ、覚悟を観せたワンマン・ライヴ——OTOTOYライヴ・レポート

パズルガールズ、覚悟を観せたワンマン・ライヴ——OTOTOYライヴ・レポート

先週配信が開始された新曲「?」がOTOTOYでぶっちぎりの1位を記録するなど、じわじわ人気が上昇している“謎解きアイドル”のパズルガールズが、7月29日に東京・渋谷PLUGでワンマン・ライヴを行った。彼女たちは、普段は同じ渋谷にある道玄坂ヒミツキチラボを拠点に活動している。今回は別の会場でのワンマン・ライヴ、しかもキャパは2倍近くという、ある意味大きな挑戦でもあった。

ガラガラだったらどうしよう。そんな不安を抱えながらも会場に到着。そしてホールに入って、びっくりした。めっちゃ埋まっているではないか! なにも心配することはなかった。メンバーがステージに登場すると、まずは「カジノロワイヤルにようこそ」を手拍子の中でリズミカルに歌った。「みなさん、こんばんは! 」と元気よくあいさつし、ライヴが進行するのかと思いきや、ここで突然場内が暗転。「予備電源作動、電力停止まで残り20分」という怪しい声が響く。どうやら、会場の電力がダウンしたとのこと。客席は待ってましたとばかりに、うれしそうにざわめく。そう、謎解きタイムのはじまりである。会場に隠された謎を解くと、電力を回復する呪文がわかるという仕組みのようだ。

客席はチームに別れて、いつものように手の込んだ謎を解き明かす。筆者は2回目の参加ということで、少しだけ勝手がわかってきた。前回はほとんど仲間たちが謎解きするのを見ているだけであったが、今回は自分でも謎の一部を解くことができた。この達成感はなんとも言えない。制限時間の20分で、無事に全チームが謎解きに成功。電力が回復し、「ライヴ再開可能です」というアナウンスが流れ、メンバーがステージに戻ると大歓声が。「世界はパズルで出来ている!」を披露すると、客席は大声でコール、会場一体となっての大盛り上がり。謎を解決した直後のこの強烈な一体感は、やはりほかのライヴでは味わえない独自の空気だ。続いて披露されたTM NETWORKの名曲「Get Wild」のカヴァーでも、客席全体をサイリウムが彩り「オイオイ」コールが鳴り響くなど、熱気は増すばかりだった。

息切れ気味に自己紹介をしたあとは、「きみとぼくのうた」をしっとりと聴かせるなど、前回のヒミツキチラボのライヴでは観られなかった一面を垣間見せた。BiS「nerve 」のカヴァーで再び会場の熱を上昇させたあと、三田アミが「大事な話がしたい」と切り出す。「チームクエッション」と名づけられた濱ヶ崎美季、堤沙也、桃井美鈴、浅川琴音、安藤ひかるの5人でこの夏は外部のイベントに出演することや、この5人に対する思い、お客さんが以前選んだ8人のライヴ選抜メンバーとは違う理由などを、ていねいに説明。「みんな大好きで、本当に素晴らしいメンバーと思っているので、どうかチームクエッションをよろしくお願いします」と声を枯らしながら話すと、客席から暖かい拍手が起こった。

そんな三田の思いを受けて5人で披露された「?」は、一段とエモーショナルに聴こえた。客席をあおりながら決して広いとは言えないステージで精一杯に踊るメンバーからは、強い意気込みが感じられた。続く「脱出応援歌」ではほかのメンバーもステージに登場。客席も合わせて、再び強い一体感を印象づけた。

ここで客席後方に怪しい覆面を被ったプロデューサーYPが登場。事前にメンバーに課していた指令の結果を言い渡す。7月の計4回のライヴでの集客目標が大きく上回る結果であったことなど、すべての指令が達成されたことを報告。さらに、8月10日によみうりランドで初の野外フリー・ライヴを行うこと、9月10日にワンマン・ライヴをなんとキャパ500人の新宿LOFTで行うことなども発表した。YPは「もう謎目当てなんて言わせない!」「もっともっとぶち壊せー!!」と絶叫。指令を達成した安心感からか涙ぐむメンバーたちに、観客は色とりどりのサイリウムを光らせてエールを送る。そんななかで、ロック調の新曲「ここにいてね」を披露。サビでは一斉にタオルを回しながら、未来への強い思いや希望を歌った。

本編はここで終了するも、客席はすぐさま「?」を大声で歌ってメンバーを求める。その声に応えてメンバーが登場。そのまま、この日2度目の「?」を披露。客席からはコールが絶え間なく響き、それに呼応するように、思いを込めて歌うパズルガールズ。ついには感極まったメンバーがダイブしたり、次々と客席へと駆け出す場面も観られた。最後に再びみんなで「限りある世界で」を歌い、ライヴは終了した。あいさつして場内の電気がついても、名残惜しそうにお客さんに手を振るメンバーが印象的だった。

集客への懸念もまったくの杞憂に終わるほど多くのお客さんが集まり、パズルガールズはそれを自分たちのエネルギーに変えるように力強いステージを観せた。アンコールで5人で歌った「?」は、強い覚悟が感じられた。彼女たちはすでに〈東京アイドルフェスティバル2014〉という大舞台を終えて、今後はよみうりランドの野外ライヴ、新宿LOFTというさらに大きなキャパでのワンマンを控えている。それらを経てどんな成長を見せてくれるのか、とても楽しみになるライヴだった。(前田将博)

・パズルガールズ、2ndシングルを先行ハイレゾ配信&7月22日ライヴ・レポート
http://ototoy.jp/feature/2014072305

〈パズルガールMYSTERY LIVE in 渋谷 PLUG〉
2014年7月29日(火)渋谷PLUG

1.カジノロワイヤルにようこそ
2.世界はパズルで出来ている!
3.GetWild
4.きみとぼくのうた
5.おしえて! 恋のプロトコル
6.nerve
7.?(クエスチョン)
8.脱出応援歌
9.ここにいてね

E1.?(クエスチョン)
E2.限りある世界で

パズルガールズ、覚悟を観せたワンマン・ライヴ——OTOTOYライヴ・レポート

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