女子と学ぶパンの科学! 秋葉のサイエンスカフェイベントレポート
秋葉原の私設図書館カフェ・シャッツキステで6月28日に開催されたイベント、『女子と学ぶ ~ ふくらむパンと質感の科学』に参加してまいりました!
今回のイベントの主催となったのはコミックマーケットやコミティアなどの即売会で自身の描いた本を配布しているこーわさん。
これまでに女の子の可愛さと科学の面白さを同時に伝える内容で本を作っており、即売会でも壁に居ることの多い人気のサークルです。
今回のイベントでは、「これまで作ってきたパンにまつわる同人誌をベースに、実験や観察を通じて、ふくらむ女子とパンの第二次成長発酵について、学びます。」とのことで、一体どのような会になるのか、興味津々でおじゃましました。
シャッツキステってどんなお店?
イベント内容に移る前に今回の会場となったお店、シャッツキステについて簡単にご紹介。
シャッツキステはその店名に「私設図書館カフェ」と付いている通り、店内の棚に並ぶ様々な本を自由に手にとって読むことができます。
その他にも、夜には店で働くメイドさんのチョイスによるテーマについて、お客さんも一緒になって議論を楽しむ定例会の「夜話(やわ)」が開催されるなど、みんなで何かを考えたり作ったりするという点で、一般的なイメージの“アキバのメイドカフェ”とは少々違う趣が漂っています。
通常行われる夜会は自由参加での開催ですが、コミティア会場でこーわさんとシャッツキステの出展スペースが隣同士になったことから、話が進み開催が決まった今回のイベントでは、予約制の特別回として行われる運びとなりました。
イベントは実験やトークを織り交ぜて
今回のイベントは、最近の理系研究分野で話題となっている「サイエンスカフェ」という趣旨での開催。
コーヒーやお茶を飲みながら、一方的に話すのではなく参加者と会話をする中で科学について身近に感じてもらうというのが目的です。
今回のテーマも普段、朝食やお菓子として何気なく食べているパンについてもっと科学的に、そして楽しく考えてみようというものでした。
パンを作る上で必要となる材料は小麦粉、水、塩、イーストといたってシンプル。それらの材料を配合・捏ね・発酵・焼成という4つの工程を経ることでパンとして食べることが出来るのです。
今回のイベントではその中でも特にイースト菌を使った発酵の工程について紹介する内容となりました。
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実験も織り交ぜ、パンの科学を楽しく解説
楽しく科学を考えるためということで、イベントでは顕微鏡や注射器といった実験機材も使って実際にイースト菌を利用した実験も行われました。
実験ばかりに目が行って、スライドの方は説明に終始するかというとそんなことはなく、これまでの同人誌で描かれたイラストも織り交ぜて、女の子を愛でつつパンの作り方を紹介しています。
ちなみにフェティッシュな視点で可愛らしさを魅せるイラストについては、「いい意味でいかがわしい」とメイドさんも大絶賛。
パンについての説明中ですが、要所要所ではこーわさんの女の子に対しての思いが溢れる場面も……
いたって真面目な解説なのですが、こーわさんの含みのある言い回しと描かれたイラストがいっしょになって様々なイメージが膨らみます。
また、パンを実際に捏ねる場面ではお店のメイドさんに手伝ってもらいながら、段々と生地がまとまる様子を説明していました。
イベント中では焼き上げたパンも参加者に配られ、紅茶と一緒に美味しく頂くことも出来ました。
質問コーナーでは創作活動に対する考え方についても
トーク後の参加者からの質問コーナーでは、小麦でパンを作るように片栗粉でも作れるの?、といったパン作りについての質問から、制服女子のどこが好き?といったこーわさんの趣味について尋ねる質問も。
そうした質問の中で、なぜ女子と科学を一緒にした作品をつくるのかという質問に対して、「同人誌を作るためのプロセスと科学の研究プロセスは、実はよく似ているのです。」と答えたこーわさん。
二次創作では、[作品を見る→考える→妄想→作品化→受け取った人との共感・議論]という流れがある一方、科学について考える中でも[事象の観察→考える→仮説を立てる→実験→結果の考察・議論]というプロセスがあり、それが非常に似ているということなのです。
ほかにも、「社会人として忙しい中で同人誌を作るということはなかなかに時間的なコストもかかるもの。それならば自分がまだ知らない分野を調べて、自分にとっても新しい学びを得つつアウトプットとして、読んでもらった人にも紹介できる内容にしたいのです。」とも話し、こうした創作活動をする人が増えると良いですねとおっしゃっていました。
実際今回のイベント参加者にも、何人か同人活動で自分の作品を制作している方が居らっしゃった様子。
今日のイベントをきっかけに、帰ってからでもパンについて興味を持って自発的に調べてもらうことがあれば、今回のサイエンストークは成功ですねと話されていました。
勉強会というとまず会議室などで行うイメージもあるかもしれませんが、こうした朗らかな雰囲気の中で、たのしく学べる場がもっと増えると良いなと思えるイベントでした。
ウェブサイト: http://kai-you.net
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