DIY未経験の夫婦が、工夫しながらつくりあげた理想の住まい

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DIY未経験の夫婦が、工夫しながらつくりあげた理想の住まい

先日、国交省から「借主負担DIYの賃貸借契約」のガイドラインが発表されたことを受け、リクルート住まいカンパニーが実施した「賃貸住宅におけるDIY意向調査」http://www.recruit-sumai.co.jp/press/2014/06/diydiy46942.html
によれば、「借主負担DIY型」の賃貸借契約の利用意向は46.9%と高い数値を示したようだ。賃貸住宅のDIYは何が魅力なのだろうか? 実際にDIY賃貸住宅に暮らすカップルの住まいを訪ねてみた。

<入居者プロフィール>
吉田さん(42歳)/夫婦/職業 会社員
■ 住まいデータ
所在地:大阪府箕面市
築年数:築35年
アクセス:阪急千里線「北千里」駅からバス約17分
間取り:2LDK/約47 m2
家賃:5万8200円(共益費込み)
入居時期:2013年7月

DIY未経験の夫婦が、工夫しながらつくりあげた理想の住まい

【画像1】間取図と外観(左 画像提供:UR都市機構/右 写真撮影:井村幸治)

築35年の郊外型団地で、若い世代からも注目を集めているDIY賃貸住宅

大阪府箕面市にあるUR賃貸住宅の箕面粟生(あお)第3は、いわゆる“団地”と呼ばれる集合住宅だ。最寄駅からはバス便になるが、緑豊かな環境に恵まれ、生活利便施設も団地内にある暮らしやすい物件。築35年を迎え、入居者の高齢化も進みつつある典型的な郊外型団地とも言えよう。

この団地では「DIY賃貸」がすでに20戸以上も契約されるなど、若い世代にも注目を集める物件となっているという。実際にDIY賃貸に暮らす吉田さんご夫妻の住まいを見せていただいた。

DIY未経験の夫婦が、工夫しながらつくりあげた理想の住まい

【画像2】吉田さんの部屋は2DK約47m2家賃は5万円台だ(写真撮影:井村幸治)

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【画像3】ダイニングキッチンの隣は和室から洋室へ。襖は取り払った。キッチンカウンターは食器棚の下段とカラーボックスでDIYした(写真撮影:井村幸治)

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【画像4】キッチンの壁や吊り戸棚は煉瓦調のシートを貼っている(写真撮影:井村幸治)

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【画像5】トイレの扉と内部をDIY。扉は黒板風にしてイラストを手書き。トイレ内のグリーンの壁は塗装、床と奥の壁は木目シートを活用(写真撮影:井村幸治)

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【画像6】廊下のモノ入れの扉も塗装(左)。キッチンの収納扉には板を打ち付けてアンティーク風にアレンジ(中)。洋室の腰壁はベニヤ板から切り出して貼り付けた力作。漆喰(しっくい)の壁塗りは吉田さんの妻が担当(右)(写真撮影:井村幸治)

DIYモデルルームを見学してひと目ぼれ、そのまま仮契約を結ぶ

吉田さん夫妻は結婚2年目、当初は民間の賃貸住宅に暮らしていたが、周囲の騒音が気になって住み替えを考え始めた。吉田さんの実家は京都で、将来はそこに住む可能性もありマイホームを購入するという考えはなかったそうだ。箕面という場所にもこだわりがあったわけでなく、たまたま出合った物件が粟生(あお)だった。

「DIY賃貸のことは住宅情報誌を見て知りました。DIYモデルルームがあるというので見学に来たのですが、そこでひと目ぼれ。賃貸なのに壁の塗り替えがOKで、しかも退去時に元に戻さなくてもいいと聞いて、すごいと思った。ふたりともDIYの経験はなかったのですが、そのまま仮契約してしまいました(笑)」と吉田さんの妻。

実は粟生団地にはDIY賃貸の先駆者的な主婦・mariさんが手がけた「DIYモデルルーム」が常設されているのだ。シンプル&ナチュラルテイストが好きで、カフェ風の家に憧れを持っていたという吉田さんの妻は、「賃貸でも憧れの住まいを実現できる」ということを知って即決した。

失敗もあるけど、工夫してリカバーすることもDIYならではの楽しみ!

しかし、ふたりともDIY未経験、不安はなかったのだろうか?
「図工は苦手科目だったのですが、妻が惚れ込んでしまったので、もう頑張るしかない…(笑)」と吉田さん。DIY雑誌とモデルルームを参考に、できるところから始めていったというふたり。吉田さんはトイレの壁紙から、吉田さんの妻は洋室の漆喰壁からと、分担しながらDIYを始めていったそうだ。

「失敗もありました。洗面所との仕切り壁をつくったけれどドアが重すぎてうまく動かなくて取り外し。ドアは飾り棚に再利用して、仕切りはカーテンで代用しています。でも、臨機応変に工夫することもだんだん楽しくなってきましたよ」

DIY未経験の夫婦が、工夫しながらつくりあげた理想の住まい

【画像7】キッチン入り口からみた玄関。洗面所との間仕切り扉をつくろうとしたが重すぎて失敗。枠だけを残してカーテンで仕切り、扉は再活用しブラウンの窓枠風飾り棚に。ナイスアイデア!(写真撮影:井村幸治)

「材料を探してホームセンターをはしごしたことも。木材は意外と高いので、腰壁をつくるために安価なベニヤ板を裁断して羽目板風に打ち付けたのですが、密着させすぎて元のベニヤの一枚板に戻ってしまってがっかり。わざとすきまを空けたり、削ったりと苦労しましたが、その分愛着がわきますね」
1年のDIY経験で、どうやら吉田さんもDIY賃貸住宅にどっぷりとはまってしまったようだ。

DIY未経験の夫婦が、工夫しながらつくりあげた理想の住まい

【画像8】キッチンシンクのタイル貼り、これは苦労しましたけど素敵でしょ!(写真撮影:井村幸治)

吉田さんご夫妻のお話を聞いていると、プロのような完璧な仕上げにならなくてもいい、コストをかけずに創意工夫で楽しく住まいをつくりあげていけるのがDIY賃貸の醍醐味だと思えてきた。

DIY賃貸は可変範囲も思った以上に広い。作り付け家具を壁に設置することや、和室の襖や鴨居を撤去してもOK、遮音性能を満たせば床をフローリングに張り替えることも可能。キッチンや浴槽やトイレの便器、洗面台も取り替え可能だ。そして、改造をしたまま退去ができる、原状回復の義務がないのだ。(すべてUR賃貸住宅のケース)

自分の理想のスタイルがハッキリしている人なら、DIY賃貸を活用してローコストな住まいを手に入れることもいいだろう。また、理想が明確になっていないとしても、自分に合った住まい方を見つけるために、まずはDIY賃貸というスタイルもありだ。住みながらいろいろとトライができるDIY賃貸は、賃貸物件を自分好みにカスタマイズしながら暮らしたいという人や、将来中古物件を購入してリノベーションしたいという人にとって、賢い選択肢なのだと思う。

●物件担当者からのメッセージ
URのDIY賃貸住宅は契約から3カ月間家賃無料の期間があります。入居後に生活を続けながらのDIYは大がかりな作業が難しいケースもありますが、3カ月間の準備期間を使えば集中してDIY作業を行うことも可能です。DIY賃貸に入居される世帯は、最初は女性のほうが積極的なことも多いのですが、いざDIYを始めてみると夢中になる男性も結構多いです。道具にこだわるのも男性ですね。
箕面粟生団地では共用スペースを使って「DIY工房」を設ける予定です。DIY作業は木くずや塗料の飛散などで養生や掃除にも気をつかうものですが、工房を利用すれば気兼ねなく作業に取り組んでもらえるようになります。今後も順次DIY賃貸を拡大していきたいと考えています。
UR都市機構 西日本支社団地マネージャー 西山直人氏●UR賃貸住宅 箕面粟生DIYモデルルーム
HP:http://www.ur-net.go.jp/kansai/minohao/
●国土交通省 「個人住宅の賃貸流通の促進に関する検討会」の最終報告について
HP:http://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000091.html
●『国が新しい契約形態を提示。今後はカスタマイズ、DIY賃貸が増える!?』
http://suumo.jp/journal/2014/04/02/60278/
元記事URL http://suumo.jp/journal/2014/07/18/66298/

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