就活生が「クソ企業」告発、採用活動の注意点
面接時の悪い噂がネットに流出。投資家も見ている
「自社にとって、最適な人材を採用したい」との思いは、どの会社も共通でしょう。いわゆる「問題社員は避けたい」というのが本音だと思います。だからといって、採用面接時に好きな質問をして良いわけではありません。就活生の間では、とんでもない質問をしたり、理不尽な圧迫面接したりする企業を「クソ企業」と呼び、学生同士で情報共有しているようです。
また、投資家もそういう情報をもとに投資対象を選別しているそうです。今は「ネット社会」。悪い噂はまたたく間に流布され、ネットに一度載るとなかなか消せません。そこで今回は、企業が採用時に気をつけるべきポイントを挙げてみます。
生い立ち、家族の職業、結婚・出産にまつわる質問などはNG
(1)面接で質問してはいけない質問(以下は雇用対策法第5条の4及び平成11年告示第141号によります)。
■本籍や出生地に関する質問
■生活環境や生い立ち・住宅環境や間取りに関する質問
■家族構成、家族の職業、地位、収入、資産に関する質問
■思想、信条、宗教、尊敬する人物、支持政党、労働組合に関する質問
◆具体例
「あなたのお父さんの職業は何ですか?」
「あなたの家は持ち家ですか?」
「あなたには支持する政党がありますか?」
「どんな人生観をお持ちですか?」
「あなたの尊敬する人物は誰ですか?」
「結婚や出産の予定はありますか?」
「配偶者が転勤した場合、勤務はどうしますか?」など。
これらは全てNGです。面接直後にハローワークに苦情が届けられて、窮地に追い込まれた企業もあります。面接や採用活動に携わる人は注意してください。
(2)労働条件を明示しよう。
求人をする場合、雇用後の無用なトラブルを避ける目的でも、労働条件は明示して募集しましょう。
◆明示すべき労働条件
業務の種類
雇用期間
就業場所
始業及び終業の時刻
残業の有無
休憩時間及び休日
賃金額
労働保険並びに社会保険への加入の有無
そして、可能ならば具体的な内容を記載しましょう。「労働条件を明示してほしい」というのは、自分が応募側に立てばわかると思います。
(3)その他注意すべきこと
◆事前に応募書類を送付してもらう
応募者への質問事項が明確になり、事前にチェックをかけることができます。中小企業では当日持参が多い傾向があります。
◆経営者の態度に気を付ける
普段のクセなのか、意外と応募者に横柄な態度を取る経営者がいます。主従関係ではなく、ビジネスパートナーを探す気持ちがあるなら、そのような態度は取らないはずです。注意しましょう。
自社への応募者は消費者であることを肝に銘じて法令遵守
最後に、自社への応募者は消費者でもあることを肝に銘じましょう。ぞんざいな扱いをした不採用者は、間違いなく、その会社のことを快く思いません。ネット時代だというリスクを常に忘れないでください。
また、法令を遵守することは当然であり、最低限です。「採用は経営戦略」が私の考えです。企業は人なり。ぜひ、事業発展の助けになる採用活動をしてください。
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