「知的興奮も遊び心も満足」「解けない方が魅力的な謎」映画『複製された男』にミステリー好き大学生が夢中
何もかもが自分と瓜ふたつの人物の存在を知ってしまった男の日常が悪夢に変わり、その影響を受けたもうひとりの男自身も自己喪失の危機に見舞われていく。不確かな現代社会を生きる我々のアイデンティティーを揺さぶる危うい作品。それが7月18日より公開となる映画『複製された男』。『ミッション:8ミニッツ』『プリズナーズ』のジェイク・ギレンホールが1人2役を演じる、極上のミステリーです。
『複製された男』は、大学の歴史講師アダムが、DVDでなにげなく鑑賞した映画の中に自分とそっくりの端役の俳優を発見し、取り憑かれたようにその俳優アンソニーの居場所を突き止め、気づかれないよう監視するというストーリー。その後2人は対面し、顔、声、体格に加え生年月日も同じ、更には後天的にできた傷までもが同じ位置にあることを知る。やがて2人はそれぞれの恋人と妻を巻き込み、想像を絶する運命をたどっていき……。
映画上映前にマスコミ向けに行われる試写会でも「難しい」「何度か観ないと分からない」などと話題騒然の本作。観る者の脳力を試すこの映画に、全国のミステリーファンの大学生たちが挑戦し、コメントを寄せています。
「物語が進むに連れて高まる緊張感と、対照的に薄れていく現実感。散りばめられた伏線と頻出する蜘蛛のモチーフ。その意味に気付いた時、溜息がこぼれた。(大阪大学推理小説研究会)」
「限られた登場人物、閉ざされた空間、謎と秘密の嵐。一体何が起こっているのか。映画における新たな「密室」の傑作が誕生した。生半可な覚悟で見る者には警告する。これは、恐ろしいまでに蠱惑的(こわくてき)なミステリーだ。(関西学院大学ミステリ研究会)」
「傑作!ラストシーンまで緻密に練られたプロットもさることながら、特筆すべきは主演ジェイク・ギレンホールの”己を追いかける”姿。その狂気的なまでの熱演は往年のアラン・ドロンを彷彿とさせた(慶応義塾大学推理小説同好会)」
「非常に難解な文章を持つ作家として知られるジョゼ・サラマーゴの作品を見事に映像として昇華させている! この映画は純文学的でありながら同時に娯楽的であり、知的興奮も遊び心も満足させてくれる稀有な作品だ。(慶應義塾大学ファンタジー研究会)」
「映画を見終えて点が結ばれても浮かび上がってくるのは一本の線ではなく複数の線。その線に見事に絡め取られてしまいました。(埼玉大学推理小説研究会)」
「ぶっきら棒に放り投げられた謎だらけの結末。それを解こうとするかどうかも観客次第。決して解けない人間心理を描く疑問符だらけの90分(成城大学ミステリークラブ)」
「わたしが正しくわたしでない都市で展開される、わたしを巡るアドヴェンチャー。合理と受け入れようにも示唆的に過ぎ、不合理と受け入れようにも挑発的に過ぎるそれは、明晰な悪い夢というべき不条理劇の傑作だ。(筑波大学ミステリー研究会)」
「自己同一性の揺らぎ。その恐怖を、映像美と音楽が掻き立てる。過度に身構えず、まずは完成された映像世界に酔いしれて欲しい。観終わった瞬間から、あなたのなかで【文学/ミステリー】は紡がれ始める。(東京大学新月お茶の会)」
「自分は本当に自分なのか、不安にさせられるような作品。ここまで頭を使う作品は初めてでした。見た後に部内で大論争になるほどの一度見て二度おいしい作品です。(明治大学ミステリ研究会)」
「解けない方が魅力的な謎というのは確かにあって、その最たるものは「自分」という存在だ。そこに「もう一人の自分」が加われば? そう、魅力も2倍である!(立命館大学推理小説研究会)
「謎解きよりも、人間ドラマとして素晴らしい作品である。ところが、だからこそ、このような魅力的な人間性が演じられているからこそ、それらの謎をどうしても解いていきたいと思わせてくれるものがある。(龍谷大学推理小説研究会)」
ミステリーファンの大学生からの絶賛コメントは以上。あなたも自分の“脳力”を試してみませんか?
映画『複製された男』
http://fukusei-movie.com/
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