なぜ?若者が「ぼっち席」を好む理由
一人でいることを快適に感じ、孤立を深めていく
大学の食堂で一人専用席、通称「ぼっち席」が静かな人気を呼び、各大学に広がっているそうです。「ぼっち席」で食事をしていたある学生は「大きなテーブルに一人で座っていると、友達がいないみたいで恥ずかしい」と答えていました。こうした若者が増えているのは、小さいころから家庭や屋外での一人遊び、一人食事など、一人っ子のような環境で過ごすことが多いからではないかと思われます。
きょうだいの数が少なく、また、きょうだいでも男女別であったり、年が離れていたりすると、一人っ子のような環境で育てられます。すると、寂しくないわけではないものの、一人でいることを快適に思うようになります。学校では集団行動に疲れを感じ、昼休憩などで自分の時間を確保しようと孤立を深めていきます。これは、コミュニケーションが苦手ということはもちろんのことながら、一人遊びが習慣となり、楽しんでいるという側面もあります。
一人での行動と集団行動とのバランスが大切
こうした若者が社会に出られるのかと心配される人も多いかと思います。ですが、多くの若者たちは、仕事で協力して行動することの重要性と必要性を理解しています。ですから、大多数の若者は、その場に応じて他者と一緒の時間を楽しんだり我慢したりできるような大人になっていきます。
若者が一人で過ごすことには、メリット、デメリットがあります。メリットは、自分の意思が育まれ、自分の考えで動けるようになります。個性も際立ち、想像力が豊かになるほか、自立的になります。一方、デメリットは協調性に欠け、マイペースになりやすいということです。重要なのは、「一人ぼっち」で過ごすことではなく、全体のバランスです。一人も大事ですし、仲間といることも大事です。どちらかに偏れば、「問題」となって表面化します。
では、一人を好む子どもにしないため、ならないためには何に気を付ければいいのでしょう。親の立場では、子どもが小さいころから、多くの子どもたちと遊ぶ環境を与えることです。一方、若者が自分で気を付けるには、周りの声を拾えばいいのです。「もっとみんなと一緒に食事したほうがいいよ」などと注意してくる人がいれば、バランスが偏ってきていると判断し、その声に従うようにしましょう。
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