マルチタッチが可能なノートPCがレノボから登場!『ThinkPad X201 tablet』
今日紹介するのは『ThinkPad』シリーズでおなじみのレノボから登場した、タブレットタイプのノートPCです。
「いや、それ、前からあるし」と思った諸兄は正しい。けれども、今度の『ThinkPad X201 tablet』は一味違います。そう、いよいよマルチタッチが可能になったのです。
世は『ニンテンドー DS』や『iPod』、『iPhone』そして『iPad』といったデバイスのおかげか、いわゆるタッチインタフェースがすっかり定着した感があります。マルチタッチというのは、タッチインタフェースの中でも、二本以上の指で操作可能なインタフェースのこと。厳密には、2点以上の検出点を元に操作が可能になる、という言い方になるかと思います。マルチタッチインタフェースであることにより、指で広げれば写真は拡大するし、ひねれば回転する、といった直感的な操作ができるのです。
つまり『ThinkPad X201 tablet』はWindowsパソコンなのに、『iPhone』のように画面に直接触れて操作ができるようになる、というわけなのです。
– Windows7とcore i7で体感するマルチタッチ
実際に触れてみると、core i7のCPUパワーのおかげかカーソルの動きは良く、違和感なく画面を滑っていきます。
エクスプローラーの写真表示画面でマルチタッチを試してみても、写真の拡大、回転は問題なくこなせました!ただし、エクスプローラーでの写真表示は(仕様上)90度ごとの回転となるため、どうしてもスムーズな見た目とはなりません。これはマルチタッチ対応の写真ビューワーなどで試してみたいところですね。
Windowsの操作などを行う場合は、先にキャリブレーション(画面における位置調整)を正しく行っておくことが重要です。どうしても細かい操作が多くなるため、キャリブレーションが甘いとタッチ位置のズレなどが気になる事になります。
ペイントツールで絵を描くといった作業も指で行えるのはなかなか斬新でした。後ほど述べるようにタッチペンの操作も可能ですので、通常のタブレットとして使うことも可能です。
– 画面はペンでも指でもOK。トラックポイントやタッチパッドもOK
『ThinkPad X201 tablet』では、指でのマルチタッチに対応したことにより、これまでにも採用されていたワコムテクノロジーが継承されたタッチペン、キーボード中央の赤い点ことトラックポイントも付属しています。また他のノートPCのようにタッチパッドまで付いているため、入力方法がこれだけで4通りも選べることになります(もちろん、マウスなどの外部ポインティングデバイスも使えます)。
指だけの操作が厳しいと感じられる場面でも、タッチペン主体の操作にすぐ切り換えられるのは『ThinkPad X201 tablet』の良いところです。
また、タッチパッドの感度もすこぶる良いため、ストレスなくオペレーションすることが出来ました。
– 表裏反転する画面でキーボードレスPCに
モニタはこれまでのこのシリーズの特徴そのままに、表裏が反転できるギミックを備えています。その際には、縦画面での表示が可能となっています。縦画面でのブラウジングはさながら、本を見るかのような感覚です。『iPhone』『iPad』がもたらしたとも言える、「縦画面」「キーボードレス」スタイルは今後のポータブルPCでの重要なキーワードと言えるでしょう。
– 課題はソフトウェアに委ねられるか?
今回のレビューで感じたことは、「マルチタッチに特化したソフトウェア/OSが成長してくるか否か」という点です。
まず『ThinkPad X201 tablet』がせっかく高精度・高機能なインタフェースを実装してきても、それをキッチリと生かせるソフトウェアなりドライバがまだ不在である、という印象を受けました。『ThinkPad X201 tablet』には電源ON/OFFや輝度調整が楽になるような専用補助アプリケーション(Lenovo Simple Tap)なども実装しているのですが、やはりOSメーカーやサードパーティーがこうしたインタフェースに力を入れてほしいところではあります。
『ThinkPad X201 tablet』に関して言うと、ブラウザのインタフェースしかり、先の写真表示のアプリケーションしかり、マルチタッチを意識した構造になっているかというとそうではなく、まだ途上の部分が見られ、非常にもったいないなあと感じました。Apple製品がまだまだインタフェースのソフトウェア部分でアドバンテージがある状況なので、この状況を変えて欲しいなあと(個人的には)思いました。
あと1点気になったところは、縦画面と横画面のキャリブレーション。検証時に限って言いますと、横画面のキャリブレーションがそのまま縦画面に引き継がれるようでした。これだと、画面位置が変わるのでカーソルのホールド感も変わってしまったのが気になりました。縦画面で使うことが多い人は、縦主体の調整にしておくのがいいかもしれません。
– どんな人にオススメか?
『ThinkPad X201 tablet』は総じて非常に高性能なノートPCと言えます。また、入力デバイスを選ばないという他の機種には真似しがたい特徴があるので、オペレートのスタイルを選ばないユーザーには強くお奨めできそうです。プレゼンもしたいけど絵も描くしパワーのある作業はそこそこ必要、けれども通勤電車の中でブラウジングもするんです、というようなマルチな使い方をする人には『ThinkPad X201 tablet』はひときわ面白い機種ではないでしょうか。
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