わずか30秒、超高速でスマホを充電するバイオオーガニック充電の新技術

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スマートフォン愛用者にとって、悩みの種は充電の問題。便利で多機能なツールは、電池をどんどん消費していってしまいがちだ。しかも、充電には時間がかかり、数時間待ってやっとフル充電が完了する。

「もし、わずか30秒で充電が終わるとしたら……?」
まるで夢のような技術の開発が、イスラエルのスタートアップで進行中だという。

「StoreDot」では、量子ドットの技術を用いて、高速充電できるバイオオーガニック電池の開発を進めている。これまでに625万ドルの資金を集めており、その中にはSamsungも含まれているというウワサだ。

もともとは、Tel Aviv大学でおこなわれているアルツハイマー病の研究から派生した技術であるという。アミノ酸が結合するとペプチドができるが、これは人体にも普通に存在しているもの。このペプチドから作成した“ナノ結晶”は、直径がわずか2.1ナノメートルという非常に小さいものだが、強固で安定した状態を保ち続ける。

同社では現在、このナノ結晶を用いて、端末の超高速充電やディスプレイに活用しようと動いている。従来のディスプレイの多くには、カドミウムが使われている。もし「StoreDot」の技術が完成すれば、史上初のバイオオーガニックディスプレイが誕生する。

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これまで実施したテストによってすべての色を再現できること、また使用の寿命や効果も、ほぼカドウミウムと変わらないことがわかっている。製作コストを抑えられるだけでなく、廃棄の際に毒素を出さず、環境にもやさしい、画期的な技術になりそうだ。

ただ、このナノ結晶を使った製品を、どう回収しリサイクルしていくかといった、エコシステム環境の整備が必須になってくる。同社では、自社で生産工場を抱えることも検討しているとのこと。

超高速充電器は、現段階ではまだプロトタイプが出来上がっているのみだが、1年以内にスマートフォンなどに搭載できるように小型化を進め、さらに2年をかけて、1日通して端末を利用可能にすべく、充電量の向上を目指していくという。市場化は3年後以降になりそうだ。

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