大人も泣ける10代の痛みと成長 映画『青春ゲシュタルト崩壊』佐藤新(IMP.)&渡邉美穂インタビュー

IMP.の佐藤新と渡邉美穂をW主演に迎えた青春ムービー、 映画『青春ゲシュタルト崩壊』が大ヒット上映中です。

本作は小説サイト「野いちご」で開催されている小説コンテスト、 「野いちご大賞」の第5回大賞作品となる丸井とまとの同名小説 「青春ゲシュタルト崩壊」をドラマ「Eye Love You」を手掛けた三浦希紗が脚本を務め実写映画化したもの。誰もが感じたことのあるリアルな人間関係の悩みと葛藤、 そして“好き”という感情に気がつく淡い瞬間が描かれています。


本作で、個性を押し殺しすぎて自分の顔が認識できなくなる「青年期失顔症」になってしまう朝葉を演じた渡邉美穂さんと、同級生・朝比奈聖を演じた佐藤新さん(IMP.)にお話を伺いました。

――本作とても素晴らしかったです、ありがとうございました。まずは作品をご覧になった感想から教えていただけますでしょうか。

佐藤:僕は初めての映画で主演なので、作品の感想というよりも、「いよいよこれが公開されるんだ」「多くの方に観ていただけるんだ」という気持ちで心臓がバクバクしていて。緊張しっぱなしの105分でした。

渡邉:私も観ていてドキドキしました。私が演じた朝葉というキャラクターにはティーンの悩みがたくさん詰まっていて、きっと共感してくださる方も多いと思うんです。そんな役を演じることが出来て新鮮で嬉しかったです。

――佐藤さんが今おっしゃったとおり、初映画で初主演というのはすごいことですよね。

佐藤:主演ということで、“座長”という立場になるわけですが、日頃から滝沢(秀明)社長に「座長をやらせてもらう時には、常に周りを見る必要がある。自分のやるべきことを明確に」と言われていました。でも僕は、目の前のお芝居に必死で。渡邉さんはお芝居の素晴らしさはもちろん、周りのスタッフさんへの気遣いであったり、周りが見えていて、座長をしていたのですごいなと思って見ていました。

渡邉:とんでもないです、でもありがとうございます。佐藤さんは現場で「すごく緊張する」とおっしゃっていたのですが、撮影が始まるとそんなことを一歳一切感じさせずに、どっしりと構えていらっしゃったので。

佐藤:初日はもう本当に緊張がすごくて、プロデューサーさんに「もうちょっと力抜いて大丈夫だよ」と言われていました(笑)。

――演じられたキャラクターの魅力と、共感した部分などはありましたか?

佐藤:朝比奈聖は自分を持っているタイプで、意見をハッキリと言える所が素敵だなと感じました。学生時代の自分というよりは、今の自分に近い所があるかなと思います。そんな朝比奈聖も人間関係で悩みを抱えているのですが、僕も学生時代に悩んだことはあったので、その時の自分と、そこから成長した自分を照らし合わせて演じていた部分もあります。

渡邉:家族など、近い人ほど一番話しづらいというか、「これを言ってしまったら親が傷つくのではないか」と考えてしまったことが私にもあるので、そういう朝葉の気持ちが分かりました。今はだいぶ何でも話せる様になって。芸能界のお仕事のことを家族や友達に話した時に、社会人同士として共感してくれることもあって、思い切って話してみることが大事だなと思います。
あと、本作を観ていて気付いたことがあって。今やっていることや、今後やりたいことの方向性を変えた時に、それを人によっては「諦めた」と捉える人もいるかもしれませんが、本人が“選択”をしたのだから、それは決してネガティブなものではないのだよなと感じました。

――本作は本当に大人も気付かされるセリフがたくさんありますよね。すごく沁みました。

佐藤:以前、メンバーに衝動的に意見を言ってしまって、それで思っていたことがちゃんと伝わらなかったこともあったので、お互いの意見に耳を傾けることは本当に大切だなと思っています。本作でもそういった大切なことが描かれているので、ご覧になった方が改めて気付いてくださったら嬉しいですね。

――お2人のお芝居も本当に真に迫っていて、辛いシーンもあったかと思います。

渡邉:ネタバレになるので具体的にどこかは避けますが、とある撮影が大変だったシーンで、終わったあとに自分の感情がコントリロールできなくなって、カットがかかっているのに、涙が止まらなかった時がありました。すごく好きなシーンなのですが、自分の感情も崩壊したというか、全て出せた様な気がします。

佐藤:そのお芝居、口が開いちゃうぐらい「すごい…」と思って見ていて。感情のリミッターが良い意味で外れていたというか、感情が迫ってきたんです。俳優として、僕もこういうお芝居が出来る様になりたいと思いました。

――渡邉さん、佐藤さんをはじめとする生徒役の皆さんはもちろん、先生役の瀬戸朝香さんなど大人のキャラクターたちも素晴らしかったですね。

佐藤:保健室の先生役の瀬戸朝香さんとご一緒して、瀬戸さんがいらっしゃるだけで、ガラッと空気が変わることに驚きました。セリフ1つ1つの厚みがすごくて、何度もハッとさせられました。瀬戸さんがこれまでしてきた経験されてきたの全てが凝縮されて、セリフとして放たれるので厚みがあるのだなと感動していました。

渡邉:朝葉のお母さん役として戸田菜穂さんとのシーンが多かったのですが、お母さんとしてのその描写は無いのですが、見ているだけで「外と家の中で少しキャラクターを使い分けているのだろうな」と想像させられるお芝居で。キャラクターの作り込み方が、ご一緒してすごく勉強になりましたし、カッコ良いなと思っていました。

――本作のテーマの一つにもなっていると思うのですが、お2人がコミュニケーションの大切さを意識したことがあれば教えてください。

渡邉:私は高校3年生の時にこの仕事を始めたのですが、同じクラスでいつも一緒にいた6人のグループがあって。「“芸能人の友達”なんじゃなくて、友達がたまたま芸能人になっちゃっただけなんだよね」と言われて、なるほどと思ったことがありました。少し特殊なお仕事かもしれないけれど、別に友達のままで変わらないんだよって言われて。ずっと変わらず、同じ温度感でいてくれる地元の友人、学生時代の友人の存在はとてもありがたいと思います。どんな時も私の支えになってくれています。

佐藤:ティーンの時にとんでもなくネガティブになってしまったことがありました。自分の好きな仕事をやらせてもらっているのに、たくさんチャンスを活かす場を与えられているのに、何も成し遂げられなくて落ち込んでしまって。その時に、ファンの皆さんの応援の言葉とか、「カッコ良かった」「面白かったよ」という言葉にすごく救われていて。僕たちの様なボーイズグループは応援してくださっている方がいて活動出来るので、言葉では表せないほどいつも感謝しています。

――今日は素敵なお話をありがとうございました!

撮影:たむらとも

【映画情報】
■ストーリー
ある日突然、【⻘年期失顔症】を発症してしまい、周囲に知られてしまうことを恐れた朝葉は誰にも言えず 1 人で悩んでいた。そんな、朝
葉の異変に気が付いたのは、唯一、同級生の聖だった。聖は朝葉に「今までと変えなくていいの?」と問いかける。彼に振り回されながら
も、朝葉は本当にやりたいこと、好きなことは何か、自分自身を見つめ直しはじめ、次第に聖の存在が朝葉の中で大きくなっていく。同じく
聖も朝葉と一緒にいるうちに、ずっと抱えていた“あること”に向き合うように・・・。

【作品概要】
◎タイトル:『⻘春ゲシュタルト崩壊』
◎出演:佐藤新(IMP.) 渡邉美穂
田辺桃子 新井美羽 水橋研二 濱田龍臣 藤本洸大 河村ここあ 福室莉音 愛来
戶田菜穂 / 瀬戶朝香
◎原作:丸井とまと「⻘春ゲシュタルト崩壊」(スターツ出版刊)
◎主題歌:「⻘空」マルシィ (UNIVERSAL SIGMA)
◎脚本:三浦希紗 ◎音楽:牧戶太郎 ◎監督:鯨岡弘識
◎企画・プロデュース:横山祐子 ◎プロデューサー:伊藤聖
◎配給:NAKACHIKA PICTURES ◎制作プロダクション:AX-ON
◎公開表記:絶賛公開中 ◎コピーライト:C映画「⻘春ゲシュタルト崩壊」製作委員会
◎映画公式サイト:https://seishun-gestalt.jp ◎映画 SNS(X&Instagram)アカウント:@seishun_gestalt

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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