仕事にも生活にも社会にも前向き!? 社内外に影響を与える「コラボレーター」とは?

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安定雇用がゆらぎブラック企業問題が話題になるなど、働く上での不安を抱えている人が増えています。Webアンケート作成ツール『SurveyMonkey』(サーベイモンキー)が2014年4月に日本在住1650名と米国在住1000名の計2650名を対象に実施した意識調査によると、「自分は生産性が高いと思う?」という問いに「はい」と答えた人が日本42%で米国26%となり生産性に関しては楽観的だという数字になった一方で、「親世代よりも生活水準が下がった」という答えは日本全体で42%、40歳以下だと51%と経済や企業力に危機感を覚えていることが垣間見える結果となっています。
さらに「長時間労働は成功を何も保証しないと思う」77%、「仕事の内容に満足している」29%、「同僚に満足している」26%、「昇進機会に満足している」10%と、多くは軒並み仕事に不満を抱えているというデータが。口には出さないだけで不信感を募らせているとすると、オフィスでの生産性にも影響が少なからずあるのではないでしょうか。

そんな中、この調査が注目しているのは「コラボレーター」という存在。仕事上で社内外とコラボレーションする機会がある人は、「社内でコラボしている」という答えが20%で「社外でコラボしている」が7%とまだ少数ながら、45%が「仕事に満足している」と答えており、社会的な視点も軒並みポジティブな数値を示しています。

「コラボレーター」という言葉が注目されたのは、2006年に早川書房から翻訳が刊行されたトム・ケリー氏とジョナサン・リットマン氏の共著『イノベーションの達人!―発想する会社をつくる10の人材』からでしょう。ここでは発明家トーマス・エジソンが優秀なエンジニアなどのチームを率いて新たなイノベーションに取り組んでいたという事例を紐解きつつ、専門化が進む現代においての各部門の取りまとめるコラボレーターの役割が重要になっているとしています。
また、同書では「顧客」との共同によって新たなアイディアを生み出す方法として「非フォーカスグループ」という聞き慣れない言葉を用いてます。革新的なイベベーションを起こすためにはマニアックな人からヒアリングをする必要があるということなのですが、もっと分かりやすくすると熱中している対象があるオタクに話を聴くのが一番いい、ということになるでしょうか。

共著者のケリーによると、「コラボレーター」とは「個人よりもチームを重んじ、個人的な達成よりもプロジェクトの完逐を第一に目指す奇特な人」とのこと。ある意味生粋の仕事人ともいえ、自身とプロジェクトを直接動かしている実感が、ひいては社会への満足度をもたらせているともいえそう。そういう存在になるために、社内外へのアンテナが高いだけではなく、聞き上手であるというファクターも重要になってくるということを同書は教えてくれます。
ちなみに、『SurveyMonkey』の調査では「ハードワークがビジネスの成功のカギ」という答えが「コラボレーター」33%、それ以外が18%と明らかな差が出ています。ついつい働きすぎてしまう傾向も見てとれるので、「コラボレーター」だと自認している人ほどご注意を。

イノベーションの達人! ハヤカワ・オンライン
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/111242.html [リンク]

SurveyMonkey
https://jp.surveymonkey.com/ [リンク]

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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