『来日ロック伝説1960’s-2000’s』で読む洋楽アーティスト初来日奇譚
1966年6月のザ・ビートルズ日本武道館公演から2005年11月のアークティック・モンキーズまで、洋楽ロックアーティストたちの初来日公演の模様を紹介した書籍『来日ロック伝説1960’s-2000’s』が予想以上に面白い。
本書ではタイトルの通り1960年代から2000年代までの伝説の初来日の模様を紹介。ライヴの模様はもちろんのこと、当時のアーティストを巡る周辺事情や来日前後の模様まで、貴重なエピソードが星加ルミ子、伊藤政則、大鷹俊一らの目撃証言を中心に綴られている。
日本初の野外大型ロックフェス〈箱根アフロディーテ〉の霧の中で観客を魅了した『原子心母』発売直後のピンク・フロイド、豪華客船で来日した“ジギー・スターダスト”時代のデヴィッド・ボウイの妖しい美しさ、アイドル的人気絶頂期にギンギンのロック野郎っぷりを見せたT・レックスのマーク・ボラン、久しく来日が無く待ち望まれているブルース・スプリングスティーンの貴重なライヴ、デビュー40年で初来日が実現したザ・フー、先日再結成を発表したリバティーンズetc…何度読んでも噛みしめる程に味のあるエピソードばかり。特に70年代ロックのアクの濃さは最高だ。セットリストも掲載されているので現役アーティストが現在おこなっている内容と比較してみるのも面白い。“あなたの知らない世界”が間違いなくここにある。(岡本貴之)
『来日ロック伝説1960’s-2000’s』
A5版 176頁 1,300円+税
ISBN : 978-4-401-63992-2
シンコー・ミュージック・エンターテイメント
発売中
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。