アシッド・ハウスの30年を凝縮したミックスが話題に
〈ニンジャ・チェーン〉の名物ポッドキャスト〈ソリッド・スティール〉。主宰のコールドカットをはじめ、さまざまな関連アーティストがこのポッドキャストにて、DJプレイを披露しているが、今回、この名物ポッドキャストにてアシッド・ハウスの30年史を凝縮したスペシャル・ミックスが公開された。
このミックスは、ロンドンにてその名も〈I Love Acid〉なるイベントを行っているPosthumanが手がけた。
いわゆるアシッド・ハウス誕生を定義つけるDJピエールによるフューチャー名義の「Acid Tracks」。そのリリースは1987年だ。と、なると30年では2017年では……と言う話なのだ。それがなぜ1984年が起点に? 答えはこうだ。1984年とは、まずひとつはアシッド・ハウスに無くてはならないローランドのベースライン・シンセ、TB-303の製造が打ち切られた年であるということと、シカゴにてハウスが作られはじめた年であるということ。このふたつを起点としての1984年というわけだ。製造が打ち切られた年に、その後このガジェットの存在感を増すことになるムーヴメントが起きるとはなんとも皮肉だ。
このミックスでは年代順に“アシッド・ハウス”がミックスされ、フューチャー名義の「Acid Tracks」はもちろんのことURや808ステイト、エイフェックス・ツイン、そしてここ数年のアンダーグラウンド・ダンス・ミュージックのキーワードでもあるロウ・ハウス系の楽曲もミックスされている。さて、TB303の使い方もアーティストによってかなり違う、そんなレパートリーの広さを感じつつ、この数奇な音楽の歴史を体感してみるべし。
(河村祐介)
http://soundcloud.com/ninja-tune/solid-steel-radio-show-1 1-4-1/s-rX3i4
収録楽曲
Chris & Cosey「Dancing Ghosts」Doublevision 1984
Knight Action「R-Trax (Special Mix) 」Let’s Dance 1985
Sleazy D「I’ve Lost Control」Trax 1986
Phuture「Acid Tracks」Trax 1987
808 State「Flow Coma」Creed – 1988
Gene Hunt「Living In A Land」Housetime – 1989
Bobby Konders「Nervous Acid」Nu Groove – 1990
UR「303 Sunset」Underground Resistance – 1991
Acid Junkies「Short On Acid」Djax-Up Beats – 1992
Fred Gianelli「Eloquence」Telepathic – 1993
Armando「Pleasuredome」Trax – 1994
Link & E621「Antacid」Warp – 1995
Woody Mc Bride「The Birdman」Communique – 1996
Ege Bam Yasi「Acid C.I.D. (Sub Version)」Subversive – 1997
Plastikman「Rekall」Minus – 1998
The Black Dog「Psycosyin」Warp – 1999
Luke Vibert「Analord」Planet Mu – 2000
Phuture「Box Energy (AFX Remix)」Rephlex – 2001
Dr Derek F「Chrome Tear」Skam – 2002
Luke Vibert「Love Acid」Warp – 2003
DK7「Slipstream」Output – 2004
AFX「Boxing Day」Rephlex – 2005
The Doubtful Guest「Snoutful (Posthuman Remix)」Seed – 2006
Syntheme「Easy」Planet Mu – 2007
Mark Archer「Riser」Mutate – 2008
Legowelt「Zompy Land」Crème Organization – 2009
Global Goon「Craehzrhd」Balkan Vinyl – 2010
Affie Yusuf「Acid Plaground」Balkan Vinyl – 2011
Cassegrain & Tin Man「Sear」Killekill – 2012
Mark Archer 「Cogzy」Anecdote – 2013
Posthuman「Back To Acid」Body Work – 2014
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