ジャンクフードの食べすぎで本当にジャンキーに?

サイエンスあれこれ

気づくとけっこうな頻度で食べてしまっているジャンクフード……ちょっとドキッとしてしまう論文が発表されているようです。今回はscience_qさんのブログ『サイエンスあれこれ』からご寄稿いただきました。

ジャンクフードの食べすぎで本当にジャンキーに?
『Nature Neuroscience』のオンライン版に先週発表された論文 *1 (購読無料)によれば、ベーコンやソーセージなどを含む高脂肪食を与えられたラットは、通常食を与えられたラットより、満腹になるまでにより多くの量を食べる必要があったそうです。これは、薬物中毒の患者が、満足感を得るためにより多くの薬を必要とするのに似ているというわけです。

どこまで似ているのか調べるために、部屋を明るくすると電気ショックが与えられることを学習したラットで同様の実験をしたところ、高脂肪食を与えられたラットは、部屋が明るくなり、電気ショックが来ることが分かっているのにも関わらず、食べ続けたそうです。これは、薬物中毒患者にも見られる一種の強迫観念です。そして最後に、薬物中毒患者で少なくなっていることがわかっているドーパミン受容体の産生を、同様に抑えたラットでも同じ実験を行ったところ、この強迫観念を獲得するまでの時間が、正常な量のドーパミン受容体を産生するラットより短かったというのです。

これらの結果から、あくまでもラットにおいては、高脂肪食を取り続けると、薬物中毒と同じようなメカニズムにより、高脂肪食中毒に陥る危険性があるということが示唆されます。さあて、人間ではどうでしょうか。夜中にとてつもなくマックを食べたくなるあなた、危ないかもしれません。いや、それは私のことでした……。

*1:『Nature Neuroscience』28 March 2010「Dopamine D2 receptors in addiction-like reward dysfunction and compulsive eating in obese rats」
http://www.nature.com/neuro/journal/vaop/ncurrent/abs/nn.2519.html

執筆: この記事はscience_qさんのブログ『サイエンスあれこれ』からご寄稿いただきました。

文責: ガジェット通信

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