企業が学生の「本性」を見破るテクニック
これから就職活動がいよいよ本格化する時期ということで、今大学三年生の人はその準備に追われているはずです。
就活対策といえば、なんといっても「エントリーシート」と「面接」ですが、もちろん付け焼き刃の準備では通用しません。なぜなら企業側は、面接やエントリーシートからはわからない、学生の「本性」を見抜く方法を心得ているのです。
『良い人材を見抜く採用面接ポイント』(谷所健一郎/著、経営書院/刊)は、タイトルの通り、企業の経営者や人事担当者向けの就活対策本。
それによると、学生をふるいにかける企業側が見ているのは「エントリーシート」と「面接」だけでなく、油断して気を抜きがちなこんな部分だったりするそうです。
■筆記試験の消しゴムの使い方で性格がわかる
選考の過程で、学生に筆記試験を課す会社は少なくありません。
ただ、この試験は点数さえ取れればいいというものではなく、試験中の立ち居振る舞いも見られているということを忘れてはいけません。
たとえば、ある会社では筆記試験で使う「消しゴムのかす」を見るそう。そして、試験問題を解くのに夢中になってしまって、消しゴムのかすをそのままにして立ち去ってしまう応募者は「自己中心的で気配りができない可能性あり」、手で払ってこっそり床に落としてしまう人は「相手にわからなければそれでいいという考え方で、仕事で問題を起こす可能性あり」などと、応募者の性質を見極めるといいます。
もちろん、問題の出来も結果を左右するのでしょうが、確かにこういう細かなところに人の本質は出やすいものです。
■控え室で雑誌を手渡した時の反応をみる
面接では控え室での態度も見られている、というのは昔から言われていることですが、ただ大人しく座っていればいいというものではありません。
面接相手は仕事を持つ身ですから、やむを得ず面接に来た学生を待たせてしまうこともあります。その時間が長引いてしまった時に、学生がどんな反応をするかも見られていることがあります。
露骨に苛立った顔をしたり、他の学生に話しかけたりするのはマイナス。心の余裕がない人だと判断されることがあるようです。
また、待たせていることを詫びたうえで「これでも読んでお待ちください」とビジネス雑誌を手渡すケースもあるそう。イライラしていたり、心に余裕がない学生は、手元に置いたまま読もうとせず、気持ちにゆとりがある人は、礼を述べて読みはじめると言います。
本書は、面接の場でどんな質問を投げかければ、相手の何がわかるか。また相手の答えをどう読み取るか。エントリーシートから応募者の性質を見抜く方法など、企業側がよりよい学生を採用するために必要なノウハウが網羅されています。
企業の人事担当が読んで役立つのは当然として、相手の視点に立ってみるという意味では学生にとっても得るものは多いはずです。
(新刊JP編集部)
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