元刑事が使っていた心理テクとは

元刑事が使っていた心理テクとは
 どんなに知識があっても、対人スキルが低ければ知識を最大限に活かすことができない。ビジネスで求められる能力で、まず必要となるのが対人スキルだ。
 しかし、コミュニケーションが苦手という人も多いだろう。相手の何を見て接すればいいのか。どうすれば、人と接することへの苦手意識を克服できるのだろうか。

 『〈元刑事が教える〉心理戦で勝つ! 対人スキル』(野元泰秀/著、日本実業出版社/刊)では、著者の野元泰秀氏が刑事時代に現場で徹底して叩き込まれ、身体で覚えた「対人スキルのコツ」を紹介している。

 本書は「関係をつくる技術」「見抜く技術」「話し方の技術」「魅せる技術」「人を動かす技術」の5つのチャプターで構成されている。

 例えば「見抜く技術」では、一瞬のスキを突いて本心を読み解くというテクがある。
 刑事が取り調べをする際、とにかく容疑者に話をさせるよう促すそうだ。自分の生い立ち、これまでの自慢話、趣味や世間話まで、何でもいいから相手にしゃべらせる。このとき、刑事は全神経を集中させて、相手をひたすら「観察」している。相手の表情、目線、身体の動かし方、声のトーン、あらゆる特徴を観察し、「この話のときにはこんな風に身体を動かす」「この話のときにはこんな声のトーンになる」などと、相手のクセを話の内容と照合して整理しているのだ。

 これはビジネスの現場でも使える。○○部長はやたらと人に話しかけるときは、やる気になっているとき。○○先輩がイライラしているときは、必ずボールペンでトントンと机を叩くなど。職場で常にさりげなく相手を観察していると、同僚のクセを見つけることができる。クセを見つけるために観察するコツは「見つけようとして相手を見る」こと。ただ、漫然と相手の動きを見ていても、クセは見つけられないだろう。

 ビジネスでの雑談の第一目的は「相手の緊張度を計る」こと。では、雑談中に相手のどこを観察すれば、相手の緊張度がわかるのか。著者によると、それは「筋肉」なのだそうだ。
 身体にどれだけ力が入っているかを見る。力の入り具合が一番わかりやすいのは、肩と腕。肩や腕が一定の位置からまったく動かないときは、相当力が入っていることになる。身体全体が動かない、座っていても上半身が反り気味になっているときはインナーマッスルに影響するくらい緊張している考えてもいいだろう。

 刑事は人の表情やしぐさを観察することが重要な仕事の一つだ。刑事仕込みの対人スキルで、コミュニケーション能力アップを図ってみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)



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