日本人が世界王者に ストリート系スポーツ“フリースタイルフットボール”とは?

日本人が世界王者に ストリート系スポーツ“フリースタイルフットボール”とは?
 フリースタイルフットボールという競技を知っているだろうか。
 そして今、1人の日本人の青年がその競技で、世界を舞台に活躍しているということを知っているだろうか。
 それが2012年、日本人として初めてフリースタイルフットボールで世界王者に輝いた徳田耕太郎氏だ。

 『DVDで熱狂! フリースタイルフットボール50ワザ』(徳田耕太郎/監修、学研パブリッシング/刊)では、フリースタイルフットボール世界チャンピオンである徳田氏の50のワザを連続写真と詳細な解説で掲載するとともに、DVDに映像としても収録。基本形からスーパーテクニックまでを伝授する。

 そもそも、フリースタイルフットボールとはどのような競技なのか。それは、サッカーの練習でよく行われるリフティングを、より高度でかつパフォーマンス性を高めたものに昇華したストリート系スポーツだ。近年では、その動きの創造性、コントロール技術、パフォーマンスのスタイルを競い合うなど、個人競技として注目が集まっている。
 さらに、“魅せる”スポーツとしての側面を持ち、多くの観衆の前でより難易度の高いワザや、複数人でトリッキーなリフティングを披露するなど、1つのエンターテインメントにもなっている。ワザの数は数百になるといわれている。本書では、徳田氏の愛称「トクラ」の名がつけられたトクラクラッチも紹介されている。

 徳田氏は、1991年生まれの22歳。小学校1年のときにサッカーを始めるものの、ケガの影響により中学3年でピッチを離れる。
 そのとき、『NIKEフリースタイルフットボール』(スタジオタッククリエイティブ/刊)という本に影響を受けて、フリースタイルフットボールを始めたそうだ。高校3年時の2009年には全国大会「Red Bull Street Style Japan Final 2009」に出場し、大会史上最年少の17歳で優勝。その後も数々の世界大会で好成績をおさめ、2012年に、世界6都市で開催される世界大会「Red Bull Street Style World Final Italy 2012」に出場。ハイレベルなトリックを次々に成功させ、最高のパフォーマンスを披露し、日本人として初めて優勝した。そして、現在も日本国内を中心に全国各地でパフォーマンス活動を行っている。サッカー好きの人ならば、テレビで見かけたことがあるのではないだろうか。

 フリースタイルフットボールは、ボール1つあれば楽しむことができる。本書を読んで、DVDで研究し、練習すれば、サッカーをやっている人は技術向上にもつながる。徳田氏のようにサッカーが続けられなくなってしまった人も、この競技に転向して極める道もあるだろうし、趣味のフットサルの合間に仲間と技を見せ合うのも楽しいだろう。人それぞれに合った楽しみ方ができるはずだ。
 大会連覇を目指した「Red Bull Street Style World Final 2013 Tokyo」では4位という悔しい結果に終わってしまったが、これからの徳田氏の活躍に注目したい。
(新刊JP編集部)



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