火災につながるトラッキングを防ぐには?
火のないところから火災につながるトラッキング現象
気温が下がり、空気が乾燥し始めると、住宅火災の件数が一気に上がります。火のないところから火災につながるトラッキング現象は、在宅中でも不在時でも起きる可能性があり、要注意です。先日、福岡市博多区の病院で発生した火災もトラッキングが原因と見られています。
トラッキングとは、家電製品のプラグをコンセントやタップに長く差し込んでおくと、その間にホコリが溜まって湿気を帯びることにより、プラグ両極間で火花が出る現象です。この状態を長く放置しておくと絶縁状態が悪化し、プラグ間に電気が流れ発熱・発火して火災にいたります。
トラッキング火災が起こりやすい場所は、大型家具の裏や、結露・湿気のある場所で長期間差し込んでいるプラグです。その他には、台所や洗面所、トイレや水槽などの水のかかりやすい場所で差し込まれているプラグにも注意してください。
トラッキング火災を防ぐ5つの対策
トラッキング火災を防ぐために有効な対策を紹介します。
1、点検を兼ねて、こまめに掃除をする。コンセントから抜いたプラグを古い歯ブラシでブラッシングして、細かい汚れを取り除いてから乾いたウエス(雑巾)で拭き取ります。この時、濡れたウエスでの掃除は厳禁です。
2、大型家電や家具の裏などの掃除がしにくい場所では、本体にホコリを除ける工夫がされているプラグや、コンセントの口に差し込むホコリ除けを使用する。また、OA機器用の延長コードを使用すれば、手が届かない場所のコンセントのON・OFFが手元でできるようになります。
3、家電の使用後は、コンセントからプラグを抜く習慣を身につける。
4、長期間の外出時は、プラグを抜く。
5、プラグやコンセントが異常に発熱したり、ススが付いたりしている場合は、ただちに使用を止める。
東京消防庁でも「住宅防火10の心得」の一つとして、 「コンセントの掃除を心がけましょう!」とトラッキング火災の注意を喚起しています。知らないうちに火災を引き起こさないためにも、日頃のコンセントの掃除が最も簡単な予防対策といえるでしょう。
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