くたばれ!ライフハック

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ネットにあふれる情報についてのなかなか鋭いご意見。今回はMATOさんのブログ『ラグランジュ・エイト』からご寄稿いただきました。

くたばれ!ライフハック
のっけから挑発的なタイトルですが、本日は毒電波を吐かせていただきます。人間の内側をえぐるような話が続くので閲覧注意ですわよ。

ネットの情報には起承転結の”結”が無い
ちょっとした発見や考え方をうれしそうに語るブログ、皆さんご覧になられたことは一度はあるでしょう?目の付け所は非常に良くて素直に感心できる部分もあるのですが、大体共通して言えるのは「文章の最後が良くない」ということ。序盤~中盤まではいいです。話が盛り上がってさあここからどう着地させるのか!?といったところで「『笑点』お開きまた来週」ってなるわけですよ。何この消化不良。でもそんな記事も“ホッテントリ”(ホットエントリー、『はてなブックマーク』の人気エントリー)入りしているのが現実だったりしますけど。あくまで推測ですが、きっと思いつきが発端で勢いだけで書き始めたのでしょう。だからしり切れトンボになる。書いたからには責任を持って思いついたことを実行して結果どうなったとか、簡単でもいいからレポートを上げるとか、それくらいやった方が絶対に面白くなるのにね。

ホッテントリを読むのは時間のムダ
一日のホッテントリに必ずあるタイトル→「××な自分を変えるのに必要なたった○つのコト」「××になるならこれだけは抑えておきたい○つの技」「成功者に共通する○つの法則」あーくだらない。くだらないね!○には数字が入りますが、具体的な数を書く事で何か簡単そうに見えてしまう、そんな心理を利用したハニートラップ。行き着く先は確実に『アマゾンアソシエイト』です。そもそもそこで紹介されている仕事術やテクニックはそのまま模倣してもうまくいくわけないです。その技を生み出した人は様々な試行錯誤を経てそれを得るに至ったのでしょうから、結局生み出した人に合ったものとして完成されているのです。だからそのまま別の人に移植しても同じようなパフォーマンスを得られるのかどうかは甚だ疑問です。ですが試行錯誤の手段として仕事術やテクニックを試すのはいいんです。一番良くないのは「これを読んでちょっとだけデキる自分になった気がする」ことです。はっきりいって時間のムダ。

成功者に法則なんてない
成功しよう!と思って始めるような事は長続きしないし、そもそも成功する人はそんな事を考えて行動していません。成功者の行動原理は「面白そうだから」とか「とにかく好きだから」といった単純なもので、成功者自身しか理解できないような個人的な理由だったりします。そもそも本当に貴重で莫大(ばくだい)なフィードバックが得られる情報なら教えるわけないですよ。基本的にネットは無料なのですから、品質なんて求めちゃあいけません。うまい人は情報を小出しにして自身の著作を買わせる訳です。あくまでネットは自分を売り出すための広告宣伝。うまい話が無料で手に入るわけないのですから、素直にお金を払ってセミナーやディスカッションに参加するとか本を読む。豊かな人生を歩みたいなら仕事や人付き合いを充実させたほうが良いに決まってます。

環境が人間を作る
実行できる環境にいなかったら人間は何もやらないしできません。自分は何でこんな簡単な事もできないのだろう、とかこれをやらないとダメな気がする!という思いが発端で始めたことは長続きしませんし、身に付きません。自分にとって本当に必要な事は無意識の内に実行に移しています。あなたがそれをやらないのは、どこかで「そんな事をやってもムダ」だと思っていたりする理由が必ずあるはずです。理由は環境に起因することが多いです。”何か頑張れない環境”それは確実に存在します。私が無職のときやSEをやっていた時はそんな感じでした。そんな環境はちょっとしたきっかけで抜け出すこともできれば、いつまで経っても抜け出せない場合もあり、運やこれまでの人との縁がきっかけを生んだりします。きっかけを生む方法、こればっかりは正解がない。正解がなくわからない事だから皆考えまくっている。その過程でたまたまうまくいったことや、万人には当てはまらない方法が十分な検証を経ないでネットで公開されていたりします。わからない事に明解な正解があるように見せる、これは新書にもよく見られる傾向ですね。決してそれが悪いとは言いませんけどね。商売ですし。

まとめ~準備が整うまでは考えない生き方~
もしあなたが何かをできなくて悩んでいたとしたら、まだ自分には準備が整っていないし、そういう環境にいないのだと思うことです。無理な背伸びはつま先が疲れてまた元の同じ背に戻るか、時には座り込んでしまう場合もあります。そんな時は”まだ自分には早かったんだ”と思ってひとまず忘れましょう。本当に必要になった時、あなたは自然と始めていることでしょう。くれぐれもネット上に広がる安易な情報で甘い魔法に掛かってしまわぬように……。

編集後記
あまりに安易な情報があふれているネットに少しカッとなったので書きました。あくまで特定の個人、団体を攻撃しているものではないので勘違いはしないでくださいね。

ネットに何かを書くという行為は書き手が一人である場合がほとんどで、第三者のチェックを入れるのは著名人や自身の発言に慎重さが求められる立場の人でしょう。ネットはだれでも閲覧できるからこそ、書き手は自身の書いた文章に責任を持つべきだと思いますし、もちろん読み手だってある程度の自己防衛ができないと、あなたの大事な人生を狂わせかねません。これが一番言いたかったのですけどね。裏のタイトルは「ネットが崩壊させる情報発信者と受信者のモラル」でした。おわり。

執筆: この記事はMATOさんのブログ『ラグランジュ・エイト』より寄稿いただきました。
文責: ガジェット通信

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