『記者会見オープン化』(2013年8月1日)政治について取材するということの現状
政治について取材するということ
現在ガジェット通信では、政治についての報道を、「より早く、より正確に伝えられるように」各府省での記者会見の取材*を少しずつ始めています。「知りたいことを知るため」「より多くの“知りたい人”へ発信するため」自分たちの目や耳で確認できるような報道を目指しています。
*参考記事
[森まさこ大臣定例会見(7月30日)【少子化対策】「地域ごとの状況の違いにフィットした支援策を」]2013年07月30日『ガジェット通信』
記者会見オープン化
そこで今回、現状では各府省の『記者会見』の取材がどれほど可能なのか「記者会見オープン化」2010年3月30日『Wikipedia』をもとに調べてみました。
民主党・鳩山政権時代に公約として掲げられていた『記者会見オープン化』2010年の状況を、当時の総務省が調査し、段階でABCDに分類した表が公開されています。
各府省の記者会見のオープン化の状況についての調査結果(2010年当時)
A:フリーランス記者等も、一定の手続を経て、質問権を持って参加できる 14件
B:フリーランス記者等も、質問権はないけれども、一定の手続を経て参加できる 4件
C:日本新聞協会加盟社の記者等は、一定の手続を経て参加できる 3件
D:記者クラブ加盟社の記者のみ参加できる 3件
こちらに対して現状
各府省の記者会見のオープン化の状況についての調査結果(2013年現状)
A:フリーランス記者等も、一定の手続を経て、質問権を持って参加できる 16件
B:フリーランス記者等も、質問権はないけれども、一定の手続を経て参加できる 0件
C:日本新聞協会加盟社の記者等は、一定の手続を経て参加できる 3件
D:記者クラブ加盟社の記者のみ参加できる 1件
※2つの表の合計件数の違いは、担当大臣の兼務により、他府省の会見が同時に開かれるなどの違いによるものです。また、2011年より新たに『復興庁』が設置されています。
「各府省の記者会見のオープン化の状況についての調査結果(2013年8月1日現在)」『ガジェット通信』
まとめ
2010年当時からくらべて「取材できる会見も増え、質問できる機会も増えている」という印象も受けますが、実際のところ「取材できないところについては、相変わらずできない状態のまま」とも考えられます。各府省によって参加条件や参加方法も違い、統一されていない状態であり、手続きについても煩雑さを感じ、分類はAであっても、ほとんどが『条件付きA』という表現の方が正しいのではないでしょうか。
2010年当時より現在に至ってもなお、国会の“院内でおこなわれる会見”については、「国会記者章を保有している記者のみが取材可能」であり、その「国会記者章の入手方法」すら、「国が管理している」のではなく「記者クラブが関与」しており、不明瞭な状態です。
民主党政権でなくなった今『国民の知る権利』を確保するために『記者会見フルオープン化』への障害をどのように解消するのか、課題は多く残ったままです。
参考記事
「【なぞなぞ霞ヶ関】数100メートルが遠い……国会議事堂内で取材できないのはどうして?」2012年03月06日『ガジェット通信』
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