「GKE負荷10倍を捌く」「Web金融空間のバグとの戦い」――みんなの銀行がエンジニア勉強会『Zero.Lab』を完全公開する理由

こんにちは。みんなの銀行エンプロイーサクセス部の海津です。新卒採用と人財育成を担当しています。

私たちみんなの銀行/ゼロバンク・デザインファクトリー(※)には、エンジニアが自発的に学び、共有し、高め合うための勉強会「Zero.Lab(ゼロラボ)」があります。

※ゼロバンク・デザインファクトリーは、みんなの銀行のシステム開発を担う兄弟会社です。組織こそ分かれていますが、私たちはワンチームで「みんなに価値あるつながりを。」というミッションの実現を目指しています。

元々は社内クローズドな勉強会としてスタートしたこの取り組みですが、「この熱気とみんなの銀行エンジニアリングの『リアル』を社外の方にも肌で感じてほしい」「未来の『仲間』探しのきっかけにしたい」という想いから、年に一度、外部の方をお招きするリアルイベントを開催しています。

前回開催した「Zero.Lab Open Day 2026 in東京」は、多くの参加者を迎え、熱い技術議論と笑顔に包まれて大盛況で幕を閉じました! 当日の具体的なセッションスライドや技術的な詳細については、既に公開されている以下の記事で詳しく紹介しています。
https://getnews.jp/archives/3721644

今回の記事は、採用チームの目線から、イベントの企画・運営の裏側や「なぜ私たちがこのイベントにこれほどまでに情熱を注ぐのか」「Zero.Labという仕組みに込めた本当の想い」、そして「当日の参加者のリアルな声」をお届けします。

そもそも「Zero.Lab(ゼロラボ)」とは?

「Zero.Lab」は、よくある社内勉強会という枠には留まりません。これは、みんなの銀行のエンジニア組織におけるカルチャーそのものです。2022年6月にスタートしたZero.Labは、以下のような明確な目的を持って設計・運用されています。

Zero.Labの3つの目的

■ 【社内】エンジニア同士のコミュニケーション活性化・ナレッジ共有の場
複数の開発チームや部署の垣根を越え、お互いが今どんな技術に挑戦し、どんな壁にぶつかっているのかを共有し、組織全体の技術底上げを図ります。

■ 【社外】情報発信の礎(エンジニア採用の促進)
「外から見えにくい」と言われがちな銀行のシステム開発。その中身をどんどんオープンに発信していくための、登壇慣れやコンテンツ作成の「養成」としての役割も担っています。

■ 【登壇者】やったことの整理・説明力向上・社会的価値の向上
アウトプットして初めて、自分の学びは血肉になります。社外の技術カンファレンスに登壇しても自信を持ってプレゼンできる「説明力」を磨き、エンジニア個人の市場価値を高める場所でもあります。

「エンジニアファースト」で設計された運用ルール

「業務が忙しくて勉強会どころじゃない……」という形骸化を防ぐため、Zero.Labにはエンジニアが自発的に、そして安心して参加できる徹底的な仕組みがあります。

■ 開催は毎月第3火曜日16~17時(営業時間内)
当初は毎月最終週、金曜日の夕方に開催し、今週の仕事をちょっと早めに切り上げてみんなで技術を楽しみ、その後に懇親会をする形でスタートしました。しかし、会を重ねるうちに「金曜日の仕事後は家庭の事情などもあり参加が難しい」という声が出たため、現在はメンバーが等しく参加しやすいよう、毎月第3火曜日の「営業時間内」の開催としています。

■ テーマは完全自由
技術のディープな話から、仕事の進め方、マインドセット、案件の振り返り、自己研鑽した業務とは直接関係ない技術の話まで、「仕事か技術に関わる話」であれば何でもOK。基本持ち時間は15分ですが、5分でも60分でも構いません。

■ Slackを通じた超オープンな募集プロセス
毎月1日、専用Slackチャンネルで登壇募集が開始され、自薦・他薦を問わず最大3名の登壇者を募ります。

■ どこからでも参加可能、登壇者への嬉しい特典も
リモートワーク中心の環境に合わせ、基本はMicrosoft Teamsによるオンライン配信です。また、登壇者には特製の「Zero.Lab限定ステッカー」をプレゼント!さらに、毎年度の年間大賞や優秀賞の受賞者には表彰制度(賞品)も用意されており、エンジニアのモチベーションを刺激しています。

毎月の勉強会はオンラインですが、この熱量高い組織カルチャーを「社外のエンジニアにも体験してもらいたい」という想いから、2023年より、年に一度のリアル開催を行っています。

なぜ私たちは「リアル開催」にこだわるのか?

普段はオンラインで完結しているZero.Labを、なぜわざわざ物理的な会場を用意し、外部の方をお招きして「リアル」で行うのか。そこには、採用チームとしての強い想いがあります。

それは、画面越しでは絶対に伝わらない「私たちエンジニア組織の『人の温度感』と『フラットな空気感』を肌で感じてほしい」というものです。

近年、カジュアル面談や面接はオンラインが主流になり、非常に便利になりました。しかし一方で、「その会社で働く人たちが、どんな表情で、どんな熱量で、どんな風に仲間と会話しているのか」というリアルな組織カルチャーを五感で受け取ることは難しくなっています。

日本初のデジタルバンクと聞くと、「なんかクールで堅苦しくて、近寄りがたい『完璧なスペシャリスト集団』なんじゃないか?」というイメージを持たれるかもしれません。

しかし、実際のエンジニア組織は、驚くほどフラットで、泥臭い挑戦を尊び、お互いの失敗すらもナレッジとして称え合う、非常に温かく刺激的なチームです。

私たちは、単に会社の説明をするのではなく、一人のエンジニアとして私たちがどんなことにワクワクし、どんな「壁」にもがいているのかを等身大で知ってほしかった。大勢のエンジニアの皆さんと、ドリンクや軽食を片手に「それ、あるある!」「うちではこうやって乗り越えたよ」とカジュアルに語り合える場を作りたかったのです。

写真:Zero.Lab Open Day 2026 in東京のPMである、中途採用担当 寺嶋さん

宮本CIOが語る、エンジニアの成長と「Zero.Lab」に込めた想い

ここで、Zero.Labの生みの親でもあり、みんなの銀行のエンジニア組織を率いる、宮本昌明CIO(最高情報責任者)からのメッセージをご紹介します。

宮本CIO
「日本初のデジタルバンクをゼロから内製で創り上げる、そしてそれを進化させ続けるという挑戦は、言うまでもなく『前例のない壁』の連続です。答えがどこにも載っていない世界で、私たちは毎日、システムと、ビジネスと、そして自分自身と向き合っています。

この不確実な環境下で、エンジニアが最も成長し、組織が強くなるために必要なもの。それは『自律的な学習』『飽くなき挑戦』、そして『経験の徹底的な共有』のサイクルだと確信しています。

降りてきた要件を開発して、リリースして終わり、ではもったいない。エンジニアも1人のユーザーであり、ユーザー目線で要件に対して発言して欲しいですし、持ち前の技術力でより良い提案をして欲しい。

また、『どんな壁にぶつかり、どう乗り越えたのか』『そこから何を得たのか』。これらを自分の言葉で咀嚼し、アウトプットして他者に伝えるプロセスを経て初めて、単なる『開発経験』は『本物の技術力』『信頼』『価値向上』へと昇華します。

優秀なエンジニアには探求心や発信力、責任感、説明力が備わっているものです。それらを磨き、自身の市場価値を高めていくためのプラットフォームが、この『Zero.Lab』です。

Zero.Labは、まさにその成長サイクルを体現し、エンジニアをエンパワーメントするための取り組みです。誰かの失敗談(直面した課題や試行錯誤のプロセス)が、別の誰かの挑戦を支えるヒント(知見)になる。お互いがリスペクトを持ちながら技術を語り合って互いに成長する。

私たちが目指すのは、受動的な開発者集団ではなく、一人ひとりが主役となり、主体的に未来を切り拓くエンジニアリング組織です。Zero.Labを通じて、その本気の熱量を、社外の皆さんにも感じていただければと思っています。」

前回「Zero.Lab Open Day 2026」当日の熱狂を振り返る!

今回のイベントテーマは、ずばり「エンジニアがぶつかった壁と、壁を乗り越えたアプローチ」。

当日は、宮本CIOによる熱いオープニングトークから始まり、4つの領域(バックエンド、フロントエンド、QA、インフラ)の第一線で活躍するエンジニアが登壇。それぞれの「壁」にどう立ち向かったかを、一切の綺麗事なし、リアルな葛藤と泥臭い工夫を含めて発表しました。

当日発表された4つの技術セッション

【登壇1】はじめての新機能BaaS API開発奮闘記

・登壇者:バックエンドエンジニア

・ぶつかった壁:
新機能のAPIを世に出すため、これまでにない超高水準のセキュリティ要件と、膨大なアクセスに耐えうる負荷対策の両立を迫られました。登壇者にとっては、「初めてのサービスイン(本番リリース)」というプレッシャーのかかるミッションでした。

・現場のブレイクスルー:
初期の検証フェーズで、PCの負荷限界を検証するために「チーム全員のPCを物理的に会議室に持ち寄って一斉にリクエストを送り、負荷状況を確認した」という、泥臭くも合理的で温かい総力戦で乗り越えました。

【登壇2】領域展開「Web金融空間」――ゼロから始めて、なんとかリリースまで辿り着いた話

・登壇者:フロントエンドエンジニア

・ぶつかった壁:
モバイルアプリという強い制約がある中で、Web上でいかに安全かつスムーズに金融機能を提供するかという前例のない新規プロジェクト。タイトな仕様変更やリリース前のバグ対応で、チームには強いプレッシャーが漂いました。

・現場のブレイクスルー:
単なる技術論ではなく「徹底的なやり取りの言語化」を追求。コードを書く前に目的・アプローチ・完了条件をドキュメント化する「デザインドキュメント」を導入し、手戻りを劇的に削減しました。

【登壇3】BST効率化課題を自動化で切り崩す方法〜一合目〜

・登壇者:QA(品質保証)エンジニア

・ぶつかった壁:
BST(総合テスト:Bulk System Test)フェーズに検証ボリュームが集中しがちだったため、リリース速度を上げるべく、品質を担保しながらテストをいかに効率化するかが課題でした。

・現場的ブレイクスルー:
「100%自動化は目指さない」という現実的な割り切りと、手動テストと自動テストのハイブリッド運用戦略を構築。プロとしての執念でテスト自動化のブレイクスルーを起こしました。

【登壇4】“絶対”に落とすな!ユーザー数10倍を捌き切るリソースチューニング

・登壇者:インフラエンジニア

・ぶつかった壁:
想定ユーザー数が急激に10倍に跳ね上がることが判明。GKE(※Google Kubernetes Engine:コンテナ管理サービス)が自動でスケールアウトするまでのタイムラグや、DBのコネクション上限など、極限の技術的ハードルが立ち塞がりました。

・現場のブレイクスルー:
「オートスケールが間に合わないリスクがあるなら、コストよりも安定性を最優先にし、最初から最大構成で臨む」という宮本CIOの迅速な経営判断と、それに応えてすべてのワークロードをスプレッドシートで緻密に計算し尽くしたインフラエンジニアの「職人技」の融合で落とさず捌き切りました。

写真:大盛況だった2月の余韻に浸りつつ、次のステップへ向けて作戦会議中の採用チーム(Zero.LabはCIO・現場メンバーを含む事務局で企画・運営を行っています)

「これぞリアルZero.Labの醍醐味」軽食とともに楽しんだ懇親会

セッションが終わった後は、お待ちかねの懇親会タイム。会場には軽食やドリンクが用意され、一気にカジュアルな雰囲気に。

社外の参加者の皆さんからは、「さっきのセッションの、あの部分のアーキテクチャをもっと詳しく教えてほしい!」「ぶっちゃけ、銀行の開発ってどれくらい自由度があるんですか?」といった本音の質問まで、次々と飛び交っていました。

現場のエンジニアもドリンクを片手に参加者の輪に入り、これからのFinTechについて熱く語り合っていました。これこそが、私たちが誇る「壁のない、フラットな組織カルチャー」です。

Zero.Lab参加後に仲間になった二人に聞いてみた!

最後に。当時イベントに参加し、現在はみんなの銀行のメンバーとして大活躍しているお二人に、当時の本音をインタビューしました。

【新卒入社】データエンジニア瀧江さん
「入社を2ヵ月後に控えていた時期で(当時:新卒内定者)、そこで一番興味深かったのは、社内のAI推進力の強さです。イベントの中で聞いた宮本CIOの話は、企業のAI活用として非常に具体的で信頼できるものでした。『さすがデジタルバンク!』と感激し、入社へのワクワク感が一気に高まったのを覚えています。」

【中途入社】バックエンドエンジニア 椎野さん
「イベントの雰囲気がとても良かったので、実際の職場はどうなのか入社前は少し気になっていました。ただ実際に入社してみると、役職やキャリアに関係なくフラットに議論できる空気はイベントそのままでした。開発者自身に大きな裁量を持たせてもらえる自律的な環境だと感じています。」

筆者紹介
みんなの銀行 エンプロイーサクセス部エンプロイーエクスペリエンスグループ
海津 沙綾

新卒採用と人財育成を担当。新卒で入社した保険会社での営業経験を経て人事に転身し、2024年8月にみんなの銀行へジョインしました。新卒で入社した皆さんが、いきいきと働き、成長していく姿を見ることが喜びです。学生の皆さんとの一つひとつの出会いを大切に、「みんなの銀行を選んでよかった」と思えるキャリアのスタートを全力でサポートいたします!

写真左から、中途採用担当 寺嶋さん、本田さん、新卒採用担当 海津(筆者)、グループ長の永峰さん。

※この記事は、みんなの銀行公式noteからの転載です。
最新情報やサービス詳細は、みんなの銀行公式サイトをご確認ください。
公式サイト:https://www.minna-no-ginko.com/

(執筆者: みんなの銀行)

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