町中華の顔で本格中華の味 東十条「自由軒」は何を食べても隙なしの旨さ!
全国のラーメンを食べ歩くラーメンライター、井手隊長です。
今回は東京・東十条にある町中華の名店をご紹介したい。
東十条には昔ながらの飲食店が数多く残っているが、その中でも地元客に長く愛されている一軒が「自由軒」だ。東十条銀座商店街からほど近い保健所通り沿いに店を構えている。
町中華というと年季の入った外観をイメージする人も多いかもしれないが、「自由軒」は看板も外観も小綺麗で、店内も明るく清潔感がある。いわゆる昭和の町中華というよりは、町中華とカジュアル中華の中間に位置するような雰囲気。初めてでも入りやすく、女性一人でも利用しやすそうだ。
今回は「セットB」の五目うまに丼と鳥ラーメン(醤油)のセット、そして豚肉細切り焼きそばを注文した。
まずは鳥ラーメンからいただく。
具材は鳥のほぐし肉、刻み海苔、ネギ、メンマ。麺は中細ストレート麺で、スープとの相性も良い。
ほんのりとした動物系の旨味を土台に、刻み海苔で和の香りを加えている。
また、スープの中に散りばめられた鳥のほぐし肉が実にいい仕事をしている。しっかりと味が染み込んでおり、噛むたびに旨味が広がる。シンプルな一杯だからこそ、素材の良さや丁寧な仕事が伝わってくる。
続いて五目うまに丼。
こちらは町中華の定食屋的な一品を想像していたのだが、良い意味で予想を裏切られた。豚肉、ハム、エビ、イカ、タケノコに加え、たっぷりの野菜が使われており、その内容はかなり本格派。むしろ中華料理店の看板メニューと言っていいレベルだ。餡の仕上がりが見事で、旨味、酸味、香りのバランスが絶妙。海鮮の風味も豊かで、食べ進めるほどに箸が止まらなくなる。
正直、この五目うまに丼だけでも十分にお客を呼べる完成度だと思う。セットメニューの一角を担う存在にしておくにはもったいないほどの実力を感じた。
そしてもう一品の豚肉細切り焼きそば。
細麺をしっかりと焼き付けることで香ばしさを引き出し、その上に豚肉、キクラゲ、小松菜、タケノコ、シイタケなど具材をたっぷりとのせている。
特に印象的だったのは具材の切り方だ。どれも丁寧に細切りに揃えられており、シャキシャキとしたタケノコ、コリコリのキクラゲ、しっとりとした豚肉など、それぞれの食感が際立つ。
どれも方向性が異なりながら高いレベルでまとまっていて、町中華らしい親しみやすさを持ちながら、料理は一歩踏み込んだ本格派。だからといって敷居が高いわけではなく、日常使いできる気軽さも兼ね備えている。
今回は定番どころをいただいたが、メニューを眺めていると気になる料理がまだまだたくさんある。
東十条の街に根付きながら、確かな技術でお客を魅了し続ける自由軒。こういう店に出会えるから、町中華巡りはやめられない。
自由軒
東京都北区東十条4丁目6−2
(執筆者: 井手隊長)
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