『暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが』大塚剛央&水野朔インタビュー「映像から感じるリアリティを楽しんで」
『暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが』、略して「ステつよ」が放送中です。
シリーズ累計(紙・電子)発行部数160万部超えの原作をTVアニメ化。 クラスメイトと共に異世界に召喚された高校生・織田 晶(cv.大塚剛央)は“勇者”を軽々と凌駕したステータス値の“暗殺者”の能力を得る。 冤罪をかけられて逃げ込んだ迷宮深層でエルフの美少女アメリア(cv.水野 朔)と出会い…。これは晶が真の暗殺者になるまでの物語。
本作の魅力について、織田晶役・大塚剛央さんとアメリア・ローズクォーツ役・水野朔さんにお話を伺いました!
――原作を読まれた印象をお聞かせください。
水野:率直に「主人公は勇者じゃないんだ?!」と驚きました。異世界ものって、勇者として転生して、魔王を倒すというのがオーソドックスなパターンだと思いますが、晶は暗殺者という特殊な職業で。クラスメイトのみんなを連れて元の世界に戻るために、晶が裏で動いていくという展開も面白いです。どこか闇を感じる主人公なので、晶がどうやって活躍していくのかも気になりました。
大塚:タイトルから、主人公が暗殺者であり、勇者より明らかに強いということは分かるのですが、僕は「やれやれ、強くなっちゃったぜ」みたいな、ちょっとポップな印象も受けたんです。でも、実際はシリアスで、重いテーマもあるのでそのギャップも面白いなと思いました。アニメの台本を見たときに、小説やコミカライズとも違う印象があったので、この作品に関しては、それぞれで違う楽しみ方が出来るだろうなと楽しみになりました。
――キャラクターデザインもとても素敵ですが、アメリアというキャラクターにはどんな魅力を感じましたか?
水野:アメリアの白髪で赤目というビジュアルは、個人的にもグッとくるポイントで! 作中でもアメリアだけ、他のキャラとは違う描写もあって、特別感のある高貴なイメージがある子だなと。ヒロイン感があって可愛いキャラクターだと思います。
大塚:すごく可愛いと思います。「この子が笑ったら嬉しい!」という感情が生まれるミステリアスな雰囲気もあり、猫っぽい、人に懐かない感じもあるので、彼女の表情変化はすごく楽しみです。
水野:晶にだけ、懐いているので!
――晶はいかがですか?
大塚:「影が薄い」と本人は言うんですけど、普通にカッコいいですよね。だから本人がそう思っているだけで、絶対に隠れファンはいると思います(笑)。ただ、実際、近寄りがたい雰囲気はあるかもしれないです。その中でも晶の表情を察してお芝居出来ればと思いましたが、完成した映像を見たら、線も強くて、骨太な感じに仕上がっていたので、「こうなったんだ」という驚きはありました。
水野:闇を感じる佇まいですよね! 私はクールでカッコいい、暗めのキャラクターが大好きなので、晶はすごく好きなキャラクターです。それでいてアメリアに対して優しいので、「アメリアも嬉しくなっちゃうだろうなあ」と思いました。
――演じていて感じた魅力も教えてください。
大塚:決断を強いられる時が度々ありますが、その時に見える、彼の根っこの部分の「優しさ」が魅力だと思います。 だから、暗殺者は向いていないのではないかと思うんですけど、「それでも非情にならなければいけない」と自分で思い込んでいる部分があるんですよね。そうやってひとりで抱えてしまうところは放っておけないなと思います。
水野:迷宮で出会うアメリアや黒猫の姿をした魔物の夜(演:小林沙苗)もそうですけれど、見捨てられないんですよね。猫が好きだから見捨てられないとか、「そんなかわいい理由で助けちゃうんだ」みたいなところがギャップがあって面白かったです。
アメリアに関しては、晶に対しての顔が違いすぎるところが魅力だと思います。夜に対しても優しいけど、晶に対しての愛は……重すぎる(笑)!
大塚:そうやって愛情がだんだん深まっていくところは魅力的で、アメリアって心を開くと、すごく懐いてくれるんです。
水野:“懐く”という言葉がぴったりなんですよね。
――演じる時に工夫したことや、ディレクションをもらって意識したことはどんなことですか?
水野:そもそも私は、シリアスな作品が好きで「戦っている作品に出たい!」という気持ちが強かったので、アメリア役に決まったときは、すごく嬉しかったです。オーディションテープでは、可憐で透明感のある、感情が乏しいキャラクターとして演じさせていただいたんですけど、実際にアフレコが始まると、全然そんなことはなく、猫みたいだったんですよね。台本のト書きにも、「可愛く」と書かれていて、天然な可愛さを、晶に対してだけ見せるので、そこはかなり苦戦しました。普段、自分が言わないようなセリフも多かったので、難しくて……。
今、台本を見返しても、至るところに「☆可愛く」と書いてあるんですよね。だから、できる限り可愛く演じる、というのは意識していました
――水野さん念願のバトルものだったわけですね!
水野:声優を目指したきっかけが「必殺技を出したい!」だったんですよ。アメリアも戦闘中に使う技があって、それが大きめに叫ぶ感じの技なので、個人的には「これがやりたかったー!」という気持ちでした。
年齢が上がるにつれて、必殺技を叫ぶことに対して、恥ずかしさが出てくるじゃないですか……まぁ、普通に生活していたら、そもそも必殺技を叫ぶ機会なんてないと思うのですが(笑)。声優は、大人になっても必殺技を叫んだりできるので、嬉しいです。
――大塚さんはいかがですか?
大塚:オーディションから、大きく変えてほしいという要望はなかったので、細かいところを修正していった収録でした。クール寄りのキャラなので、どの程度アウトプットするのかというところは、細かくディレクションしていただきました。 タイトルにある通り、晶は強いですし、成長もします。その強さ加減、誰と相対しているか次第になるんですけど、緊張感と余裕の塩梅を音響監督さんと調整していきました。
――大塚さんも必殺技を叫ぶことは好きですか?
大塚:(笑)。どちらかと言うと、必殺技はずっと難しいなと思っていますね。晶だと、決めなきゃいけないけど、決め過ぎたらキャラから離れてしまうかなと。何を救おうとしているのかでニュアンスも変わってくるだろうし、「必殺技ひとつ取っても、奥が深いなあ」なんて思いながら叫んでいました。
戦闘中、剣を振ったりジャンプしたりするので、ここは画に任せていいのかなとか。ここは息を入れて、インパクトを出したほうがいいかなとか。考えながらやったことが演出の方向性にハマったときは、面白いです。あと「ここは息を入れてください」「ここは抜いてください」というディレクションから、「完成はこうなるのかな?」と想像を膨らませたりするのも楽しかったです。
――映像も迫力が凄そうで楽しみですね。
大塚:このアニメはカット数がすごく多くて。監督がおっしゃられていたことなのですが、キャラクターが話しているところも、画面が動いたりしていて、見ていて飽きない工夫をしているそうです。飽きのこない画作りも魅力だと思います。それと、劇伴も含め、音にめちゃくちゃ迫力がありますよね。それによる世界観の落とし込み方が、このアニメの良さだと思います。
水野:建物とか美術のクオリティが凄まじくて、壮大です! 監督もおっしゃられていたのですが、晶がしゃべっている空間の広さ、反響も意識して作ってくださっているみたで。全てにおいてリアルで、演技においても、リアルさは求められていたので、映像から感じるリアリティを楽しんでいただきたいです。
――今日は素敵なお話をありがとうございました!
撮影:たむらとも
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