94歳も熱中、万博で開催された高齢者eスポーツ大会「GeeSports」が目指す未来とは

国際高齢者デーの10月1日、2025大阪・関西万博で高齢者のeスポーツ大会「GeeSports大会」が開催されました。
65歳以上の3人組チームが計6チーム参加し、最高齢は94歳を筆頭に参加者の合計年齢が1751歳だという本大会。
本大会を主催したのは、株式会社デジタルハーツホールディングスが資本参加しているGeeSports万博実行委員会有限責任事業組合です。
「なぜデバッグ事業を行っているデジタルハーツグループが、GeeSports万博実行委員会に資本参加したかご説明しますと、GeeSports万博実行委員会が提唱する、ゲームやエンターテインメントの分野から、高齢化社会が抱える社会問題の解決にアプローチするという試みに賛同したからです。GeeSportsを通じて、シニアが健康的かつ質の高い生活を送れる未来社会の実現と、シニアゲーム市場の成長によるゲーム市場全体の活性化を期待しています」という、同組合の高橋潤さんに高齢者向けeスポーツについて話を聞きました。
ーーGeeSportsを立ち上げた狙いは?
高橋:GeeSportsは「シニアを巻き込んだ新しいかたちのeスポーツ」です。シニアeスポーツと表現することもありますが、この理念はシニア世代を中心としつつも若者たちも巻き込んだ「多世代融合型eスポーツ」です。この多世代融合はゲームだからこそ実現できると確信し、GeeSportsを提唱しました。そしてこのGeeSportsを実際にご覧いただくために大会を開催いたしました。
ーーGeeSports以外の高齢者向けeスポーツ大会は?
高橋:既存のゲームを活用したeスポーツ大会はいくつか実施されているようです。既存のこうした取り組みとGeeSportsとの違いは、目指すゲーム体験の違いだと考えます。
GeeSportsは「シンプルな操作」「声を掛け合う」「誰もが楽しめる」というコンセプトのもとに、多くの高齢者が、世代も超えて誰かと一緒に自然と楽しめるゲーム体験を目指しています。一人でも遊ぶことは出来ますが、基本的には「チーム」でゲームに取り組むことを意図しています。

ーー高齢者向けのGeeSportsゲーム『Gerogue(ジェローグ)』を開発する上で苦労した点は?
高橋:こちらが意図したゲーム体験と、実際にプレイする高齢者の方のゲーム体験とのずれです。例えば、ゲーム内のユニットやアイテムの見え方も、若年層と高齢者では違います。また、「高齢者向けに簡単なゲーム」を作るのではなく、「高齢者も楽しめるし、若者も楽しめるゲーム」を作ろうと取り組んでおり、この点が難しかったと思います。

ーー日本国内でeスポーツをプレイする高齢者の競技人口はどれくらいになるのでしょうか?
高橋:政府統計などでは65歳以上で趣味・娯楽としてビデオゲームに触れる人たちは増加傾向のようです。現在の65歳以上の方たちは、「若い頃にあまりビデオゲームに触れてこなかった」世代です。これに対して日常的にゲームをする人たちが高齢者になれば、その割合は飛躍的に伸びます。その意味で10年、20年経てば「高齢者がビデオゲームをするのは当たり前」の世界になりえると考えています。
ーー今後のGeeSports大会開催予定は?
高橋:来年2回目の大会を開催することを予定しております。それ以外は現在検討中です。また、GeeSportsに共感していただいた団体の大会へのゲームの提供等も検討中です。
ーーありがとうございました。
【94歳のゲーマー登場】万博で「Geeスポーツ」!白熱の対戦で脳も活性化(YouTube)
https://youtu.be/tn3kJCPFP4k
ゲームという文化で世界のトップランナーとして走り続けてきた日本ですが、高齢者向けeスポーツという分野でも世界のトップランナーとなっていくのでしょうか。
※画像提供:GeeSports万博実行委員会
(執筆者: 6PAC)

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