『ピクミン ブルーム』青ピク毎回ピンチな理由は!? 20年先をめざす日常に寄り添う未来予想図を直撃インタビュー【プレイログ#1029】

2025年9月20日(土)と21日(日)、仙台を舞台にしたリアルイベント“Pikmin Bloom Journey 2025”が開催。

現地でしか体験できないピクミンとの特別なストーリーを通じて開催地を散策。

現実世界に目を向けながらのんびり街歩きをたのしむ、位置情報ゲーム本来の醍醐味を実感できるイベントとなった。

日常に寄り添う存在として

プレイログ第1029回目の今回は、“Pikmin Bloom Journey 2025:仙台”の初日にプロダクトマネジメント・シニアディレクターを務める山﨑友敬氏に直撃インタビュー。

当イベントのテーマから、現在の環境と改善、さらには巷で話題の“アレ”について聞いてみた。

起動画面で毎回ピンチになりやすい青ピクミンの真相にも触れるので、ぜひ最後までチェックしてもらいたい。

はじめに

今回の取材は2025年9月20日と21日に開催された“Pikmin Bloom Journey 2025:仙台”当日に実施。

イベントの様子は下記にある前後編でそれぞれまとめているので、ぜひ参考にしてほしい。

#1023:現実世界に目を向けた仙台イベント前編

#1026:ゲーム内の魅力に迫る仙台イベント後編

それでは、ここからがインタビューの本編です。

開催地に目を向けてもらう取り組み

――Pikmin Bloom Journey 2025:仙台のコンセプトを教えて下さい。

山崎友敬氏(以下、山崎):前回の東京ドーム(Pikmin Bloom Journey 2024)では赤ピクミンの冒険がテーマで、おかげさまでみなさんからの評判も好評でした。そこで今回は美味しいものが多い仙台を舞台に、とてもグルメでお腹を空かせている黄ピクミンを満足させることをひとつのテーマとして、多くの方が知っているであろうスポットから地元の方にもあまり知られていないスポットまで、黄ピクミンを連れて街中を歩いてもらおうと考えました。

――それにしても19ヵ所とはかなりのボリュームですよね。スポットを選ぶにあたって心がけたことはありますか?

山崎:今回は仙台市のみなさんと話し合いながら多くの候補があげていただきました。そのどれもが魅力的なものでしたが、スムーズに散策していただくには各スペシャルスポットの配置とルート構成が欠かせません。せっかく仙台まで足を運んでいただいたのだから、たくさんの思い出を作って帰っていただくことが重要です。歩きやすさはもちろん、満足していただける丁度いい距離感と数を意識して、国際センター駅から仙台駅までの19ヵ所を選ばせていただきました。

▲国際センター駅から仙台駅まで19ヵ所にスペシャルスポットが出現。各スポットに書かれたテキストはどれも仙台の魅力を感じさせるおもしろい内容だった。

――たしかに前回よりスペシャルスポットの数は多かったですが、道しるべとなる旗やBGMなどの誘導もあってとても歩きやすかったです。また今回、見上げるほど大きなビッグフラワーがルート上に設営されていたのがとても印象的でしたね。

山崎:前回、東京ドームシティでは巨大なキノコを制作しました。それを今回も設営しているのですが、せっかくの有料イベントなのだから新しい体験もしていただきたい。そんな話し合いのなかでキノコがあるならつぎはビッグフラワーだろうと、誰が言い始めたことかは忘れてしまいましたが特別な空間を作ることができたと思います。その一環として今回は特定のエリアに“隠しピクミン”を多数仕掛けました。

――アクリルスタンド風(以下、アクスタ)のフラワーゲートや花壇など、いろんな場所にこっそり潜んでいたアレですね。

山崎:現物のキノコやビッグフラワーはもちろん、花壇などに潜むピクミンたちを目にすることで現実世界とのつながりを感じ開催地にも意識を向けてほしい。そうした想いから生まれた新しい試みです。これは我々が掲げる“人々を現実世界に連れ出し冒険をしよう”という理念でもあります。それを多くの位置情報ゲームとは違う、街歩きや旅行など『ピクミン ブルーム』らしいカタチで、仙台の魅力と非日常というリアルイベントならではの体験をしていただけているとうれしいですね。

――本作はゲームとアプリのあいだにある独特なタイトルですよね。

山崎:そうですね、歩くという基本的な行動をたのしいものにする。そこにピクミンが寄り添うことで歩くことにたのしみや目標をみつけていただきたい。どこにでも潜んでいるピクミンたちといっしょに過ごす毎日が特別なものになるよう意識しています。また、歩いているときにスマートフォンをこまめに操作したくなるようなアクションを排除し、たまに結果を確認するくらいで済むのも本作のポイントですね。

▲じつはこの世界にピクミンは実在する。そんな本家のコンセプトになぞって、今回はフラワーゲートや花壇をよくみるとピクミンたちが潜んでいた。

歩く意欲を与える新しい仕掛け

――まさに“まち歩き参加証”は新しい原動力になりそうですね。

山崎:我々は極力ユーザーのみなさんに“これをしよう”と押し付けるようなことはしないよう心がけています。本作には今回の有料イベントであるJourneyや無料のTour、限定されたエリアにひとつだけスペシャルスポットが出現するなど、いろいろなアプローチがありますが、いずれもその期間告知はしても終わってしまえばスポットは消えてしまいます。もちろん参加されたかたのライフログには残りますが、こうしたリアルイベントを重ねていくことで、もっと振り返りやすい仕組みが必要だと感じ生まれたのが“まち歩き参加証”なんです。この街歩きというコンセプトは本作を支える重要なテーマです。今後もいろいろなカタチで街歩きにフィーチャーした体験を提供できるよう検討していますのでご期待ください。

▲ワッペン風のデザインがとてもかわいらしい“まち歩き参加証”。触れると当日歩いた歩数や出会ったピクミンなど詳細を知ることもできる。

――毎月のマンスリーイベント、例えば現在(9月)は月餅のデコピクミンが登場しています。こうした毎月のテーマはどのように決めているのでしょうか?

山崎:もともとデコピクミンという存在は何を身に付けたらかわいいかな、おもしろいかなという発想から始まっています。それがのちにハロウィンやクリスマスなどの季節感、国内外いろいろなものを取り入れようとチームのなかで大きな目標になっていきました。以前のものでいえばイースターもそうですが、世界中のカルチャーにデコピクミンやイベントを通じて触れていただけるものを意識しています。

――なるほど。いろいろな変化をつけていくとなると、そろそろルーレットに変わる新しい仕掛けも検討されていたりは?

山崎:そろそろ何か違うものを取り入れたいと考えています。ただ、いまのルーレットをたのしんでくださっているかたも多いので、まずはルーレットを踏襲しつつ新しいものをご提供できたらと思っています。

▲親の顔よりよく見るルーレットもいいけど、そろそろ新しい刺激がほしいところ。どんな体験ができるのか今からたのしみだ。

――ちなみに、もはや都市伝説のようになっているルーレットの目押しについて、これはできるものなのでしょうか?

山崎:そんなことはありません、っと言ってしまうと夢がなくなってしまいますが、そうした噂があることは把握しています。私自身、このプロジェクトに参加するまえはひとりの『ピクミン ブルーム』プレイヤーだったので何度か試したこともありますが、それらは偶然が重なった結果であり、まさに「信じるか信じないかはあなた次第」です。

――ピクミンやポストカード、エキスや花びらの取得上限を解放してほしい。もしかすると、この仙台イベント前に実装されるんじゃないかという期待があったのですが、結果は据え置き。今後もこのままの上限で進むのでしょうか?

山崎:今回はそのままとなってしまいましたが、検討はしているところです。本作はいわゆる本家と違って失われることがなく、“野にかえす”ことで数を調整していただいています。しかし、その手放すピクミンたちにも思い入れがあるんですよね。これをどう解決するのか。今年で4周年を迎えるので初期のデザインから適切なカタチで変化していく必要があるとチーム全体で検討を重ねているところです。ピクミンやポストカード、エキスや花びらなどすべてを同時に解放とはいきませんが、もう少しお待ちいただけるとうれしいです。

▲気ままに遊びたい気持ちを阻む取得上限。ピクミンを野にかえしたりポストカードを処分する手間からはやく解放されたい。

気になる噂の真相を探る

――ちょっと緩い質問なのですが……

山崎:はい、なんでしょう?

――起動画面のイラストで毎回青ピクミンがピンチなのは意図的に狙っているものなのでしょうか?

山崎:えー、そうなんですか!? これに関しては別途確認が必要になりますが、ピクミンたちの個性を配慮してデザイナーがその世界観を膨らませていった結果なのかも……えーそんなことになっているんですねぇ。こちらは確認したのち、改めてご報告させてください!!(補足:記事の最後に回答があります)

――ありがとうございます。あ、起動画面についてもうひとつあるんです。

山崎:!?

――利用している機種によってアイコンや歩数表示などイラストが重なって全体像が把握できない問題があります。とくに推しピクミンが隠れてしまっている場合、ファンにとっては少々悲しい状況なんですよね。

山崎:なるほど、これは私自身も実感しているポイントです。なるべくそうならないようフィードバックを出しているので、今後は違ってくるかも……知れません。

▲最新のものはめずらしく明確にピンチとはいえないが、基本的に青ピクミンはいつも危なっかしいイメージだ。

――4周年を迎えるということで、そろそろヒカリピクミンや氷ピクミンの実装なんてあったりは?

山崎:そうですよね。こちらに関しては多くの要望があることも把握しています。それを踏まえ、どのタイミングがふさわしいかチームで話し合っています。

――それでは最後に、プレイヤーのみなさんにメッセージをお願いします。

山崎:みなさんのおかげでまもなく4周年を迎えます。これまでの遊びはもちろん、新しい仕掛けもいろいろ準備していますので、ぜひ今後もよろしくお願いします。また、本作が10年20年と続くタイトルにしたいと常日頃から考えています。そこで大切なのは複雑化していかないことを前提に、遊びの幅を広げていくこと。それを支える新しい機能を取り入れていくことも重要です。チーム一丸となって開発を進めているので、ぜひこれからもよろしくお願いいたします!!

そんなわけでこちらが仙台イベントで行ったインタビューの全貌だ。

なお、山崎氏の推しピクは黄ピクミンだそう。

その理由はご自身の耳(形状)が似ているから。

また、最近太ってしまったことから紫ピクミンにも愛着が湧いていると明かしてくれた。

みんなは何ピクミンが推しかな?

今後もさまざまなイベントが検討されているそうなので、そちらをたのしみに待ちながら推しピクミンたちを連れて毎日気ままに歩いて行こう。

【追記】
青ピクミンが毎回ピンチなのは偶然です!! by 担当さん

▲最後は推しの黄ピクミンといっしょに記念撮影。山崎さん、無茶振りに対応していただきありがとうございます!!

P.N.深津庵
※深津庵のX(旧Twitter)はこちら

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