スカルクラッシャー、新曲「Dragon」で現実世界に引き戻される感覚を描く

 スカルクラッシャーが、2025年10月17日にリリースする2ndアルバム『And Your Song is Like a Circle』から最新シングル「Dragon」をリリースし、MVも公開された。

 ピアノの響きがタイトで荒々しいパーカッションの上に広がる、美しくも陰影のあるポップ・ソング「Dragon」。スカルクラッシャーことヘレン・バレンタインは、「解離状態と、そこから現実世界に引き戻される感覚について考えながら書いたの。映画“千と千尋の神隠し”で千尋が霊界で消えかけ、ハクの手を触れて引き戻されるが、その後足が動かないシーンのように。生きる重みを実感し、自らを地上に引き戻すのは重い行為です。この重荷が生きる上で必要不可欠な側面でもあるという概念に興味を持ったの。希望に満ちつつも恐ろしいもの。鎧が身体的・精神的な保護であると同時に負担であるのと似ている。自らを守ることは難しい」とこの曲についてコメントしている。

 2022年のデビュー作『Quiet the Room』以来約3年ぶりとなるニュー・アルバムは、米ロサンゼルスから故郷ニューヨーク州ハドソン・バレーへと移住した後の数年間の孤独な時間、そして変化と喪失をめぐる心象風景を丁寧に描き出した作品。

 グルーパーやジュリア・ホルターを想起させるアンビエント・フォーク、エクスペリメンタルな感触と、淡く揺らぐようなメロディが交差する本作では、喉にコンタクトマイクを貼り付けてボーカルを録音するなど、声の可能性を追求した実験的な試みも多数導入している。ヘレンは、「声は誰もが持つ楽器だから一番好き。泣き声、叫び声、笑い声など、あらゆる音と繋がっている。そして儚い。いずれは消えてしまうものだから」と話している。

 当初、彼女は自分が作曲している音楽がアルバムとしてまとまるかどうか確信が持てなかったと言う。アルバム制作中、ヘレンは創造的な作業の本質、つまり、アイデアが浮かび上がり、消え去って、かすかな痕跡しか残らないこと、声が儚い瞬間を駆け抜けること、お互いを理解しようと最善を尽くす人々の間で意味が揺らぐことを深く考えていた。彼女は自宅や友人のスタジオで録音を行い、米ロサンゼルスではアーロン・ポール・オブライエン、ニューヨークでは共同プロデューサーのアイザック・アイガー(ローレン・バルスロップ、カサンドラ・ジェンキンス)と共にレコーディングをした。

 「自分の作品をコレクションと捉えるのが好きなの。何かを足すたびに、そこに石を一つ加えているような感覚。やがてそれは円を描くかもしれない。作品を作るたびに、その作品群の周囲にもう一本の線を引いていく。生涯をかけてその輪郭を辿り続けるような気がする」とヘレンは話している。

◎リリース情報
アルバム『And Your Song is Like a Circle』
2025/10/17 RELEASE
https://skullcrusher.ffm.to/march

Photo: Adam Alonzo

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