天王洲がアートで染まる! 寺田倉庫主催「TENNOZ ART WEEK 2025」の見どころを一挙紹介

倉庫業から始まり、現在はワインやアート、映像・音楽メディアの保管を専門とする寺田倉庫。「モノだけでなく、価値をお預かりする」という理念を掲げる同社は、今年9月に横浜で開催される国際アートフェア「Tokyo Gendai」にオフィシャルパートナーとして参画。

これにあわせて、東京・天王洲では連携企画「TENNOZ ARTWEEK 2025」が9月11日(木)から15日(月・祝)まで開催される。

今回は、このアートフェスの見どころをご紹介していきたい。

【TENNOZ ARTWEEK 2025 ハイライトプログラム】
1. 寺田倉庫 G3-6F:ナイル・ケティングによる、日本初公開のパフォーマティブ・インスタレーション
2. TERRADA ART COMPLEX:入居ギャラリーとパートナーギャラリーによるグループ展示
3. WHAT MUSEUM:諏訪敦による約3年ぶりの大規模個展
4. PIGMENT TOKYO:絵絹(えぎぬ)を使い、江戸時代の技に触れるワークショップ
5. WHAT CAFE:「自分らしさ」をテーマに、約15名の作家が多様な表現で問いかける企画展
6. BONDED GALLERY:伝統技法と現代アートを融合する3作家による展示

アートの集積地・天王洲アイルと寺田倉庫

見上げるほど大きなオブジェや、色とりどりの壁画が街のあちこちで目に入る、アートに包まれた街・天王洲。このエリアでは、運河に面した土地として江戸時代から発展した倉庫街の面影を残しつつ、アートを中心とした新しいまちづくりが進んでいる。ギャラリーやミュージアム、画材ラボ、保税倉庫など多彩な施設が集まり、展示や制作、保存、流通まで、アートを多面的に支える環境が整っているのだ。

そんな天王洲で活動するのが、1950年設立の倉庫・保管サービス企業「寺田倉庫」だ。寺田倉庫は、アート作品やワイン、メディア、トランクルーム、宅配収納など幅広い保管サービスを展開している。

近年では、段ボール1箱から預けることができ、申し込みからアイテム管理・出し入れまでをすべてオンラインで完結できる「minikura(ミニクラ)」など、宅配型トランクルームサービスにも力を入れている。

その一方で、天王洲を中心にアートギャラリーやカフェといった文化発信拠点を運営し、地域活性化や文化振興にも貢献している。

現代日本の絵画におけるリアリズムを牽引する諏訪敦、約3年ぶりの大規模個展【諏訪敦|きみはうつくしい】

今回のプログラムで特に注目なのは、現代日本の絵画におけるリアリズムを牽引する画家、諏訪敦の展示だ。卓越した描画技術で対象に肉薄する諏訪の作品は、徹底した取材に裏付けられ、近年では戦争で亡くなった人々や、神話や古典文学の登場人物など、不可視な存在を描くリサーチプロジェクト型の絵画制作が高く評価されている。

本展は、最新の大型絵画「汀にて」を中心に、そこに至るまでの画家のクロニクルを、過去の主な作品群とともに物語っていく。

▲「emptiness」 2024 Photo by 筒口直弘

コロナ禍にはじまったアトリエでの内省と孤立、戦争や災害で揺らぐ外界をよそに、母を介護し看取るまでの静かな日々の中で、「人間を描きたいという気持ちを徐々に失っていった」と語る諏訪。

本展は、そんな稀代の肖像画家が再び人間を描けるようになるまでの克服の過程を開示するドキュメンタリーであり、精緻な眼と指を持つ故に「見ること、描くこと」を己に厳しく問い続けてきた諏訪の、現在進行形の思索と創造を紹介する展覧会だ。

ぜひ、諏訪の思考の変遷を辿り、彼の人生の一端を追体験してほしい。

国際的アーティスト、ナイル・ケティングが挑む、“鑑賞”そのものを問い直す新作パフォーマティブ・インスタレーション【Blossoms – fulfilment】

次に紹介したいのが、ナイル・ケティングの展示だ。彼は鑑賞者が作品の一部となり、体験を通じて作品が完成する、パフォーマティブなインスタレーション作品で、国際的に注目されるアーティストである。

本イベントでは、ベルリンを拠点に活動する彼の、日本で約10年ぶりとなる大規模な作品を体験することができる。本作は2024年にリスボンで発表された「Blossoms」のシリーズとして、天王洲の倉庫空間に合わせて展開される新作だ。

鑑賞という行為の意味や価値の可視化といったテーマを扱いながら、「鑑賞すること」や「鑑賞者」とは何かを問いかける。会場内にとどまらず、都市空間へと広がる構成のこの作品は、鑑賞者にどのような問いを投げかけるだろうか。

その他にも、画材ラボ「PIGMENT TOKYO」では、東洋美術で伝統的に用いられてきた「絵絹」に花を描くワークショップを開催。透けるほど薄い絵絹を使い、裏彩色や柔らかなグラデーションの表現に挑戦することができる。日本の伝統色を重ねながら、江戸時代の絵師たちが用いた繊細な技法に触れることができる。

今年の秋は「TENNOZ ART WEEK 2025」で身体全体で芸術を体験をしてみてはいかがだろうか。

概要

◼︎TENNOZ ART WEEK 2025
会期:2025年9月11日(木)~9月15日(月・祝)
※VIPプレビュー:9月10日(水)
公式サイト:https://taw.warehouseofart.org
会場:寺田倉庫 G3-6F および 周辺施設
主催:寺田倉庫株式会社
協力:一般社団法人 天王洲・キャナルサイド活性化協会
後援:品川区

◼︎ナイル・ケティング「Blossoms – fulfilment」
会場:寺田倉庫G3-6F(東京都品川区東品川 2-6-10 寺田倉庫 G号)
日時:2025年9月11日(木)~9月15日(月・祝)11:00~19:00(パフォーマンス 12:00~19:00)
入場:一般 1,500円、学生(大学生・専門学生)800円、高校生以下 無料
チケット予約:https://artsticker.app/events/86627[リンク]
※WHAT MUSEUMで開催する「諏訪敦|きみはうつくしい」とのセットチケットも販売(一般 2,500円)

◼︎諏訪展|きみはうつくしい
会場:WHAT MUSEUM(〒140-0002 東京都品川区東品川 2-6-10 寺田倉庫G号)
会期:2025年9月11日(木)~2026年3月1日(日)
開館時間:火曜~日曜 11:00~18:00(最終入館 17:00)
休館日:月曜(祝日の場合、翌火曜休館)、年末年始
入場:一般 1,500円、大学生/専門学校生 800円、高校生以下 無料
URL:https://what.warehouseofart.org/exhibitions/suwa-atsushi[リンク]

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