【オフィシャルレポ】アンジェラ・アキ、11年ぶり全国ツアー〈Tour 2025 -Eleven-〉完走 新アルバムからの曲も披露
アンジェラ・アキは2014年8月の日本武道館公演をもって無期限活動休止に入った以降、音楽の勉強と子育てのために渡米。2024年にミュージカル『この世界の片隅に』の音楽を担当し活動を再開。今年に入り、11年ぶりにちなんで「Tour 2025 -Eleven-」というタイトルをつけたツアー活動も再開。自身の故郷でもある徳島県・あわぎんホールを皮切りに、これまで9都市9公演でライブを開催した。この日の東京公演は同ツアーの最終公演だ。
多くのコンサートやライブでは開演前の場内は歓声や拍手に包まれ賑やかだが、この日は違った。静かなのだ。話し声も聞こえてこない。11年ぶりのアンジェラ・アキの登場を今か今かと息を詰めて待っている。定刻を5分ほど過ぎた頃、会場は暗転。素材の違う黒のジャケット、パンツ、Tシャツにハイカット・コンバースという黒尽くめの衣装でアンジーがステージに表れた。ピアノがイントロを奏で、静謐な空間を切り裂くように歌声が響き渡ると、『待ってました!』とばかりに堰を切ったように場内は爆発。大きな歓声と拍手でアンジーを迎えた。「この世界のあちこちに」と大原櫻子への提供曲「名前」の2曲を歌い終えると『11年前に日本武道館のステージでみんなとお別れして、約束通り、今日、ここに帰ってきました!ありがとう!』と先ずはオーディエンスにお礼。続けて『今日はツアーのファイナルということもあって、我々ここで帰結する気持ちで全てを持ってきました!ひとりひとりのみんなと一緒に今日はこのライブを作り上げたいと思います!』と呼びかけ、「This Love」、「心の戦士」と鉄板ナンバーを続けて歌う。
アンジーは本ツアーのセットリスト選曲にあたり、なにがいちばんいいだろうか?と葛藤したという。最終的に現在の自分が歌いたい曲に絞った。『今の自分が歌い曲を選んできたので、それが今のみんなが聴きたい曲と一致することを願って歌うわな!』と宣言。このツアーのセット・リストはまさにアンジェラ・アキの”Now and Then”な構成となった。”Then”はインディーズ時代の楽曲から代表曲、ヒット曲の演奏。”Now”は今のアンジェラ・アキ。昨年携わったミュージカル『この世界の片隅に』からは、楽曲の背景を語りながら3曲を披露。1曲1曲、その情景がオーディエンスの頭の中に浮かび上がる素晴らしいコーナー。出来ればアルバム全曲をこのスタイルで聴きたいほど。大原櫻子に提供した「名前(2025)」、鈴木雅之への「ポラリス(2020)」のセルフカバー。ここ最近気になっている日本の音楽からと、ちゃんみなの「美人」と藤井風の「ガーデン」も歌った。この2曲、アンジェラはキーボードに座り、ヒップホップやR&Bテイストのアレンジで披露。また会場によってはあいみょんの「愛の花」を歌っている。さらに『できたてほやほやの曲をみんなに聴いてもらいたいと思います』と現在制作中のニュー・アルバムからの楽曲も披露。『自分に中に潜んでいるモヤモヤした部分、影の部分、闇の部分といった否定的な感情をいったん受け入れ、最後に自分を優しく抱きしめてあげる。そんなことを思いながら作った歌です』と新曲「Forgiveness」を歌った。歌詞の”あの時の苦しみがいま溶けてゆく/Forgiveness”が突き刺さるエモーショナルなロッカ・バラード。ちなみに新曲「Blood River」を歌った会場もあった。
何せ11年ぶりのライブだ。バンドのリハーサルに入る前、予習にピアノに向き合うと「始まりのバラード」の印象的なピアノのイントロがどうしても多い出せなかったそう。動画検索で「始まりのバラード 弾き方(中級)」を見つけ、それを見ながら猛練習。『初級じゃなくて良かった(笑)!』という仰天エピソードで客席の笑いを誘った。また、息子が学童保育でアンジーの動画を見せられ、帰宅するなり『ママって有名なん?』と訊かれ母親の職業がばれてしまったエピソードなど、トークタイムも大充実。
本編ラストは5月に配信リリースした最新曲「Pledge」。『11年というこの時間は、これまで経験したことは無いような苦しみとか迷いとかを感じた時期でもあったんです。でも苦しみというのは変化を促してくれる。私の中の苦しみのかけらたちに光を当てて、もう二度と自分を手放さないことを自分に誓う歌を作りました。言ってしまえば自分へのラブソングです。立ち止まって本当の自分への帰り道を探すことかなと思います。ありったけの愛を載せてみんなに聴いてもらいたいと思います』とじっくりと高らかに会場に隅々まで届くように歌い上げた。演奏を終えると、祈るように左手を胸に当てて頭を垂れ、ステージを降りた。
アンコールはライブ恒例となったグッズ紹介トークで始まり、2014年の活動休止前の武道館ラストに演奏した「サクラ色」で始まる。演奏が終わるとメンバーはステージを降り、アンジーひとりがステージに残る。ここで来年にニューアルバムのリリースを予定していること、今回(全10公演)より規模の大きいツアーをやることが発表され客席を大いに沸かせる。〈-Eleven-〉ツアーは全10公演中、3会場でアンジー単独のピアノ弾き語りライブを行った。
『最後にやりたいのは20年前にリリースしましたデビュー曲。私は徳島で生まれ育ってるんやけど、実は東京で過ごした時間も長くて、東京は私にとって本当に大切なHOMEでもあります。この曲を聴きながら自分の居場所、自分の大切な人を、自分のHOMEを感じながら聴いて下さればと思います。またお会いしましょう!』と「HOME」を歌って、10都市10公演20,000人を動員した「Tour 2025 -Eleven-」を締めた。
Text:石角隆行
ライヴ情報
〈アンジェラ・アキ Tour 2025 -Eleven-〉
2025年8月10日(日)東京国際フォーラム ホールA
〈セットリスト〉
01.この世界のあちこちに
02.名前 (大原櫻子・提供曲)
03.This Love
04.心の戦士
05ポラリス (鈴木雅之・提供曲)
〜この世界の片隅に コーナー
06.花まつり
07.自由の色
08.記憶の器
09.美人(ちゃんみな)
10.ガーデン(藤井風)
11.Forgiveness(新曲)
12.輝く人
13.手紙〜拝啓 十五の君へ~
14.Rain
15.始まりのバラード
16.Pledge
ENCORE
17.サクラ色
18.HOME
BAND MEMBER;
ドラム;玉田豊夢 / ベース:沖山優司 /ギター:田中義人 /キーボード:河内肇
アーティスト情報
・アンジェラ・アキ オフィシャル・ウェブサイト
https://www.angela-aki.online
フォトギャラリー
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