【ライブレポート】WACK名曲連発、KAWAII LAB.の躍動、そしてイコノイジョイが今年のTIFのフィナーレを飾る──〈TOKYO IDOL FESTIVAL 2025〉DAY3
8月1日〜3日の3日間にわたって、東京・お台場青海周辺エリアにて、アイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL 2025」が開催された。この記事では、そのDAY3の模様をレポートする。
=LOVE諸橋沙夏のソロ・ステージからスタートしたSMILE GARDEN。諸橋は、1曲目にまねきケチャ「あたしの残りぜんぶあげる」のカバーで幕を開け、その後も「とくべチュ、して」や「絶対アイドル辞めないで」といったイコラブの名曲のほか、最後に自身のソロ曲「My Voice Is For You」を熱唱した。続いて、SMILE GARDENに登場したのは、KAWAII LAB.の次世代メンバーで構成されるKAWAII LAB. MATES。彼女たちは、CUTIE STREETの「かわいいだけじゃだめですか?」やCANDY TUNEの「倍倍FIGHT!」といったカワラボのヒットチューンを連発。3組目は、Ma’Scar’Piece。彼女たちは、昨年開催されたアイドル発掘オーディション『TIF de Debut 2024 supported by Denonbu(電音部)』の合格メンバー3人によって結成された5人組。強いビートで高揚感を高められたSMILE GARDENは、一瞬にしてクラブへと化していた。
様々なアイドルが出演するなか、一際異彩を放っていたのが、現在男女8人組で活動するヒップホップアイドルユニット、lyrical school(通称:リリスク)。SMILE GARDENに出演したリリスクは、独自のヒップホップ・サウンドを軸に、この8人でしか出せない空気を生み出す。印象的だったのは、「朝の光」の披露前に、minanが伝えた「今この場所で、性別とか年齢とか関係なく、この煌めく瞬間を一緒に過ごせていること、とても誇らしく思います」という言葉。リリスクがこのTIFに出演していること、そしてリリスクというグループがこの音楽シーンに存在していることは、閉塞感を感じる現在においてひとつの「光」だと感じた。
今年初めてTIFに出演した注目のグループは、一ノ瀬瑠菜、内野亜美、日比谷萌甘、姫奈、美浜結衣菜、弓家つばきの6名で構成されたシャルロット。DOLL FACTORYに出演した彼女たちは、メンバー全員が10代。他にも負けないフレッシュな輝きを放ち、さらなる飛躍を予感させた。
TIFのDAY3には、WACK所属のグループも多数出演。HOT STAGEで最高にクールなステージを展開したのは、ExWHYZ。前日にLINE CUBE SHIBUYAにて開催された3周年記念公演を大成功に収めた4人は、ダンス・チューンを連発。エレクトロ・サウンドを武器に、ホットなパフォーマンスで魅了した。真昼のSMILE GARDENに強烈なハイパー・ポップ・サウンドを叩き込んだのはASP。太陽が照りつける灼熱の熱気のなか、それに負けないエネルギッシュなステージを繰り広げ、熱狂を作り上げていた。HEAT GARAGEには、10周年イヤーを突っ走るGANG PARADEが登場。WANIMAが手がけた最新アルバムのリード曲「GANG RISE」のほか、2018年にTIFのステージを大いにざわつかせた楽曲「Plastic 2 Mercy」を披露。10年という歴史を感じる貫禄のパフォーマンスで魅せた。
またこの日は、WACK presents DREAMLIGHTS in TIF “もう聴けない!WACK名曲コレクション!”という企画も展開。これは解散など様々な事情でもうなかなかライブで披露されなくなってしまったWACKの楽曲を、それぞれがパフォーマンスするというもの。まずはGANG PARADEがBiS2期の人気曲「SOCiALiSM」で“あの頃”を彷彿させると、今度はレオナエンパイアという名前のメンバーを擁する豆柴の大群がEMPiREの「SOS」をパフォーマンスし、会場を歓喜に包んだ。続いて登場したASPは、ユメカ・ナウカナ?がかつて所属していたCARRY LOOSEの「にんげん」を披露。ユメカの想いを届けるような、熱のこもった演奏が繰り広げられた。ExWHYZは、BiS3期のなかでも激しいロック・ナンバー「STUPiD」を熱唱。間奏で行われた組体操が成功すると、大きな拍手に包まれた。さらにKiSS KiSSによるBiS1期の「Give me your love 全部」が投下されると、会場は一気に爆発。最後は6人組男女混成ユニット・BiTE A SHOCKがBiSHの想いを引き継ぐように「BiSH -星が瞬く夜に-」を届け、WACKのメンバー全員で「We Are WACK!!!」と叫んでステージを後にした。
また今年のアイドルシーン、いや音楽シーンの台風の目といっても過言ではないCANDY TUNE、CUTIE STREETもDAY3に出演。HOT STAGEに入場規制がかかるほどの人気ぶりを見せたのはCANDY TUNE。キラー・チューン「倍倍FIGHT!」を投下すると、オーディエンス全員が割れんばかりの大声で湧き上がり、熱狂が倍の倍に膨れ上がる。さらに昨年このTIFでデビューしたCUTIE STREETは、大ヒット曲「かわいいだけじゃだめですか?」など人気曲を連発。とどまることを知らないKAWAIIの熱狂は、さらに勢いを増しており、今後の進化を強く期待させた。
今年新設されたTOROCCO PARKは、メインステージのほか、アリーナやスタジアム公演で行われるようなトロッコが用意され、アイドルたちによるファンサが行われる人気のステージ。DAY3の灼熱の時間帯には、秋元康氏が手がける「IDOL3.0PROJECT」オーディションから誕生したWHITE SCORPION、Rain Treeが登場。それぞれのパフォーマンスのあと、2組そろってステージに立ち、大いに観客を沸かせた。
次にこのTOROCCO PARKで行われたのは、「アイドル天下一大喜利武道会 〜TIF ROUND〜」という企画。こちらにはMCとしてクロちゃん、審査員として佐久間宣行が出演。プレイヤーとして、かすみ草とステラ、#ババババンビ、豆柴の大群、ラフ×ラフの4組が登場。クロちゃんプロデュースの豆柴の大群と、佐久間宣行プロデュースのラフ×ラフという、ある種代理戦争的な構図となっていた。太陽が照りつける野外ステージで大喜利をやるという謎構成だったものの、プレイヤーたちはしっかりと爆笑をさらった。激戦の末、優勝したのはラフ×ラフ。なお、本当にしっかり受けていたので、審査員・佐久間宣行の忖度ではないことは、ここに記しておく。
なお、大喜利で優勝したラフ×ラフはこの日、HEAT GARAGEにも出演。彼女たちはこのTIFの3日間、グランドオープニングをはじめ、あらゆるステージに登場していたが、まったく疲れを感じさせないステージングで盛り上げていた。ちなみに今回のTIFでほぼ全てのステージで使われていたライブ前の呼び込みSEのなかで、「TOKYO IDOL FESTIVAL 2025! supported by にしたんクリニック!」「ネクストアイドル!ショータイム!」というセリフを言っていたのは、なにを隠そうラフ×ラフのメンバーであり、今年のPR大使を務めた日比野芽奈。日比野の活躍が今年の大成功につながったといっても過言ではないだろう。
次の出番はFES☆TIVE。昨今のあらゆるアイドルフェスで、どの出番でも大きな盛り上がりを作り上げる“フェス巧者”である彼女たち。この日の熱量も凄まじく、ライブを見ていると、なぜ彼女たちがこの熱狂を生むのか、納得させられた。そしてHEAT GARAGEをさらに熱く盛り上げたのはPIGGS。“Fleeting”や“NAKED BORN NAKED DIE”など強烈なロック・サウンドで、フロアをフルスロットルでぶち上げる。なお、PIGGSのメンバー兼プロデューサーのプー・ルイは、11月のクラブチッタ公演での脱退を発表しており、この日がPIGGSとして最後のTIF出演となった。ラストに歌ったのは、グループにとって大切な曲“PIGGS-モナ・リザ-”。「破れて 穢れて 灰になって それでも!」と叫ぶプー・ルイの歌声が、いつまでも心に響いていた。
そして夜も深まる頃、HOT STAGEに登場したのは、指原莉乃プロデュースのグループ≒JOY、≠ME、=LOVEの3組。1番手の≒JOYは“ブルーハワイレモン”で爽やかに夏を演出し、“体育館ディスコ”、“超孤独ライオン”でオーディエンスを爆発させる。ラストの“初恋シンデレラ”まで、フレッシュな輝きを届けた。続く≠MEは“秘密インシデント”でスタートし、“君はこの夏、恋をする”、“クルクルかき氷”と夏曲を連発。“ラストチャンス、ラストダンス”のあとに披露したのは、「TIF2019」のデビューライブでも歌ったグループのはじまりの曲「≠ME」。夏の夜空に、エモーショナルな想いが広がっていた。
HOT STAGEの大トリを務めたのは、いまや多くのアイドルの憧れとなっている=LOVE。“探せ ダイヤモンドリリー”で始まったパフォーマンスは、“スタート!”、“仲直りシュークリーム”などキラー・チューンを連発。“夏祭り恋慕う”、“ナツマトペ”と夏曲を続けたあとは、現在大ヒット中の“とくべチュ、して”を披露。集まったオーディエンス全員をメロメロにしていた。8年前、このTIFでデビューライブを行った=LOVE。この日の大トリは、これまでの努力の積み重ねが導いたもの。きっとあの日とはまったく違う景色が見えていたはずだ。
そして長きにわたるTIFも「グランドフィナーレ」へ。このステージではまず、=LOVE、≠ME、≒JOYの3組が登場し、全員でイコノイジョイの「トリプルデート」を歌唱。「未来への希望」と「絆」を打ち出すと、HOT STAGEはあたたかな空気に包まれた。ここから「アイドルが選んだTIFスペシャルメドレー」のコーナーへ。これは開催15周年を記念し、TIFで見たい“推し曲”を出演アイドルから募集し、スペシャルメドレーとして披露するというもの。
まず1曲目は、FES★TIVEの「OIDEMASE!!~極楽~」。ここでは、現メンバーに加え、卒業した近藤沙瑛子(#ババババンビ)、水瀬ぴあ(のんふぃく!) も参加。総勢10名でのスペシャルなパフォーマンスにオーディエンスも沸く。メドレーはさらに、Task have Funのキラー・チューン「3WD」、JamsCollectionとなみだ色の消しごむのコラボによる「青いペディキュア」へと展開。さらに今年解散を発表している東京女子流の「おんなじキモチ」が気持ちをグッと高めたあとは、続くLumiUnionが、ももいろクローバーZの「走れ!」をカバー。アイドルに長く愛されてきた曲たちがエモーショナルに心を掴んでいた。
メドレーはさらに、#ババババンビの岸みゆと小鳥遊るい、Appare!の藤宮めい、橋本あみ、シャルロットの一ノ瀬瑠菜、美浜結衣菜の6名が、CUTIE STREET「かわいいだけじゃだめですか?」をカバー。特大のKAWAIIをオーディエンスに届けたあとは、虹のコンキスタドールが「トライアングルドリーマー」と続き、二丁目の魁カミングアウトの日が紅、筆村栄心 WHITE SCORPIONのACO、MOMO、Palette Paradeの夏目志穂、比嘉ゆめの、RiNCENT♯の加山三稀、森本栞菜、ラフ×ラフの佐々木楓菜、永松波留、#2i2の奥ゆい、森嶋あんりが大集合して、AKB48の「大声ダイヤモンド」を熱唱。さらにAppare!が「キミだけのワンダーランド」を届けると、このTIFを彩った名曲たちがお台場に響いた。
続いては、高嶺のなでしことタイトル未定のコラボで「美しく生きろ」を熱唱すると、NEO JAPONISMが「幸せなんだ」へと続く。と、ここでスペシャルゲストとして、元BiSHのハシヤスメ・アツコが、CiONの栞音、ジエメイの黎ワナ、眠目り汰、Ma’Scar Pieceの多々良ゆら、#2i2の十味と共にステージへ。「BiSH-星が瞬く夜に」を2回連続でパフォーマンスし、BiSH魂を届けた。ゲストのステージはつづいて、元26時のマスカレイドの江嶋 綾恵梨が登場。ニジマスの後輩グループのPeel the Appleとともに「ハートサングラス」を熱唱。会場のモニターには、2022年にニジマスがスマイルガーデンに出演したときの映像が流れており、TIFの歴史とエモーショナルさを感じさせる演出となった。
グランドフィナーレもいよいよクライマックス。「アイドルが選んだTIFスペシャルメドレー」で得票数1位に選ばれたのは、=LOVEの「絶対アイドル辞めないで」。究極の推し活ソングとしても知られるこの名曲が、アイドルたちに愛されているということは実はとても大きなことなのではないだろうか。
全てのアイドルがキラキラとした輝きに包まれるなか、「TOKYO IDOL FESTIVAL 2025」は終演を迎えた。個人的には、多くのアイドルが「また来年もここで会いましょう」と言っていたのが印象に残っている。15周年という節目を迎え、アイドルシーンに重要な存在となっているTIF。まだまだ絶対TIF辞めないで。そう思うのだった。
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