モーガン・ウォーレン/ケンドリック・ラマー&シザ、ルミネイト2025年上半期ランキングを制す
2025年上半期にアメリカにおいて、モーガン・ウォーレンの『アイム・ザ・プロブレム』が最も人気のあるアルバムとなり、ケンドリック・ラマーとシザの「Luther」が最も多くストリーミングされた楽曲(オンデマンド・オーディオ・ストリーミング再生回数による)であったことが、データ追跡会社ルミネイトの調査で明らかになった。
2025年1月3日から7月3日までの集計期間中、ウォーレンが5月16日にリリースした『アイム・ザ・プロブレム』は、256.2万イクイヴァレント・アルバム・ユニットを獲得した。なお、ウォーレンの2023年アルバム『ワン・シング・アット・ア・タイム』および2021年アルバム『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』は、それぞれルミネイトの2023年と2021年において最も人気のあったアルバムとして位置付けられている。
オンデマンド・オーディオ・ストリーミング(UGCを含む)において最もストリーミングされた楽曲は、ケンドリック・ラマーとシザの「Luther」で、今年前半の6か月で5.304億回の再生を記録した。
イクィヴァレント・アルバム・ユニットとは、通常のアルバム販売、トラック・イクィヴァレント・アルバム(TEA)、ストリーミング・イクィヴァレント・アルバム(SEA)を合算した単位で、1ユニットはアルバム1枚販売分、もしくはアルバムから10曲の販売分、またはアルバム収録曲の公式ストリーミング(広告付きオンデマンド・オーディオ/ビデオ3,750回=1ユニット、有料/サブスク・オンデマンド・オーディオ1,250回=1ユニット)などを基に換算される。
この記事で紹介しているアルバムのイクィヴァレント・アルバム・ユニット、そしてアルバム・ランキングには、UGCストリーミングは含まれていない。UGCストリーミングはルミネイトの業界全体のストリーミング再生数とミッドイヤー・ソング・ランキングには含まれているが、米ビルボードの週間チャートには反映されない。
なお、イクィヴァレント・アルバム・ユニットにはラジオおよびデジタル・ラジオの視聴は含まれておらず、すべての数値はアメリカ国内のもので、プログラム型ストリーミングは含まれていない。
ルミネイトは1991年に音楽消費の追跡を開始し、そのデータは米ビルボードの週間チャートにも使用されている。
『アイム・ザ・プロブレム』が上半期で獲得した256.2万ユニットの内訳について、SEAユニットが232.6万で、アルバム収録曲が公式オンデマンド・オーディオおよびビデオ・ストリーミングで30.6億回再生されたことに相当する。また、アルバム・セールスは21.1万ユニットで、TEAユニットは2.5万ユニットとなっている。
ルミネイトによると、2025年上半期にアメリカで最も人気を集めたアルバムのトップ5は、モーガン・ウォーレン『アイム・ザ・プロブレム』、シザが2022年12月にリリースした『SOS』(171.1万ユニット、2024年12月にリリースされたデラックス盤『SOSデラックス:ラナ』を含む)、ケンドリック・ラマーが2024年にリリースした『GNX』(170.6万ユニット)、バッド・バニーが2025年にリリースした『DeBI TiRAR MaS FOToS』(165万ユニット)、サブリナ・カーペンターが2024年にリリースした『ショート・アンド・スウィート』(133.1万ユニット)となる。『ショート・アンド・スウィート』と『SOS』は、ルミネイトの2024年イヤーエンド・レポートでもそれぞれ年間3位、4位にランクインしている。
◎2025年上半期アメリカ・アルバム・トップ10(イクィヴァレント・アルバム・ユニット順)
1位『アイム・ザ・プロブレム』モーガン・ウォーレン(256.2万ユニット)
2位『SOS』シザ(171.1万)
3位『GNX』ケンドリック・ラマー(170.6万)
4位『DeBI TiRAR MaS FOToS』バッド・バニー(165.0万)
5位『ショート・アンド・スウィート』サブリナ・カーペンター(133.1万)
6位『ハリー・アップ・トゥモロウ』ザ・ウィークエンド(122.9万)
7位『$ome $exy $ongs 4 U』パーティネクストドア&ドレイク(122.9万)
8位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォーレン(109.9万)
9位『メイへム』レディー・ガガ(96.6万)
10位『ミュージック』プレイボーイ・カルティ(94.9万)
◎2025年上半期アメリカ・アルバム・セールス・トップ10(フィジカルとデジタル・ダウンロードの合計)
1位『ハリー・アップ・トゥモロウ』ザ・ウィークエンド(49.5万)
2位『GNX』ケンドリック・ラマー(32.6万)
3位『ショート・アンド・スウィート』サブリナ・カーペンター(27.5万)
4位『メイへム』レディー・ガガ(23.8万)
5位『アイム・ザ・プロブレム』モーガン・ウォーレン(21.1万)
6位『ラヴァー:ライブ・フロム・パリ』テイラー・スウィフト(20.6万)
7位『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』チャペル・ローン(18万)
8位『HOP』Stray Kids(14.9万)
9位『DESIRE : UNLEASH』ENHYPEN(14.5万)
10位『ウィキッド ふたりの魔女 オリジナル・サウンドトラック』シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ&ヴァリアス・アーティスト(13.4万)
◎2025年上半期アメリカ・アナログ・アルバム・セールス・トップ10
1位『GNX』ケンドリック・ラマー(22.6万)
2位『ショート・アンド・スウィート』サブリナ・カーペンター(16.9万)
3位『ラヴァー:ライブ・フロム・パリ』テイラー・スウィフト(16.4万)
4位『ハリー・アップ・トゥモロウ』ザ・ウィークエンド(14.4万)
5位『メイへム』レディー・ガガ(12.2万)
6位『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』チャペル・ローン(10.5万)
7位『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』ビリー・アイリッシュ(9.2万)
8位『イゴール』タイラー・ザ・クリエイター(9.1万)
9位『噂』フリートウッド・マック(8.3万)
10位『ウィキッド ふたりの魔女 オリジナル・サウンドトラック』シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ&ヴァリアス・アーティスト(7.6万)
2025年上半期の合計イクィヴァレント・オーディオ・アルバム・ユニット数は、前年同期比3.9%増(5.589億ユニット)となった(2024年の同期間、すなわち2023年12月29日~2024年6月27日は5.379億ユニット)。なお、オンデマンド・ビデオ・ストリーミングは、ルミネイトが報告内で「2024年1月にプロバイダー報告方法の変更があり、楽曲以外のUGCカテゴリーに影響を与えたため、ビデオのトレンド分析が不可能である」と述べており、この前年比較から除外されている。
アメリカにおける総アルバム販売数(フィジカルとデジタル・ダウンロードといった従来型の購入)は、2024年前半の4,360万ユニットと比べて6%減の4,100万ユニットとなった。フィジカル・アルバム販売(レコード、CD、カセットなど)は3.2%減の3,420万ユニット(前年同時期は3,530万ユニット)、デジタル・アルバムの購入(iTunes Storeや同様のダウンロード・ストアなどからのもの)は17.7%減の680万ユニット(前年同時期は830万ユニット)となった。
ルミネイトは、注目すべき点として、もしテイラー・スウィフトのアルバムを前年比較から除外すれば、アメリカの総アルバム販売数およびフィジカル販売数は前年比で増加していたと指摘している。スウィフトは2024年前半にアルバム『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』をリリースし、同時期に行われていた【The Eras Tour】の影響で彼女の全カタログの売上も非常に高かった。スウィフトのアルバムを計算から除いた場合、米国のアルバム販売は2025年前半で1.9%増(4,020万ユニット)、フィジカル販売は5.5%増(3,170万ユニット)となっていた。
ルミネイトはまた、独立系小売業者のフィジカル販売に関してのトレンド変更についても言及している。2025年のミッドイヤー・ミュージック・レポートでは「米国の独立系小売店でのフィジカル販売はモデル化されたデータを使用している。ルミネイトは2024年に独立系小売販売の報告方法を更新した。このレポートでは、ルミネイトの次世代プラットフォーム「CONNECT」のモデル化データが、2024年前半に使用されていた「Music Connect」の非モデル化データに代わって使用されている」としている。
楽曲について、ラマーとシザによる「Luther」は、2025年前半に米国で最もオンデマンド・オーディオ・ストリーミング再生された楽曲となり、その再生数は5.304億回にのぼった。また、上半期時点での米国の総オンデマンド・オーディオ・ストリーミング再生回数は前年比で4.6%増加した(6658億回→6966億回)。
また、UGCストリーミングは、上記ルミネイトのオンデマンド・ストリーミング総数や下記ミッドイヤー楽曲ランキングには含まれているが、米ビルボードの週間チャートには含まれていない。
なお、以下のランキングに含まれる各楽曲は、すべてのリミックス版を合算した総数となっている。
◎2025年上半期アメリカ・ストリーミング・ソングス・トップ10(オンデマンド・オーディオ・ストリーミング再生回数順)
1位「Luther」ケンドリック・ラマー&シザ(5.304億回)
2位「Die With a Smile」レディー・ガガ&ブルーノ・マーズ(4.214億回)
3位「tv off (feat. lefty gunplay)」ケンドリック・ラマー(3.704億回)
4位「Not Like Us」ケンドリック・ラマー(3.68億回)
5位「NOKIA」ドレイク(3.263億回)
6位「I’m the Problem」モーガン・ウォーレン(3.263億回)
7位「Lose Control」テディ・スウィムズ(3.209億回)
8位「A Bar Song (Tipsy)」シャブージー(3.196億回)
9位「Ordinary」アレックス・ウォーレン(3.193億回)
10位「BIRDS OF A FEATHER」ビリー・アイリッシュ(3.191億回)
2025年上半期にアメリカにおいて、ラジオで最も多く聴かれた楽曲は、レディー・ガガとブルーノ・マーズによる「Die With a Smile」で、すべてのフォーマットにおける累積オーディエンス・インプレッションは17.62億回に達した。
◎2025年上半期アメリカ・ラジオ・ソングス・トップ10(オーディエンス・インプレッション順)
1位「Die With a Smile」レディー・ガガ&ブルーノ・マーズ(17.62億回)
2位「A Bar Song (Tipsy)」シャブージー(16.55億回)
3位「Luther」ケンドリック・ラマー&シザ(15.92億回)
4位「Stargazing」マイルズ・スミス(13.91億回)
5位「Espresso」サブリナ・カーペンター(13.72億回)
6位「BIRDS OF A FEATHER」ビリー・アイリッシュ(12.73億回)
7位「Lose Control」テディ・スウィムズ((11.7億回)
8位「Beautiful Things」ベンソン・ブーン(11.64億回)
9位「Love Somebody」モーガン・ウォーレン(11.12億回)
10位「APT.」ロゼ&ブルーノ・マーズ(11.1億回)
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