【(((サウンド)))トラック野郎 試聴室】第1回 ニーノ・ロータあっての『ゴッドファーザー』の世界

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今回は、『ゴッドファーザー』(原題『The Godfather』)のサントラ『The Godfather (Original Soundtrack Recording)』を聴いてみました。

いわずとしれたフランシス・フォード・コッポラ監督の代表作にして不朽の名作、『ゴッドファーザー』。イタリア系マフィア「コルレオーネ・ファミリー」の人々を主人公に、家族の絆と葛藤を時代の変遷と共に描いた壮大な物語です。

3部作に渡りそれぞれの物語を彩るのが、イタリアの作曲家ニーノ・ロータによる音楽。このサントラはその1作目の劇伴曲を聴くことができます。冒頭、悲し気な旋律の「The Godfather Waltz (Main Title)」が流れ、“MARIO PUZO ‘s The Godfather” とタイトルが表示されると漆黒な画面から「I Believe in America」とのセリフと共に仄暗い灯りの中で映し出される、葬儀屋ボナセーラの顔。あまりにも有名なこのオープニングシーンを繰り返し見るうちに、曲と共にボナセーラの顔が浮かんでくるようになってしまうのも、致し方ありません。

そして、今作で最も知られている曲が「Love Theme From “The Godfather”」(「ゴッドファーザー 愛のテーマ」)です。物語の中盤でも登場する曲ですが、なんといってもたまらないのが、映画史上に残る名ラストシーンを経て「The Godfather Finale」でフィーチャーされる、マンドリンで奏でられるこれ以上ない哀愁漂うメロディ。何度観て聴いてもほれぼれしてしまいます。まさに、ニーノ・ロータの音楽が『ゴッドファーザー』の印象を決定づけていると言えるでしょう。

ちなみに「愛のテーマ」はTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTが登場SEに使っていたことでも知られているので、ライブのステージが浮かぶ人もいるのではないでしょうか。

そういえば最近、話題の映画『国宝』を観てきました。任侠の家に生まれた主人公の男が、歌舞伎役者として芸道に身を捧げた激動の人生を描いた人間ドラマです。そして、同時期に公開されているのが、フランシス・フォード・コッポラ監督14年ぶりの新作『メガロポリス』。2つの大作を繋ぐもの。なるほど、どうして今『ゴッドファーザー』を観てサントラを聴きたくなったのか、自分の中でよくわかった次第です。

文:岡本貴之

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