【東京都江東区】谷川俊太郎の詩、音楽とともに世界の夜を旅するプラネタリウム作品「夜はやさしい」再上映
日本科学未来館は、谷川俊太郎さんが自ら手がけた唯一のプラネタリウム作品「夜はやさしい」を、7月2日(水)~12月27日(土)まで再上映する。
オリジナルの詩に包まれながら、世界の夜空をめぐることができそうだ。
2009年から約7年間上映
「夜はやさしい」は谷川さん原案のプラネタリウム作品として、2009年から約7年間にわたり未来館で上映していたもので、地球上のさまざまな地域から見える星空と、その土地で聞こえる音、そして各地の夜をうたう詩のことばを通して、地球の広がりとその中にいる自分の存在を改めて感じられる作品。
谷川さんが同作のためにまとめた書き下ろしを含む自選の詩を、俳優・麻生久美子さんの透明感のある朗読で味わうことができる。
世界の6つの地域の夜空

Tender is the Night MAP
「夜はやさしい」では、アジア・ヨーロッパ・アフリカ・南アメリカ・北アメリカ・オーストラリアの世界の6つの地域のある夜の様子を、プラネタリウム投影機「MEGASTAR-Ⅱ cosmos (メガスターツー コスモス)」によるリアルな星空と、フィールドレコーディングで収録された各地のリアルな環境音で再現している。
各地の夜空がドームスクリーンに映し出され、あたかもその夜にその場所にいるかのような音場が観客を包み込む。谷川さん書下ろしを含む自選の詩に導かれながら、世界の夜を旅していく。
あたかもその夜、その場にいるような感覚を通して、人々が星の下でさまざまな思いをめぐらせてきた“夜”という時間をとらえ直し、地球と宇宙の広がり、そしてその中にいる自分の存在を改めて感じられるプラネタリウム作品だ。
谷川さん自らが提案

谷川俊太郎さん(撮影:深堀瑞穂)
谷川さんと未来館の映像作品との関わりは、2005年公開のプラネタリウム作品「暗やみの色」に始まるとのこと。
ダークマターなど宇宙の「見えないものに目を凝らす」ことをコンセプトとしたこの作品に、書き下ろしの詩「闇は光の母」を寄せてくれた。
その後、あたかもその夜その場所にいるかのような、世界の夜を音と詩でつなぐプラネタリウム作品を作りたい、と谷川さんから提案があり、自ら構成や演出にも深く関わり「夜はやさしい」が完成した。
作品では、ヨーロッパ、アフリカ、南米など世界6カ所の「夜」を旅していく。それぞれの場所で、大自然や人々の喧噪、音楽や生きものたちの鳴き声など、バラエティに富んだ環境音が星空を彩る。
各地をつないでいくのは谷川さんの詩。名作「朝のリレー」を彷彿とさせる、各地をつなぐ“夜のコラージュ”ともいうべき作品だ。
2009年公開時に制作したリーフレットに、谷川さんは「見て聴く夜」というタイトルで、以下のコメントを寄せている。
「少年時代に見たプラネタリウムは東京の夕暮のスカイラインから始まったのですが、そのとき流れるのがバッハの『G線上のアリア』、音楽とともに空がだんだん暗くなって星が輝き始める、それが私の宇宙を感じる原体験のひとつになっています。
青空の下で聞く物音や音楽と、星空の下で聞くそれとでは、ずいぶん大きな違いがあるように思います。少年時の感動を再現したいという個人的動機からスタートして、このプログラムは夜の視覚空間と聴覚空間のいわば詩を媒介にした化合…を目指します」
鑑賞にあたっては事前予約が必要だ。予約は6月25日(水)から「未来館オンラインチケットサイト」で受け付ける。
初公開から16年の時を経ても色あせない、子供から大人までいつまでも深く心に残る、まるで一篇の詩のような、貴重なプラネタリウム体験ができるのではないだろうか。
■プラネタリウム作品「夜はやさしい」開催概要
スケジュール:7月2日(水)~12月27日(土)/1日1回16:20から上映(本編約25分)
休館日:火曜日(ただし、祝日や春夏冬休み期間などは開館の場合あり)、年末年始(12月28日~1月1日)
料金:常設展+ドームシアター 大人940円、18歳以下310円、未就学児100円
上映会場:6階 ドームシアター
日本科学未来館(東京都江東区青海2-3-6)
URL:https://www.miraikan.jst.go.jp
未来館オンラインチケットサイト:https://www.miraikan.jst.go.jp/visit/booking
(鈴木 京)
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