子育てと仕事を両立する選択肢。「ママニティヨガ®」がつなぐキャリアと家庭

妊婦中や産後のママなど、運動する時間を確保しづらい女性でも実践できる「ママニティヨガ®」を開発し、高い支持を得ている株式会社mamamaison&Co.。代表を務める高橋千代氏は、ママニティヨガ®のインストラクター養成講座をオンラインで展開し、子育て中の女性が自宅にいながらスキルを身につけ、活躍できる環境づくりに尽力している。
会社員からヨガインストラクターへ転身、妊娠で味わった挫折

岡山県で会社員として働いていた高橋氏は、ストレス発散のために通っていたヨガスタジオでヨガの魅力にのめり込み、ついには運営会社からインストラクターとしてスカウトされる。もともと関心のあった分野だけに、転身後はわずか1年で新店オープンの責任者に抜擢された。
「ただのヨガの先生というだけでなく、役職をいただけたことで目標を達成する喜びに目覚め、どんどん仕事にはまっていきました」と語るように、スピード出世を果たした高橋氏。しかし、結婚を経て25歳で妊娠すると状況は一変する。母体の安全やつわりの影響で思うように働けなくなり、想像以上の批判を受けたことで精神的に疲弊し、スタジオを自主退職した。
天職と思っていた仕事を失い、妊娠中でもできる仕事を探すが、アルバイトの面接ではたびたび不採用に。社会の妊婦に対する厳しい現実を痛感した。その後、派遣スタッフとしてアパレル店員や塾の非常勤講師を掛け持ちするが、「自分には履歴書に書ける武器が何もない」と焦り、将来を真剣に考えるようになる。そして、再びヨガに対する情熱が再燃し、解剖学をはじめ、自分にとって必要と感じた資格の取得に乗り出した。その数は実に18種類。高橋氏は、自らのヨガのキャリアと資格を活かす方法を模索し、未来への道を切り拓いていった。
ヨガを仕事にするため法人を設立、オンラインレッスンに見いだした可能性

起業を決意した高橋氏は、Instagramのストーリーで「ママや妊婦を対象にしたヨガインストラクター養成講座」というアイデアを発表。すると、すぐに問い合わせが殺到し、特に妊娠を機にキャリアを失った女性からの共感が大きかった。「これは私の使命だ」と感じた彼女は、出産から2カ月後の2022年11月に株式会社mamamaison&Co.を設立した。
ヨガインストラクターの養成講座は、YouTubeやLINE通話を活用し、自宅で受講できるスタイルを確立。最初の受講生はスイス在住の日本人女性で、「オンライン環境さえあれば、世界中どこからでも受講できる!」と手応えを感じたという。現在では約400人が受講し、多くの卒業生がインストラクターとして活躍している。
また、ママたちが働きたくても家族の反対で難しいケースが多いことに着目。キッズヨガやベビーヨガなど、14日間で7つの資格を取得できる仕組みを作り、「子どもと一緒にいることが仕事になる」と打ち出すことで、家族の理解を得やすくした。さらに、講座修了後にスムーズに独立できるよう、SNS運用や動画編集を含めた起業ノウハウを提供。多くのママたちが、新しいキャリアを築くためのサポートを受けられる環境を整えている。
イベント開催から福祉施設の設立まで。ヨガでママと子どもを支える

今後の株式会社mamamaison&Co.について、高橋氏は「ママニティヨガ®インストラクター」をさらに広めるため、書籍化など動画以外の手法も模索している。一方で、「ママニティヨガ®インストラクターが普及するのは良いことですが、技術がないままインストラクターになると、お客様にケガをさせてしまうリスクもあります。手軽に受講できるだけでなく、安全性にも配慮している点をメディアで発信していきたい」と展望を語る。
現在、彼女はママたちが集うヨガイベントを定期的に開催しており、今後は全国主要都市での開催も検討中。また、受講生から「本来の自分を取り戻せた」という声が寄せられることで、ママたちが自信を持って働ける環境づくりの重要性を実感。インストラクターのインフルエンサー化も視野に入れている。
さらに、「さまざまな事情で親と暮らせない子どもたちが将来の仕事に困らないよう、ヨガインストラクターの技術と資格が得られる児童福祉施設を作りたい」と夢を語る。
ママたちがいきいきと働くための支援と、未来を担う子どもたちへの社会貢献。大きな挫折を乗り越え設立された株式会社mamamaison&Co.は、さらに多くの人々に希望を届ける場として成長を続けていくだろう。


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