「Tencent Cloud Day Japan 2025」メディアインタビューレポート、中東や大阪リージョンローンチでシェア拡大を目指す
2025年4月15日(火)に「Tencent Cloud Day Japan 2025」が開催された。
同イベントはグローバルテクノロジー企業のテンセントが運営するクラウド事業「Tencent Cloud(以下、テンセントクラウド)」を中心に、各業界のリーダーが参加して議論を交わす1年に1度のカンファレンス。
本記事ではメディアインタビューの様子を中心にレポートする。
Bluefin Zhao氏とHanson Liu氏にインタビュー

IBMでシニアエンジニアとして深いエンジニアリングの知識と経験を身につけ、ハチソン・ワンポアでは営業部長として豊富なビジネス経験を積む。
2016年のテンセント入社後はアジア太平洋地域チームを率いてクラウドコンピューティング業界の事業運営と拡大に尽力している。

2007年には百度(バイドゥ)日本法人の創業メンバーとして東京オフィスを立ち上げるなど日本における主要テクノロジー企業の設立と拡大に寄与。
2021年にはテンセントクラウドのシニア特別顧問に就任し、現在はカントリーマネージャーとして日本国内業務の監督と拡大に向けて主導している。
Q. 日本国内3拠点目のデータセンター開設も発表されたが、現在のテンセントクラウドの利用例は?
Hanson Liu氏: シェアでいうと約95%が日本からのクライアント様です。
AIのハブやソーシャルゲーム用途が多いかと思います。
特にエンターテインメント領域ですね、ゲームや配信といった分野が半分ほど占めている現状です。
一方で中国向けのビジネスも一定数ありますし、昨年からは金融や小売分野に関しても大きな成長率を見せています。
大阪のデータセンターに関しては日本の基礎インフラやBCP(事業継続計画)対策といった観点から建設を決定したものです。
異なるリージョン、異なるAZ(アベイラビリティゾーン)といったニーズを満たすという意味でも大阪データセンターの存在意義はあるのかなと思います
Bluefin Zhao氏: テンセントは中国生まれの企業なので、(中国から)海外に進出する中国企業に協力するというのは自然な流れです。
一方で、実は私たちと(海外進出した)中国企業との繋がりは割合でいうと比較的下がっている状況でもあります。
日本地域は日本企業というように、大多数は海外現地の企業のためにサービスを提供しているのが実情です。
その証拠として「Tencent Cloud Day Japan 2025」では多数の企業に参加やプレゼンテーションを行っていただいており、それらを聞けば、私たちがいかに日本向けのビジネスを展開しているかがお分かりいただけると思います。

Q. 日本でクラウド事業の拡大を目指すテンセントクラウドの武器は何か
Hanson Liu氏: 「お客様に寄り添うクラウド」という点は自称させていただいております。
一緒に徹夜作業やマイグレーション作業をするといったこともコツコツ行ってきました。
サービス展開のサポートに関しては手厚く行っていまして、お客様の信頼を大いに得られてきたポイントなのかなと思っています。
また、人材不足やシステムの老朽化といった問題を解決するためのソリューションも多く開発・提供させていただいております。
円安や人件費高騰といった事業経営における問題に対してもテンセントクラウドはコストパフォーマンスの高いサービスとなっているのではないかと思います。
Q. テンセントにおけるクラウド事業の重要性は?
Bluefin Zhao氏: クラウド事業はテンセントのポートフォリオの中でも極めて重要で、私たちはこれを戦略的なビジネスだと思っています。
アジア太平洋地域の中で最も時価総額の高い企業の1つがテンセントです。
しかし、テンセントは物理的な生産ラインや実物としての工場を全く持っておらず、全ての製品はデジタルです。
例えるならば全ての業務や製品が0と1で動いているわけで、それらを支えているのがまさしくテンセントクラウドです。

Q. クラウドサービスといえばアメリカ系が強いなかで、日本におけるテンセントクラウドのビジョンは何か
Bluefin Zhao氏: 少なくとも“オリエンタルクラウド”の中ではナンバーワンを目指したいと思っています。
日本市場にとってはテンセントクラウドは後発組にあたります。
なので、例えば膨大なゲーム事業を生かしたモジュールの提供など私たちらしい強み・特徴を加えていくことが独自性に繋がるのだと思っています。
また、これはテンセントの経営理念にも関わってくるのですが、私たちはビジネスを行うとき「パートナーと“とも”に成長する」ということを掲げています。
ただサービスを提供するだけでなく、各企業の強みや業界の特色を生かしたより良いソリューションをパートナーの皆さまと一緒に作り上げていく。
それがテンセントクラウドの強みにも直結します。
Q. 今後のデータセンターの拡充予定は?
Hanson Liu氏: 業績ベースで見たうえで、非常にチャレンジングな目標設定で大阪データセンターを建設させていただきました。
今後も業績推移によってはさらに増やしていくことは考えられます。
また、最近ではサウジアラビアに中東初のデータセンター建設も発表させていただきましたので、大体の投資規模もお分かりいただけると思います。
ブース体験や各社による講演で情報交換が図られた

「Tencent Cloud Day Japan 2025」にはYouTuberでインフルエンサーの藤井四段(@MTNRFG)も参加。

オンラインクレーンゲームの利用例などが紹介された。

さらに・・・
「Opening Speech」Dowson Tong氏(Tencent)
「Keynote Speaking」Hanson Liu氏(Tencent Cloud Japan)
「生成AIが変える検索の未来!」湯 勁松氏(Sparticle株式会社)
「Tencent AI技術を用いたーAIプロダクト」野呂 健太氏(株式会社ベクトル)
「インバウンドにおけるTabelogの取組 〜Tencent Cloudとのパートナーシップが拓く可能性〜」鴻池 拓氏(株式会社カカクコム)
「Tencent Real-Time Communicationを用いたライブ配信アプリの構築」人西 聖樹氏(ColorSing株式会社)
「【Fireside Chat】AI革新とグローバル戦略で進化する日本のゲーム産業」宮本 貴志氏(株式会社コロプラ)、Poshu Yeung氏(Tencent)
「ゼロから100へ:クラウドがゲームの未来を拓く」横須賀 将城氏(株式会社KMS)
「Aimingにおける Tencent Cloud レビュー」野下 洋氏(株式会社 Aiming)
「テンセントクラウドが支える金融セキュリティ:クラウドソリューションの実践」Jaden Li氏(Tencent Cloud)
「テンセントクラウドが金融業界のイノベーションと変革を支援」David Yang氏(Tencent Cloud)
・・・というように各社が各テーマについて基調講演を行い、約2時間にわたってテンセントクラウドを絡めた業界最前線の事例などが紹介された。
21リージョンに展開するテンセントクラウド – Saiga NAK
21リージョン56AZを展開するテンセントクラウド。
2025年中には中東リージョンが、2026年には大阪リージョンのローンチが予定されている。
At #TencentCloudDay Japan 2025, we celebrated our commitment to Japan’s digital growth with over 230 guests, including leaders from COLOPL, Tabelog, Aiming, KMS, Vector & ColorSing. We announced a new Cloud Region in #Osaka, which marks our third availability zone in Japan. This…pic.twitter.com/uJ09h9Q9Mo
— Tencent Cloud (@tencentcloud) April 17, 2025
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