Netflixシリーズ「ムーンライズ」小林千晃&アイナ・ジ・エンド インタビュー「ダイナミックでありながら、親近感を感じるSF作品」

Netflixシリーズ「ムーンライズ」が世界独占配信中です。小説家・脚本家の冲方丁(「天地明察」/「蒼穹のファフナー」「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズ構成・脚本)が原作、漫画家の荒川弘(「鋼の錬金術師」「銀の匙 Silver Spoon」)がキャラクター原案、WIT STUDIO(「王様ランキング」「SPY×FAMILY」)がアニメーション制作を手がける完全新作SFアニメーション。平和に暮らす“地球の住民”と、地球からの解放を企てる“月のレジスタンス”の宇宙規模の壮大な戦いが開幕する――。
主人公のジャック役声優の小林千晃さんと、月の民マリーを演じたアイナ・ジ・エンドさんに、作品の魅力や収録の印象などお話を伺いました。

――壮大なSF作品かつ、キャラクターが魅力的な人間ドラマになっていますね。最初にプロットやストーリーを読んだ時にどの様な感想を抱きましたか?
小林:オリジナルストーリーなので、台本の中からでしか情報は得ていませんが、少し読んだだけでも興味を惹かれるし、完成したらすごいことになりそうだなと感じました。序盤に少しだけ映像が完成している部分があって、それを観るだけで感動がすごかったです。冲方さん、肥塚さん、荒川さんという、以前より存じ上げていた素晴らしいクリエイターの皆さんとご一緒出来ることにワクワクしました。
アイナ:私はマリー役と、主題歌『大丈夫』を手掛けさせていただいているのですが、月と地球の関係をそこまで深く考えたことがこれまでなかったので、この関係を音にするならどんな音だろう、とかプロットをめっちゃ読んで考えました。想像が膨らむばかりで、楽しみで仕方が無かったです。
――元々SF作品はお好きでしたか?
小林:僕は映画が好きなので、SF作品に限らず色々と観ているのですが、SFに関して言うと、スター・ウォーズとかスタートレックとかメジャーなシリーズも好きです。なので「ムーンライズ」の設定もある意味すんなり入ってきて。月と地球との対立がどうして生まれてしまったのか、地球はどうして月に対して植民地の様な対応をしていたのか、そういったストーリー部分は理解しやすかったです。ただ、この作品ならではの固有名詞がたくさん出てくるので、それを理解することが難しかったです。
アイナ:私も映画のSF作品が好きなので、「ムーンライズ」の設定にも惹かれました。一方で、緊張感のあるシーンの中にも、「ムーンライズ」にはちょっと恋愛っぽい描写があったり、身の回りで起こりそうな出来事も描かれているので、すごく親近感を感じて。
――映像もすごくカッコ良いですよね。
小林:肥塚さんが『進撃の巨人』に携わっているので、スピーディーで臨場感のある演出がカッコ良いですよね。アニメ作品でSFというジャンルを選ぶと、制作コストが大きくなると思うんです。日常会話のシーンでは、背景を動かす必要が少ないですが、SFって後ろでもたくさんのものが動いている。隅々までこだわっていて、肥塚さんをはじめとするスタッフの皆さんがSF作品と相性の良い方ばかりなのだなと感じていました。
アイナ:完成した作品を観て、全てにビックリしました。オープニング映像から凄すぎるし、きめが細かいというか、細部までこだわっていて繊細なのに大迫力で。私は映像が完成していない状態でアフレコをすることが初めてだったので、線だけを見て、お芝居が出来る声優さん大尊敬だなと。前に声優として参加させていただいた、映画『SING/シング: ネクストステージ』では映像が完成していて、オリジナル版の俳優さんの声も入っている状態だったので。これをいつもやられている声優さんって本当すごいです。
小林:目が点々で描かれていたり、シンプルな線の絵で判断していくので、表情の変化は想像しながら取り組むことになるんですよね。


アイナ:音響監督の三間(雅文)さんが、『SING/シング: ネクストステージ』でもご一緒した方だったので、丁寧に丁寧に教えてくださって。毎日「ムーンライズ」のことを考えるだけで不安だったのですが…。いざアフレコに行くと、本当に楽しい空気にしてくださって、あっという間に時間が過ぎていきました。三間さんがロボット好きで、私が不安にならない様にロボットを現場に連れてきて一緒に遊ばせてくれたり。焦るばかりでは無い時間を作ってくださったので、三間さんのおかげでやり遂げられました。
小林:僕も三間さんとは何回もお仕事させていただいていて、マリー役をアイナさんにお願いしたいと思った理由が、『SING/シング: ネクストステージ』で素敵だったからというお話を聞いていました。アイナさんは普段アーティストとして活躍されていて、僕も聴いていたのでご一緒出来ることが嬉しくて楽しみでした。
最初にマリーが出てくる時、ジャック視点だと敵なのか味方なのか分からない部分があるじゃないですか。でも、マリーにアイナさんの声がつくと、「嘘をつかない子なんだろうな」という信頼感が生まれて。ハスキーでカッコ良い声でありながら、親近感を持たせてくれる優しさがあって、マリーの魅力を引き出しているなと感じました。
アイナ:ありがとうございます…!小林さんをはじめ、声優の皆さんのお芝居が本当に素晴らしくて。役が目の前に生きているように感じられることがすごいですし、言葉に人間の体温が滲んでいるというか、セリフの一つ一つに小林さんの色を感じていました。

――お2人とも本当に素晴らしいお芝居で、その声の説得感が物語に深みを与えていると感じました。本作はNetflixで世界同時配信となりますが、普段Netflixでどの様なコンテンツを観ていますか?
小林:ドラマを観ることが多いです。日本の作品も海外作品も両方観ますが、どちらかというと海外の方が多いです。
アイナ:私は映画から恋愛リアリティ番組までなんでも観ます。全部観ます。
小林:仕事が終わって家に帰ってきて、ご飯を食べながら観ることが1日の楽しみになっています。シリーズものだったら、毎日1話ずつ観たり。疲れた時に1話観て、また仕事に戻ったり、良い息抜きになっています。
アイナ:少しずつ観られるのがすごいです。私は気になったらすぐ次のエピソードを再生して、イッキ見しちゃいます。
小林:「ムーンライズ」はイッキ見が良いかもしれませんね。続きも気になるし、1話30分ほどなので、イッキ見してどっぷり世界観に浸っていただくこともオススメです。
――今日は楽しいお話をありがとうございました!


撮影:たむらとも
「ムーンライズ」
Netflixシリーズ「ムーンライズ」世界独占配信中
https://www.netflix.com/title/81251383 [リンク]

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