『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』監督・制作・編集・撮影ジェイミーさんに聞く「慣れ親しんだ80年代、90年代のホラー映画の要素を突っ込んだんだ」

パドリックドメイン化した『蒸気船ウィリー』をホラー映画化し、あのミッキーが凶悪な殺人鬼と化す『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』が新宿ピカデリーほか全国公開中です。
短編アニメ『蒸気船ウィリー』(1928)でデビューしたミッキーマウス。米国における著作権保護期間が 2023年末で終了し、満を期して〝ミッキー史上初のホラー映画〟として登場。“ヤツ”が猟奇的殺人を繰り広げるスラッシャー描写、逃げ場のない密室シチュエーションからのサバイバル、そして事件の全貌が明かされていくサスペンスフルな構成。さらに誰もが仰天する大ドンデン返しや 数々のオマージュ描写など、娯楽映画としての醍醐味がギュッと凝縮した 21 世紀最大の問題作となっています。
本作の監督・制作・編集・撮影を手がけたジェイミー・ベイリーさんにお話を伺いました!

――本作とても楽しく拝見させていただきました!まずはどの様なことから企画をスタートしましたか?
2024年の1月1日に『蒸気船ウィリー』がパブリッドメインになるということで、その6ヶ月前に思いついて企画をスタートしました。その時に、キリストに関する別の作品の脚本を書いていたんですけれどそれを脇に置いて、こっちに集中しました。本作はミッキーのキャラクターを真逆にしたという感じですよね。本当の彼は家族で安心して見られるような作品のキャラクターなのに、本作では恐ろしい凶悪なキャラクターになっている。そのギャップがあればあるほど作品は作りやすかったんだ。
――ホラー映画好きにはたまらない展開の宝庫でした!
僕たちはそもそもホラー映画のファンなので、慣れ親しんだ80年代、90年代のホラー映画の要素をミッキーさんに突っ込んで、混ぜ合わせて完成!という感じでした。本作のために改めて研究をするというよりも、ホラー映画が大好きなので常に観ている感じで。妻に「またホラー映画を観ているの?」と言われたら、「これは作品作りの研究だよ」と説明していました(笑)。
――素晴らしい言い訳ですね!(笑)
分かりやすいオマージュとしては『アメリカンサイコ』(2000)があります。映画始まって15分ぐらいテレポートして、森の一軒家に行きますよね。あれは僕の家なんです。あとラストのミッキーとミニーが車を運転している部分は『ダークナイト』(2008)のオマージュだったり、『スクリーム』、『エルム街の悪夢』といったもののストーリーや視覚的な部分に影響を受けています。
――パブリックドメインとなった児童小説『クマのプーさん』をホラー映画化した『プー あくまのくまさん』という作品もありますが、刺激を受けた部分はありますか?
『プー あくまのくまさん』のアイデアは素晴らしいなと思っていました。ただ、映画の出来としてはちょっとイマイチかなというところが正直なところです。パブリッドメインになったら何でもやればいいというわけではなくて、興味深いストーリーとキャラクター造形が大事なわけですよね。強い、魅了的なキャラクターの力に乗っかれば良いのではなくて、しっかりとしたストーリーを作り、そこにキャラクターの力を足すことが必要なのだと思います。
――おっしゃる通り、本作ではしっかりとしたホラー描写が観られて嬉しかったです。
サンキュー。リソースが限られていたので、ほぼワンロケーションで撮影しました。この場所でどういう風にストーリー展開が出来るかなと考えて、「この場所でみんなが閉じ込められて殺されるのはどうだろう」とか、ロケーションありきで脚本を書き進められた所があります。本作を撮り終えた時から続編の企画はスタートしていて、もっとスケールアップした作品をお見せ出来ると思うので楽しみにしていてください。
日本が大好きなので、日本のたくさんの皆さんに楽しんでいただけたら嬉しいな!
――今日は素敵なお話をありがとうございました!
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