【京都府京都市】「アーツ&クラフツフェア 京都 2025」初開催!京都の手仕事で叶える“美しい暮らし”


京都で生まれ育ったライター、紫原が今回お届けするイベント情報は「アーツ&クラフツフェア 京都 2025」。3月22日(土)~30日(日)の期間、京都市上京区にある堀川新文化ビルヂングの2階、NEUTRAL horikawaにて開催される。

美しい手仕事と出合う、京都の春

「大量生産・大量消費のライフスタイルが浸透している現代。一方で、手仕事によるものづくりを守ろうとする動きは、昔から人々の間で巻き起こってきた。

有名な例としては「アーツ&クラフツ運動」が挙げられる。19世紀後半、産業革命に伴い機械での生産技術が向上したイギリスでは、安価な商品が大量に流通するようになった。こうした効率最優先の社会を批判し、手仕事の復興を目指したのがウィリアム・モリスだ。モリスが中心となって始めたアーツ&クラフツ運動はやがて世界中に広まり、美術や工芸、建築など多くの分野に影響を与えたとされる。

また、日本でも20世紀に柳宗悦らが「民藝運動」を提唱し、名も無い職人の手から生み出される生活道具のなかに美を見出した。国と時代は違えど、「美しい手工芸を暮らしに取り入れる」という精神は古今東西で共通しているといえるだろう。


そして今回、京都の地で生まれる上質な手仕事を紹介、販売する「アーツ&クラフツフェア 京都 2025」が初めて開催される。

フェアでは職人の技と個性が光る工芸品が一堂に会するとあって、京都の伝統産業に親しめるまたとない機会だ。大量生産品とは異なる美しい風合いを、直接体感してみてほしい。

伝統を継承して進化する作家が勢ぞろい


「アーツ&クラフツフェア 京都 2025」の参加者と出店予定作品は、以下の通り。陶芸や工芸、織物などさまざまな伝統産業のジャンルから、職人が手掛けたこだわりの逸品が集結する。より詳しい情報や作品のイメージが知りたい人は、ぜひイベント公式Instagramをチェックしてみて。

陶仙窯(とうせんがま)<陶器>@tohsen_gama
東山区泉涌寺の地で4代続く京焼・清水焼の岡山製陶所が窯元。1915年の創業以来、長年培った技術を活かして新しい表現に挑戦し、“日常生活を少しだけ豊かに”するうつわを提案する。
【出店予定作品】陶器タンブラー、大皿、銘々皿

錦の伝統織物光峯(こうほう)<錦織>
錦織とは、精緻な職人技によって生み出される豪華絢爛な絹の紋織物のこと。4代にわたって継承してきた技術をもとに、復元事業や美術品制作の他、日常使いできるものづくりを行う。
【出店予定作品】錦織がま口、錦織キーホルダー、錦織イヤリング・ピアス、錦織2WAYネックレス、錦織ボールペン、他ネクタイやマチつきポーチなど

髙木漆工<京漆器・漆塗り>@takagi.shikkou
塗師の髙木望さんが13年間の修行を経て創業した漆塗り工房で、主に飲食器や茶道具の漆塗りを手掛ける。
【出店予定作品】箸、酒器、椀、
絵本「ぞうくんのさんぽ」うるしの積み木

こよりみ(coyorimi)<水引>@coyorimi
水引ならではの色合いや風合いを気軽に楽しめるハンドメイド作品が揃う。
【出店予定作品】松飾り、梅飾り、円相松、ピアス・イヤリング、髪飾り、ヘアコーム、簪、蝶髪飾り

錺之-KAZARINO-<金属>@kazarino_kyoto
京都で約50年間、神社仏閣や仏壇の装飾金具を手がけてきた錺金具竹内が2020年に立ち上げた自社ブランド。錺金具(かざりかなぐ)の技術と経験を活かし、洗練されたデザインと実用性を兼ね備えた製品を展開する。
【出店予定作品】マネークリップ、バングル、シューホーン(靴べら)、ピアス、オーバルボックス

takenaka kinsai<金彩>@takenaka_kinsai
1973年に創業した、京友禅着物を金箔で彩る金彩工芸の工房。瑞々しくきらびやかな金彩の魅力を伝えたいという思いから、和装文化に留まらず、異分野でのものづくりに挑戦する。
【出店予定作品】財布(6色展開、各色2点)、小銭入れ(3色展開、各色2点)、キーケース(3色展開、各色2点)、金彩コースター(6入)5点、金彩コースター単品50点、金彩リフレクター50点

ほりみゆき(有限会社幸尚堂)<京扇子>@hori_miyuki_drawing
堀 美由紀さんは、50年にわたり紙製の京扇子を作り続ける幸尚堂で、扇子の上絵を担当する扇面加飾師。“和”のイメージにとらわれ過ぎず、親しみやすく優しい絵柄で普段使いできる扇子を目指す。
【出店予定作品】夏扇子(男性用:5~10点、女性用:5~10点)、 飾り扇子(数点)、ポストカード2点 ※出展するスペースにより、出展本数に変更の可能性有

十彩<陶芸>@etsuke.toiro
京焼・清水焼の上絵付で用いられる五彩や金彩といった伝統技法を、現代の生活に馴染む作品づくりに活用。
【出店予定作品】5寸皿、豆皿、抹茶盌、ネックレス、マグカップなど

小林錺金具工房<金属>@kobayashi.kazari
現在は4代目が引き継ぎ、神仏具を中心とした錺金具や金属工芸品を製作。
【出店予定作品】壁掛け彫金額、塗香入れ、舎利容器、香合

桶屋近藤<京桶・京指物>@okeyakondo
国産の良質な杉や椹などを使用することで、木目が美しく清々しい姿の作品に仕上げる。
【出店予定作品】おひつ、すしおけ、手桶、ぐいのみ

洛描工房小手鞠・小手鞠窯<陶芸>@kodemarigama
伝統的な京焼・清水焼の技法を継承しつつ、独自のデザインで使い手にぴったり合うような作品を生み出す。
【出店予定作品】陶器 抹茶茶盌5~10点、マグカップ10点前後、湯飲み他

染工房正茂<手描友禅>
手描友禅作家の上仲正茂さんが絹や綿、リネン、革といった和装以外の素材にも技術を応用し、多彩なアイテムを制作する。
【出店予定作品】手描友禅ピアス・イヤリング、バッグチャーム、シューズアクセサリー、革ペンケース、革バングル、ストール

河政印房<印章>@kawamasa_inbou
京都・御所と二条城の間、府庁前にある印章小売店(はんこ屋)。1200年の歴史を持つ京印章を次世代へつなぐために、現代に合った感性を取り入れながら1つずつ彫り上げる。
【出店予定作品】石のはんこ、角印、丸印

宮里絵美<陶芸>@emimiyasato
京焼の窯元で9年間ロクロ師として従事した後に独立。京都・西山にある工房で、京焼の技術により細かい装飾を施した陶器を作り上げる。
【出店予定作品】珈琲碗皿、花器、茶器セット、小鉢、豆皿、マグカップ、皿

中嶋象嵌<京象嵌>@nakajimazougan
嵐山に店舗を構え、1000年以上続く京都の伝統工芸のひとつである京象嵌の作品を製作販売する。

前田漆工<漆>@maedatoshi311
漆塗りの良さを伝えられるように、仏具の漆塗りで磨かれた技術を駆使し、生活雑貨や食器など個性豊かな作品づくりに注力する。
【出店予定作品】湯呑み、ぐい呑み、ビアカップ、皿

京金箔押 常若(とこわか)<箔押し>@kyokinpakutokowaka
漆箔とは、箔押しのなかでも生漆(きうるし)を接着剤として金箔を貼る手法。仏壇仏具に限らず、ファッションやインテリアなど幅広いジャンルで伝統技術を発信する。
【出店予定作品】金箔貝合わせ、関守石、金箔地蔵、金箔大黒天

京都昌幸堂<クラフトブック>
創業より受け継いできた印刷技術と京都に根付いた伝統工芸の技法を組み合わせ、オートクチュールのようなものづくりを追及する印刷工房。

むす美<ふろしき>
風呂敷メーカーの山田繊維株式会社が展開する専門店。風呂敷のサステナビリティに着目し、現代の生活にフィットするデザインや使い方を追求する。

ものつくりびと京都<陶器>@monotsukuribitokyoto
京焼・清水焼の窯元である晋六窯にて「たたら作り」技法を使い、一枚づつ石膏の型にかぶせて制作。釉薬の濃淡により、手作り独特の風合いが感じられる。
【出店予定作品】京焼・清水焼 納豆皿:白(白萩)、黒(鉄焼〆)、茶(焼〆)

株式会社 和える 京都「aeru gojo」<陶器他>@aeru_
「日本の伝統を次世代につなぐ」ことを目的とし、日本各地の伝統産業と現代の暮らしを和えた、豊かな文化を創造するブランド。
【出店予定作品】陶器ほか

また今回のイベントでは、令和6年度に京都府で認定された「京もの認定工芸士」4名が参加する。「京もの認定工芸士」とは、伝統産業の未来を担う若手職人から作品を募集し、特に技術に優れて意欲あるものに対して「京もの認定工芸士」の称号を授与する取り組みだ。今後ますますの活躍が期待される若手職人の作品と出合えるチャンスを、どうぞお見逃しなく。

    ※令和6年度認定者以外にも、京もの認定工芸士が出展しています

  • 栗栖美樹さん(有限会社 賛工芸)<京七宝>
  • 高山弘樹さん(株式会社おく井)<京扇子>
  • 鈴木大樹さん(すずの木クラフト)<京指物>
  • 下垣絢子さん(有限会社ヒロミ・アート)<京七宝>


さらに会期中の3月23日(日)14時からは、スペシャルトークが開催される。当日は、出店企業のひとつである「株式会社 和える」の代表取締役・矢島里佳さんが登壇し、日本の伝統文化や産業の魅力について語るという。また、トーク終了後にはサイン会も実施するとのこと。

定員は先着30名までで要予約となっているので、詳細ページを確認のうえ、事前に申し込んでおこう。なおトーク会の参加費は無料だが、サイン会に参加する場合は会場で矢島さんの書籍を購入する必要がある。

フェア概要


「アーツ&クラフツフェア 京都 2025」の開催日程は3月22日(土)~30日(日)で、会期中は無休。時間は各日10時から19時までだが、最終日は17時終了なので注意してほしい。また、入場料は無料となっている。

会場は堀川新文化ビルヂングの2階、ギャラリー・イベントスペース「NEUTRAL horikawa」だ。「文化を創出・発信するギャラリー」「地域と世界をつなぐイベントスペース」として新たな文化の発信地を目指すコンセプトは、今回のフェアにぴったりではないだろうか。

ちなみに、建物1階には大垣書店とカフェ、さらにフェアに参加する京都昌幸堂の店舗が入っている。フェアに訪れた際に併せて立ち寄ってみると、より充実した1日を過ごせそう。

会場へのアクセスは、市バスの9番・12番・50番・67番経由で「堀川中立売」にて下車後、徒歩1分ほど。電車なら地下鉄烏丸線「今出川駅」と「丸太町駅」からそれぞれ徒歩20分、地下鉄東西線「二条城前駅」から徒歩15分かかる。なお、駐輪場と駐車場も利用可能。ただし駐車場は3台までのため、満車の場合は近隣コインパーキングを利用しよう。

ちなみに堀川新文化ビルヂングの北側には堀川商店街、歩いて10分ほどの場所には晴明神社があり、周辺を観光するのもおすすめ。

■「アーツ&クラフツフェア 京都 2025」
会場:堀川新文化ビルヂング2階 NEUTRAL horikawa
住所:京都府京都市上京区皀莢町(さいかちょう)287

イベント詳細ページ:https://artsandcraftsfair.jp
公式Instagram:https://www.instagram.com/arts_and_crafts_kyoto

ライタープロフィール

紫原もこ
生まれも育ちも京都のWebライター。とはいえ京都についてはまだまだ勉強中。趣味は観劇、美術館・神社仏閣巡り。

   

The post 【京都府京都市】「アーツ&クラフツフェア 京都 2025」初開催!京都の手仕事で叶える“美しい暮らし” first appeared on ストレートプレス:STRAIGHT PRESS – 流行情報&トレンドニュースサイト.

  1. HOME
  2. 生活・趣味
  3. 【京都府京都市】「アーツ&クラフツフェア 京都 2025」初開催!京都の手仕事で叶える“美しい暮らし”
ストレートプレス

ストレートプレス

ストレートプレスは、トレンドに敏感な生活者へ向けたニュースサイトです。ファッション、ビューティー、ライフスタイル、モノの最新情報を“ストレート”に発信します。

ウェブサイト: http://straightpress.jp

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。