今日のジェンダーをめぐる問いに対する新たな可能性と視座を提示。アニエスベー ギャラリー ブティック 「わたしたちの返事:1975-2025」
アニエスベー ギャラリー ブティックでは、3月23日(日)まで、片山真理、小林エリカ、スクリプカリウ落合安奈、東京QQQ(アオイヤマダ、かんばらけんた、Kily shakley 、KUMI、高村月、ちびもえこ、平位蛙、MONDO、山田ホアニータ)x 海老坐禅(河野未彩、磯部昭子、冨沢ノボル、二宮ちえ、Oi-chan)による展覧会『わたしたちの返事:1975-2025』を開催中。
1975年、国連は3月8日を「国際女性の日」と定めた。この年は、女性の権利やジェンダー平等の推進において重要な節目となり、現代の女性運動やフェミニズムの歩みにも深い影響を与えている。同じ年、アニエスベーが敬愛する映画監督であり、写真家、そしてアーティストでもあるアニエス・ヴァルダは、短編映画『RÉPONSE DE FEMMES: NOTRE CORPS, NOTRE SEXE(女性たちの返事:私たちの体、私たちの性)』を制作。この8分間の映像では、「女性とは何か?」という問いに対し、女性たちが率直かつ大胆に応える姿が印象的に描かれている。
それから50年が経ち、この映画の中の声は、単に性別としての「女性」の枠を超え、自己としての存在を鮮やかに浮かび上がらせ、現代の私たちが抱える問いとも深く響き合う。
本展では、1975年以降に生まれ、異なる世代や分野で活躍するアーティストたちがこの映画の声を読み解き、身体、記憶、対話、土地、生き様、そしてアイデンティティというそれぞれの物語をもとに「わたしたちの返事」を紡ぎ出す。過去と現在、個と社会、性別を超えた視点が交錯する中で、今日のジェンダーをめぐる問いに対する新たな可能性と視座を提示するこの展示は必見。
アニエスベー ギャラリー ブティック
「わたしたちの返事:1975-2025」
参加加アーティスト
片山真理、小林エリカ、スクリプカリウ落合安奈、東京QQQx海老坐禅
会期:2025年2月22日(土)ー3月23日(日)
休廊日:月曜日(2月24日除く)
時間:12:00ー19:00
会場:アニエスベー ギャラリー ブティック(〒107-0062 東京都港区南青山5丁目7−25 ラ・フルール南青山 2F)
会場設営:糟谷健三
デザイン:Azone+Associates
詳細:https://www.agnesb.co.jp/news/25m2_galerie/
アニエスベー x 国際女性デー
3月8日の国際女性デーに寄せて、皆さまへ春を告げるミモザのひと枝をプレゼント。大切な誰かへの贈り物として、ご自身への小さな祝福として、どうぞお楽しみください。
開催日時: 3月8日(土) 12:00〜なくなり次第終了。
開催場所:アニエスベー青山店 / アニエスベー ギャラリー ブティック
アーティストプロフィール
片山真理(Mari Katayama)
1987年、埼玉生まれ、群馬県育ち。2012年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程修了。
片山の活動の核心は、自身の身体の中で日々を生きることであり、その身体を生きた彫刻、マネキン、そして社会を映し出すレンズとして使っている。手縫い・手作りのオブジェと写真の組み合わせは「自然、人工、正しさ」といった社会の規範的な考えを映し出し、それに挑戦する作品を作り続けてきた。制作の他に『選択の自由』を掲げたアートプロジェクト「ハイヒールプロジェクト」を開始し、義足用の特注ハイヒールを装着し歌手、モデル、講演会など多岐に渡り活動している。
小林エリカ(Erika Kobayashi)
作家・アーティスト。
目に見えない物、時間や歴史、家族や記憶、場所の痕跡から着想を得た作品を手掛ける。参加展覧会は「りんご前線 ― Hirosaki Encounters」(弘前れんが倉庫美術館、青森)、「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」(国立新美術館、東京)他。著書は小説『女の子たち風船爆弾をつくる』(文藝春秋)で第78回毎日出版文化賞を受賞。同作は、音楽家・作家の寺尾紗穂との音楽朗読劇として上演も行った。他、小説『トリニティ・トリニティ・トリニティ』(集英社)、コミック『光の子ども1~3』(リトルモア)など多数。英語版 「Trinity, Trinity, Trinity」翻訳Brian Bergstrom(AstraHouse刊)は日米友好基金日本文学翻訳賞2022-2023受賞。
スクリプカリウ落合安奈 (Ana Scripcariu-Ochiai)
1992年生まれ。日本とルーマニアの 2つの母国に根を下ろす方法の模索をきっかけに、「土地と人の結びつき」というテーマを持つ。2016年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業(首席・学部総代)。同大学博士課程在籍。ポーラ美術振興財団令和4年度在外研修員(ルーマニア)。北アルプス国際芸術祭(2024)、埼玉県立近代美術館(2023、2020)、ルーマニア国立現代美術館(2020)、東京都美術館(2019)、ベトナム(2019)やフランスのシャンボール城(2018)など世界各地で作品を発表。受賞歴は、ARTnews Japan「30 ARTISTS U35 2022」、「TERRADA ART AWARD 2021」鷲田めるろ賞、「Forbes Japan 30 UNDER 30 2020」など。
東京QQQ x 海老坐禅
東京 QQQ(Tokyo QQQ) アオイヤマダ / かんばらけんた / Kily shakley / KUMI / 高村月 / ちびもえこ/ 平位蛙 / MONDO / 山田ホアニータ 様々な体形とバッググラウンドをもつメンバーが「誰かの心の絆創膏になりたい」と願う生き様パフォーマンス集団。
海老坐禅(EBIZAZEN) アオイヤマダ / 河野未彩 / 磯部昭子 / 冨沢ノボル / 二宮ちえ / Oi-chanからなるクリエイティブコレクティブ。 写真作品集「EBIZAZEN」(PARCO出版 / 2025)、個展「海老坐禅展」(PARCO MUSEUM /2025)

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ウェブサイト: http://www.neol.jp/
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