【福島県会津美里町】東北最古の焼物「会津本郷焼」統一デザインの産地ブランド「HONGOWARE」登場

2025/02/27 16:15 ストレートプレス

東北最古の焼物「会津本郷焼」の産地組合・会津本郷焼事業協同組合は、会津本郷焼の多様な特徴を表現する新プロジェクト「HONGOWARE(ホンゴウウェア)」をスタート。第1弾として組合所属窯元の統一デザインのマグカップを、3月10日(月)より自社オンラインショップにて、4月10日(木)会津本郷陶磁器会館にて販売する。

会津本郷焼をカジュアルに楽しめるブランド

会津本郷焼事業協同組合は、会津本郷焼の振興に関わる事業を手がけ、様々な品物の制作にもチャレンジしてきた。2016年にから開始した「西洋テイストを取り入れた和食器」プロジェクトでは「プレートセット」の制作を行い、2019年より自社ECサイトでの販売をスタートし、幅広い世代に愛用されている。

今回、会津本郷焼という焼物をカジュアルに楽しんでもらうためのブランド「HONGOWARE」を立ち上げ、様々な商品を展開していく。

420年の伝統がある東北最古の焼物

「会津本郷焼」は、文禄二年(1593年)に会津領主・蒲生氏郷の命を受け、若松城の屋根を瓦葺きとするため播磨国(兵庫)から瓦工を招き、黒瓦を製造したのが始まりとされている。明治の中期～大正初期には、欧米各国への輸出も盛んに行われており、会津本郷焼産地全体で100軒を超える陶磁器関連の事業所があったともいわれている。

平成5年(1993年)に通商産業省(現在の経済産業省)より、陶器・磁器ともに伝統的工芸品産地として指定を受けており、現在では12軒の窯元がそれぞれの個性を活かした作品を作り続けている。

統一したデザインの中で各窯元の特徴を表現

プロジェクト名「HONGOWARE」会津本郷焼”の“HONGO”と食器を意味する“TABLEWARE”を掛け合わせた造語で、会津本郷焼のファンになってもらい、手に取った人の食卓が会津本郷焼で満たされ、彩られるようになってほしいとの願いを込めて名づけられた。

会津本郷焼は、陶器と磁器の原料が産地で発見されたことで、どちらの焼物も作っている全国でも珍しい産地。現存する12の窯元は、会津本郷焼と総称してよいものか迷ってしまうくらい、様々な作風や方向性を持ちながら作陶している。

しかし、同じ産地の焼物として認識されにくいという課題もあったため、「会津本郷焼がもつ多様な特徴」をわかりやすく表現することは出来ないか試行錯誤を重ねた結果、「統一したデザインの中でそれぞれの窯元の特徴を表現する」という方法にたどり着いた。

様々な特徴を統一した形状のなかで表現

会津本郷焼は、各窯元で「陶器・磁器」などの素材が違うことに加え、「絵付け・釉彩・面取り・しのぎ」など様々な技法を用いて制作している。HONGOWAREでは、会津本郷焼という同じ産地の中で無数にある特徴を統一した形状の中で表現した。

「陶房彩里(とうぼういろり)」3,300円、

「樹ノ音工房(きのおとこうぼう)」4,950円、

「草春窯(そうしゅんがま)」9,900円、

「酔月窯(すいげつがま)」3,960円、

「閑山窯(かんざんがま)」3,960円、

「陶雅陶楽(とうがとうらく)」9,900円、

「流紋焼(りゅうもんやき)」3,300円。

陶磁器デザイナーの阿部薫太郎氏が監修

監修は、長崎県の波佐見焼をはじめとした様々な陶磁器のデザインやプロダクトに関わっている、陶磁器デザイナー・エンジニアの阿部薫太郎氏が担当。会津本郷焼のそれぞれの窯元が様々な素材や技法を用いて制作しているため、どんな素材や技法でも製作可能な形状に細心の注意を払いながら開発を進めるとともに、現在のトレンドを取り入れた形状の開発を行った。

第一弾の商品開発にあたっては、関係者やユーザーへのアンケートなどを通して「どういった焼物が日常の生活の中で使われているか」などの声を集め、マグカップを製作することに決定。「たっぷり入るものがよい」「飲み物だけでなくスープなどにも使いたい」などの声があったため、より多様なシーンでの使用に応えられるよう、少し大きめのサイズで商品化した。

「流紋焼(りゅうもんやき)」3,300円、