「世界から見た日本のキアゲハ ~様々な近縁種の紹介~」大阪市立自然史博物館で開催

特大サイズの日本産キアゲハ夏型雌(福岡県北九州市平尾台 2015年6月21日)

大阪市立自然史博物館は、ミニ展示「世界から見た日本のキアゲハ ~様々な近縁種の紹介~」を、2月28日(金)~3月30日(日)の期間、本館1階の出入口付近の展示コーナーにて開催する。

日本では全国的に分布し大型化するキアゲハ

身近でも見ることができるアゲハチョウ科の「キアゲハ」という蝶。Papilio machaonという学名で、日本だけでなくユーラシア大陸やアメリカ大陸など広域に分布する種とされ、地理的変異が多様で多くの亜種が記載された。近縁種も多く知られ、いずれもセリ科植物を寄主とする。

近年、P. machaonの分類体系が形態分類や遺伝子解析によって見直され、複数の亜種が種に昇格している。これらのうち、サハリン・日本列島・韓国済州島に分布する個体群も2023年に独立種とされ、Papilio hippocratesと学名が変わり、2024年の遺伝子解析の研究で本種の独立性が強く支持された。

キアゲハは、日本では全国的に分布しており、海岸から高山まで生息し、セリ科植物を幅広く寄主とする。ニンジン、セリ、パセリなどの農業害虫でもあり、人々との暮らしの関わりも深い蝶だ。日本産は顕著に大型化する特徴があり、特に夏型雌は特大サイズとなる。

世界の地域によっては希少な蝶

日本では普通種のキアゲハだが、地域によっては希少な蝶とされている。イギリスのP. machaon britannicusはとても少ないため保護されており、台湾山地のP. machaon sylvinaは1999年の地震で絶滅した可能性がある幻の亜種で、フランスのコルシカ島に分布するP. hospitonは絶滅の危機に瀕しワシントン条約で保護されている。

また、ヒマラヤ山脈の高山に生息するP. everestiや、北アフリカの乾燥地帯に生息するP. saharaeなど、特殊な環境に適応した種も知られる。中国南部やミャンマーにはP. machaon verityiという尾状突起の長い特異な個体群が分布する。アメリカ大陸でも様々な近縁種が知られ、地理的変異も多様で種か亜種か研究者によって意見が異なる例がある。

日本のキアゲハや世界の近縁種を紹介

ミニ展示「世界から見た日本のキアゲハ ~様々な近縁種の紹介~」では、日本のキアゲハや世界の様々な近縁種を紹介する。

開館時間は、2月が9時30分~16時30分(入館は16時まで)、3月が9時30分~17時(入館は16時30分まで)。休館日は月曜日で、月曜日が祝休日の場合はその翌平日。観覧料は、常設展入館料が大人300円/高大生200円、中学生以下・障がい者手帳などの持参者(介護者1名を含む)・大阪市内在住の65歳以上の人は無料(要証明)だ。30人以上の団体割引もある。

「世界から見た日本のキアゲハ ~様々な近縁種の紹介~」を訪れて、日本のキアゲハの大きさを感じてみては。

■大阪市立自然史博物館
住所:大阪府大阪市東住吉区長居公園1-23
URL:https://www.omnh.jp

(山本えり)

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