Huluオリジナル「コンコルディア/Concordia」中島健人インタビュー 撮影現場での感謝「恐いほど真剣に向き合ってくれた」

世界的大ヒット作となった「ゲーム・オブ・スローンズ」の主要プロデューサーの一人で、数々のエミー賞受賞歴を誇り、「ジョン・アダムズ」や「ローマ」、Huluで独占配信中の大型国際ドラマ「THE SWARM/ザ・スウォーム」など話題作を次々と手掛けるフランク・ドルジャーがショーランナーを務める、Huluオリジナル「コンコルディア/Concordia」がHuluにて独占配信中です。

【あらすじ】AI テクノロジーが網羅された社会コンコルディア
その町では起こりえなかった殺⼈事件、AI は何を⾒逃したのか物語の舞台は、カメラとAI に⽣活の全てを網羅されたコミュニティ“コンコルディア”。⾃由で公正で⼈間らしい社会を保証するために作られたこの町で起きた殺⼈事件を発端に、町だけでなくコンコルディアの理念そのものに⼀筋の闇を残すこととなりました。殺されたオリヴァーはこの町で分析官として働いていましたが、彼⾃⾝の⽴場を利⽤して第三者の情報を不正閲覧していただけではなく、モニタリングは監視だとする反対組織“フェイスレス”にコンコルディア住⺠の私的なデータを渡していたことが発覚。次第に、このコミュニティが抱える⼤きな闇が暴かれることになる…

本作で、 A・J・オオバ役を演じているのが中島健人さん。先日、有明アリーナでの3日間のワンマンライブを大成功させ、アーティストとしてもさらなる注目を集め、俳優としても『知らないカノジョ』(2/28公開)の主演など活躍の幅を広げています。昨年12月には「コンコルディア/Concordia」を引っ提げ、「東京コミコン2024」のステージに登場。今後のグローバルな活躍にも期待が高まります。唯一無二の存在感を示している中島さんが、本作の現場で学んだこと・感じたこととは? 中島さんの表現者としての真摯な姿勢に迫ります。

――本作楽しく拝見させていただきました。最先端AIシステムの生みの親であるA・J・オオバは一見するとクールで掴みどころが無さそうなキャラクターにも感じられます。どの様に人物像を掴んでいきましたか?

ドラマ出演が決まってからフランク・ドルジャープロデューサーとリモートでミーティングする機会をいただいて、その時に僕が脚本に対して思ったことA・Jはこういうパーソナリティーでは無いかと考えていることを話して、それがフランクの解釈とさほどズレていなかったので安心しました。傲慢であり、自分自身の意志が強くて、才能の塊でありながら自分自身の野心に飲み込まれそうになっている…そういうA・Jの葛藤の様な感情についてもフランクと話した記憶があります。
撮影までの間に、セリフを覚えながら「A・Jだったらこういう発音の仕方が良いだろう」という練習をして準備をしていきました。

現場では、フランクと監督のバーバラの意見はまた違うところがあって、バーバラは「もうちょっと力が抜けたキャラクターでも良い」と捉えていました。いつもはすごく強気だけれど、焦っている時には人間味が出る自然な人物にしてほしい、とか、完璧すぎないところも表現して欲しいと言われて。「天才であるが故の弱み」という部分を表現することが大事なのだなと想い、その“ゆらぎ”を大切に演じました。そこがA・Jの魅力というか、欲望に飲み込まれた時に心の中に潜んでいた悪の要素が出てきてしまう。A・Jは人間の表裏を見せてくれる魅力的なキャラクターだと思っています。

――アカデミー賞でのレポートなど映画好きとして知られる中島さんですが、海外ドラマもお好きとのことで、本作の様なサスペンスもよくご覧になっていましたか?

好きですね。だからこそ、とても良い役をいただいたなと感謝しています。逆に自分で良いのですか?と思ってしまったほどです。お話をいただいた時には、チェックシャツを羽織ったジャパニーズボーイとして少し映るくらいなのかな?と想像していましたが、台本を読んでシーンもたくさんありますし、すごい役をいただいてしまったな…と。
A・Jの様にちょっと寂しそうな人間を演じるのは3人目なのですが、これまでの役柄の中でも一番頭が良くて、やっていることの規模も大きい人なので。撮影から2年ほど経っていて、僕自身にも色々なことがありましたが当時の経験は未だに残っているし、セリフも覚えていて今も言えます。初の海外ドラマであり、新人の気持ちでぶつかっていって、精魂こめた、忘れられない大切な作品になりました。

――中島さんは元々英語が堪能ですけれども、本作はAIやテクノロジーに関する専門用語も多く、一際大変そうですよね。

普段使わないことばかりで、何のことを言ってんのこれ?!という大変さがありましたね。何度もセリフを分解して、研究してということを繰り返して。2022年の夏頃だったので、グループのライブツアーを回りながら一生懸命覚えていて。仙台公演の時に、宿泊しているホテルの目の前の映画館のライトに照らされた台本を読んでいました。その時のことを鮮烈に覚えています。
海外の現場では製本された脚本が渡されず、今日撮るシーンを一枚紙で渡される様なスタイルで。色々な準備をして本番に臨んでいましたけれど、難しい発音が多いので現地の方に発音を特訓してもらったり、刺激的でした。共演者のスウェーデン人の方に「私たちでもA・Jのセリフは言えないよ、すごいね」と言われて、ちょっと鼻膨らみましたね。

――素晴らしいですね!

そうやって嬉しいこともありながら、全くOKが出ないシーンもあって。みんなでパソコンを取り囲むシーンなのですが、僕のセリフが上手くいかなくて焦りで追い詰められたことがありました。共演者のクリスティアーネ・パウルさんが「リラックスだよ」と声をかけてくださり、みんなに支えてもらって、 なんとか乗り越えられたこともたくさんありました。

一番悔しかったのは、 なかなか本番をさせてもらえなかった時です。バーバラ監督の「今はA・Jのテンションになっていない」という判断で、カメラを回してもらえなくて。俺とバーバラのタイマンみたいな感じで痺れましたけれど、周りのキャスト、スタッフが「ケントが整うまで待つ」という体制なので安心感もあって。一番ハードでしたけれど、そこまで僕にガチになってくれるというか、僕とA・Jというキャラクターに恐いほど真剣に向き合ってくれることがてとてもありがたくて。

毎日撮影が終わるとキャスト同士車に乗ってホテルまで変えるのですが、いつもは明るい俳優たちも疲れて、遠い目で窓の外を見ていたりして…。大変なのは僕だけじゃないんだと安心したり。共演者とのご飯の時間が救いというか、本当に楽しい時間でした。

――皆さんの真摯なものづくりが作品の魅力につながっているのだと思います。今日は貴重なお話をどうもありがとうございました!


Huluオリジナル「コンコルディア/Concordia」
配信開始︓⽇本独占配信中(毎週⾦曜新エピソード更新/全6話)
ショーランナー 兼 製作総指揮︓フランク・ドルジャー
監督︓バーバラ・イーダー
脚本︓ニコラス・ラーシュ マイク・ウェルデン アイラ・ヴァン・トリヒト
出演︓ルース・ブラッドリー ナンナ・ブロンデル クリスティアーネ・パウル シュテヴェン・ゾヴァー 中島健⼈ ほか
著作権表記︓©Hulu Japan
公式HP︓https://www.hulu.jp/static/concordia/

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. Huluオリジナル「コンコルディア/Concordia」中島健人インタビュー 撮影現場での感謝「恐いほど真剣に向き合ってくれた」

藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。