ジャーナリスト青木理が韓国戒厳令を解説「我々日本人が学ぶべきことは何か」│プチ鹿島

今回き元共同通信外信部のジャーナリスト青木理氏が韓国戒厳令についてたっぷり解説。

恒例のライブ報告です。12月11日(木)にジャーナリストの青木理さん、TABLO編集長の久田将義さん、私プチ鹿島の3人で『タブーなきニュース空間』というトークライブを開催しました。今回で23回目。世の中のあらゆるニュースに対して青木さんと久田さんに存分に見解と解説を述べてもらえる場なのです。お客さんの前で私が一番楽しんでいるという自負がある。

今回もさっそく冒頭から久田さんに「Z李」案件を話していただきました。「ゼット・リー」という読み方からよくわからなかった私にはありがたい解説でした

そして共同通信在籍時にソウル特派員も務めていた青木さんには今回の韓国の「非常戒厳」についてたっぷりと。論点はいくつもあって大事なのですが、共通していると思ったのは「では私たちは何を学ぶべきなのか」という点だったと思います。

韓国憲法は第77条で、大統領は戦時などの国家非常事態に戒厳令を宣布することができると定めている。「非常戒厳」を宣言したら言論や集会の自由などが厳しく制限される。ただし、国会が在籍議員の過半数の賛成で戒厳令の解除を要求すれば、大統領は解除しなければならない。

青木さんが指摘していたのは自民党がかつて作成した改憲草案に記された緊急事態条項はまさに韓国憲法が定めている戒厳条項とほぼ同じ内容ということ。韓国は大統領制だが日本は議院内閣制なので基本的には国会で多数派をとったほうが首相を選べる。だから緊急事態条項を作った場合は韓国よりも危ういのでは?と。もし内閣総理大臣が錯乱して緊急事態だとなったときに与党の人たちがおかしいものはおかしいと言える胆力と気概を持っているか、止められるか。

そう、今回学ぶべきは為政者が暴走したり錯乱したりしたときに、政治もメディアも市民社会にしても声をあげられるのかどうかなのである。

ユン大統領については、韓国民のなかに戒厳令の記憶がどう刻まれているかという想像力が感じられなかった。世代によっては戒厳令がいかにひどいものかという意識が保守だろうが進歩だろうが共通にある。だからこそ今回ビクッと反応した。権力が暴走したときに韓国の民主主義が根づいたという証左でもある。

まだまだ論点はありますが、非常に為になるライブになってしまいました。そうは言っても下世話なライブでもあります。青木さんは前回の大統領選挙でユン・ソンニョルと現最大野党のイ・ジェミョン党首の二人を韓国メディアは「●●対●●の戦い」と評していたと教えてくれました。めちゃくちゃわかりやすい例えでした(詳しくはアーカイブを視聴してください)。

ああ、だからこそ有権者は政治を見続けなければいけないし、必要があれば声をあげなければいけないのだなと妙に納得できたのです。民主主義の大切さがここにある。

“タブーなきニュース空間へようこそ” vol.23
視聴期限: 2024年12月25日(水) 23:59 まで

【出演】青木理、久田将義、プチ鹿島

https://twitcasting.tv/loft9shibuya/shopcart/344388

(文@プチ鹿島 連載「余計な下世話」)

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TABLOとは アメリカが生んだ、偉大な古典ミステリーの大家レイモンド・チャンドラー作品の主人公フィリップ・マーロウの有名なセリフがあります。 「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」 人が生きていく上で、「優しさ」こそ最も大切なものであることを端的に表現した言葉です。優しさとは「人を思いやる気持ち」であり「想像力を働かせること」です。弱者の立場に立つ想像力。 「人に優しく」 これは報道する側にも言えることだと思います。 現在、ヘイトニュース、ヘイト発言、フェイクニュースがネットの普及に従い、増大しており、報道関係者の間では深刻な問題となっています。そこには「人に優しく」という考えが存在していません。 なぜ、ヘイト(差別)ニュースがはびこるのか。「相手はどういう感情を抱くのか」という想像力の欠如がなせる業です。ヘイトによって、人は人に憎悪し、戦争が起き、傷ましい結果をもたらし、人類は反省し、「差別をしてはならない」ということを学んだはずです。 しかし、またもヘイトニュースがはびこる世の中になっています。人種差別だけではありません、LGBT差別、女性差別、職業差別等々、依然としてなくなっていないのだな、ということは心ある人ならネットの言論にはびこっていることに気づいているはずです。本サイトはこのヘイトに対して徹頭徹尾、対峙するものです。

ウェブサイト: https://tablo.jp/

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