【連載コラム】遊津場の関西アーティスト週報vol.34「闇を掻き分け輝いた2024年のEVE OF THE LAIN」

【連載コラム】遊津場の関西アーティスト週報vol.34「闇を掻き分け輝いた2024年のEVE OF THE LAIN」

こんにちは。神戸在住の音楽キュレーター、遊津場(ゆつば)です。普段は邦ロック系インディーズアーティスト情報をSNS、メディア寄稿、自主イベント開催など、様々な手法で発信する活動をしています。

そして今回、OTOTOYで私のメインの活動地域である関西エリアで活躍する若手アーティストの様々なトピックを発信する機会をいただきました。 これを読めば、関西邦ロックシーンの最前線が分かります。どうぞ、ご贔屓に。

「闇を掻き分け輝いた2024年のEVE OF THE LAIN」

大阪のライブハウス・LIVE SQUARE 2nd LINEが毎年末に開催する「RED HOME PARTY」というイベントが今年も開催されます。関西のバンドのみならず、今年ライヴハウスで頑張ってきたアーティストの総決算とも言えるようなイベントであり、12月25日〜31日の7日間で69組が出演します。そしてこのイベントの最終日のトリを飾るバンドがEVE OF THE LAINです。

【連載コラム】遊津場の関西アーティスト週報vol.34「闇を掻き分け輝いた2024年のEVE OF THE LAIN」

EVE OF THE LAINは2020年1月結成の4ピースバンド。今年、動員面でも出演したイベントを見ても、大きく飛躍したバンドの1組ですが、私は非常に苦労人のイメージが強いです。当時、同年代には既に活躍している関西バンドが多く、どうしても後発の印象がありました。また、今のメンバーに固定するのにも時間がかかったと思います。せっかく掴んだ大舞台が台風で中止になったこともありました。そのような中でも耐えて耐えて迎えた2024年、全国に”マブダチ”のバンドとリスナーが増加し、鍛え上げたライヴの熱量が轟いて、全国各地をホームタウンに変えた印象です。今年、2nd LINEにOSAKA MUSE、ESAKA MUSEと大阪のライヴハウスが期待する16組でコンピCDの発売と、その16組で4ヶ月に及ぶ全国ツアーを行う「KAZAANA」というプロジェクトがありましたが、そこに彼らもいました。ツアーファイナルは、その16組の中から選ばれし7組のみが聖地と呼ばれるライヴハウス・BIGCATに立てるというものでしたが、そのファイナルのトリを務めたのがEVE OF THE LAINでした。覚悟に満ち溢れたライヴで、満員のフロアを踊らせて、貫いて、熱狂させていました。大型サーキットフェスにも欠かせないバンドになり、こういった今年の活躍を見ても、RED HOME PARTYの最後を締め括りに申し分ない存在でしょう。

彼らの楽曲はど真ん中の”邦ロック”そのものと感じます。今の邦ロックのイメージはナヨっとしたラブソングの方もいるかもしれませんが、ここで私が共有したいイメージは、コロナ前のロックフェスの時のような、いかに強いビートで熱狂させるかが大事だった時代のほうの邦ロックです。そこに今、思い切って振り切った20代のバンドは意外と少ないのかもしれません。ここに年月をかけて説得力の増した惣田航平(Vo.Gt)の熱いボーカルやキャッチーな歌詞が加わるのですが、私はここに良い意味でバンドのキャラクターやプライドよりも、聴く人を楽しませたい!世の中の雑音から救いたい!という強い気持ちが、誰も置いていかない嘘偽りのない音楽を生み出していると思います。

12月7日のワンマンライヴもSOLD OUTさせ、4月28日にもさらに広いキャパでワンマンライヴを行いますが、続々と応募が増えているとのことです。2025年も更に飛躍して、諦めず続けるバンドの光としての輝きを増していってくれることでしょう。

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