【米ビルボード・ソング・チャート】マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」首位返り咲き、TOP3をホリデー・ソング独占

 マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が約1年ぶりに返り咲き、通算15週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 1994年にリリースされた「恋人たちのクリスマス」は、ストリーミングが集計に加算されるようになった2014年以降、ホリデー・シーズン毎に最高位を更新して、2017年12月に初めて9位にTOP10入りし、翌18年には3位まで上昇。発売25年目の2019年12月21日付で遂に通算19曲目の首位に輝いた。首位獲得19曲は、ザ・ビートルズがもつ20曲に次ぐ歴代2番目の記録で、女性アーティストとしては最多記録を保持している。

 2019年以降の首位獲得週は以下のとおりで、2019年から2024年まで6シーズン連続で1位を獲得した。これまで数年にわたり首位を獲得した曲は、1960年と1962年に達成したチャビー・チェッカーの「ザ・ツイスト」と「恋人たちのクリスマス」の2曲だけで、6年は現時点での最長記録となる。

「恋人たちのクリスマス」首位獲得週
2019年12月21日
2019年12月28日
2020年1月4日
2020年12月19日
2021年1月2日
2021年12月25日
2022年1月1日
2022年1月8日
2022年12月17日
2022年12月24日
2022年12月31日
2023年1月7日
2023年12月23日
2023年12月30日
2024年12月14日

 「恋人たちのクリスマス」は、ホリデー・シーズンの到来により今週の集計期間中(2024年11月29日~12月5日)ストリーミングが3,820万回(42%増加)、エアプレイが2,440万回(56%増加)、セールスは3,000(81%増加)にそれぞれ上昇した。

 ストリーミング・ソング・チャートでも先週の10位から1位にジャンプアップして、通算19週目の首位を獲得。19週は、2019年に20週を記録したリル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」に次ぐ2番目に長い記録で、2023年に同19週を獲得したモーガン・ウォレンの「ラスト・ナイト」とタイ記録で並んだ。

 その他、これまで通算4週間首位を獲得したデジタル・ソング・セールス・チャートで今週6位に再ランクインして、エアプレイ・チャートでは先週の35位から21位にジャンプアップしている(最高位は11位)。

 ソング・チャート“Hot 100”の集計が始まった1958年8月4日付以降、首位を獲得したタイトルは1,176曲で、そのうち15週間以上首位を獲得したタイトルは「恋人たちのクリスマス」を含めて以下の7曲がある。その7曲のうち、2つのタイトルで達成したのはマライア・キャリーだけだ。

19週 シャブージー「ア・バー・ソング(ティプシー)」 (2024年)
19週 リル・ナズ・X「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」(2019年)
16週 モーガン・ウォレン「ラスト・ナイト」 (2023年)
16週 ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー「デスパシート feat. ジャスティン・ビーバー」(2017年)
16週 マライア・キャリー&ボーイズIIメン「ワン・スウィート・デイ」(1995~1996年)
15週 マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」(2019~2024年)
15週 ハリー・スタイルズ「アズ・イット・ワズ」(2022年)

 上記の7曲は全てルミネイトによる集計が始まった1991年以降に首位を獲得したタイトルで、それ以前よりも長く首位を獲得しやすくなったことが分かる。

 これまでホリデー・ソングとして首位を獲得したのは、1958年12月22日~1959年1月12日付まで4週間1位を記録した、ザ・チップマンクス&デイヴィッド・セヴィルの「ザ・チップマンク・ソング」、昨シーズンに3週間を記録したブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」、今週で通算15週目に記録を伸ばした「恋人たちのクリスマス」の3曲だけで、引き続き「恋人たちのクリスマス」が最長記録を保持している。

 上記のとおり、「恋人たちのクリスマス」が首位を獲得したのは今年で6度目(6年目)の快挙で、6年連続で首位を獲得した史上初のタイトルとなった。その他には、チャビー・チェッカーの「ザ・ツイスト」が1960年と1962年に2回(2年)首位を獲得しているが、複数年にわたり首位を獲得した曲は現時点でこの2曲しかない。

 マライア・キャリーは、デビュー曲「ヴィジョン・オブ・ラヴ」が初めて首位を獲得した1990年8月4日付から今週(2024年12月14日付)まで、以下の20年間で首位を獲得していて、1990年代、2000年代、2010年代、2020年代の4つの年代で首位を獲得した初のアーティストとなった。

1990年「ヴィジョン・オブ・ラヴ」、「ラヴ・テイクス・タイム」
1991年「サムデイ」、「アイ・ドント・ウォナ・クライ」、「エモーションズ」
1992年「アイル・ビー・ゼア」
1993年「ドリームラヴァー」
1994年「ヒーロー」
1995年「ファンタジー」、「ワン・スウィート・デイ with ボーイズIIメン」
1996年「オールウェイズ・ビー・マイ・ベイビー」
1997年「ハニー」
1998年「マイ・オール」
1999年「ハートブレイカー feat.ジェイ・Z」
2000年「サンク・ゴッド・アイ・ファウンド・ユー feat. ジョー&98ディグリーズ」
2005年「ウィ・ビロング・トゥゲザー」
2006年「ドント・フォゲット・アバウト・アス」
2008年「タッチ・マイ・ボディ」
2019年「恋人たちのクリスマス」
2020年「恋人たちのクリスマス」
2021年「恋人たちのクリスマス」
2022年「恋人たちのクリスマス」
2023年「恋人たちのクリスマス」
2024年「恋人たちのクリスマス」

 20年間首位を獲得したのはマライア・キャリーが史上最多で、これまでには以下の4組が10年間にわたり首位を獲得している。

・ポール・マッカートニー&ウイングス(1971年、1973~76年、1978年、1980年、1982~84年)※ザ・ビートルズ名義では7年間首位を獲得
・ビヨンセ(2003年、2006~09年、2017~18年、2020年、2022年、2024年)※デスティニーズ・チャイルド名義では3年間首位を獲得
・マイケル・ジャクソン(1972年、1979~80年、1983~84年、1987~88年、1991~92年、1995年)※ジャクソン5名義では1年間首位を獲得
・マドンナ(1984~87年、1989~92年、1995年、2000年)

 「恋人たちのクリスマス」は、初めて首位を獲得した 2019年12月21日付から今週(2024年12月14日付)までの期間をあと1週間で5年に更新。また、デビュー曲「ヴィジョン・オブ・ラヴ」が初めて首位を獲得した1990年8月4日付から今週(2024年12月14日付)までの期間を、34年4か月2週間に更新した。それを上回るのがブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」で、1960年7月18日付から今年の1月6日付まで63年5か月3週間という記録を打ち立てている。

 今週「恋人たちのクリスマス」が1位に返り咲いたことで、マライアは首位獲得総週を通算94週目に更新し、2位以下と大差をつけてトップを独走している。

94週 マライア・キャリー
60週 リアーナ
59週 ザ・ビートルズ
56週 ドレイク
50週 ボーイズIIメン

 「恋人たちのクリスマス」は、ホリデー・ソング・チャート“Holiday 100”でも今週首位に返り咲き、通算62週目の首位を獲得した。同チャートの集計が始まったのは2011年からで、チャート総週70週間のうち62週を「恋人たちのクリスマス」が首位を独占している。また、ビルボードが発表した“史上最高のホリデー・ソング100曲”のリストでもトップにランクインした。

 「恋人たちのクリスマス」に続き、今週はTOP3をホリデー・ソングが独占。2位には、ブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」が先週の15位からジャンプアップして、今シーズン初のTOP10入りを果たした。なお、前述の通り同曲は昨シーズンに3週間(2023年12月9~16日付、2024年1月6日付)首位を獲得している。

 「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」は、今週の集計期間にストリーミングが前週から52%増加の3,570万回、エアプレイが39%増加の1,980万回、セールスは84%増加の1,500に、それぞれポイントを上昇させている。

 続いて3位には、ワム!の「ラスト・クリスマス」(1984年リリース)が前週の18位から上昇して、昨シーズン記録した4位を上回り最高位を更新した。同曲は今週ストリーミングが3,430万回(57%増加)、エアプレイが1,790万回(20%増加)、セールスは2,000(75%増加)にそれぞれ上昇している。

 ワム!のTOP10入りは「ラスト・クリスマス」が通算7曲目で、そのうち6曲がTOP3入りしている。

()内は最高位獲得年
1位「ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ」(1984年)
1位「ケアレス・ウィスパー」 (1984年)
3位「フリーダム (1985年)
1位「恋のかけひき」(1985年)
3位「アイム・ユア・マン」 (1985年)
10位「エッジ・オヴ・ヘヴン」(1986年)
3位「ラスト・クリスマス」(2024年)

 TOP10にはもう2曲、ボビー・ヘルムズの「ジングル・ベル・ロック」(1957年リリース)が先週の19位から5位、バール・アイヴスの「ホーリー・ジョリー・クリスマス」(1964年リリース)が33位から10位に、それぞれホリデー・ソングとして今週ランクインした。

 昨シーズン最高3位を記録したボビー・ヘルムズの「ジングル・ベル・ロック」は、今週ストリーミングが3,350万回(55%増加)、エアプレイが1,990万回(35%増加)、セールスは1,000(67%増加)にそれぞれ上昇。昨シーズン最高4位を記録した「ホーリー・ジョリー・クリスマス」は、ストリーミングが2,550万回(60%増加)、エアプレイが1,870万回(30%増加)、セールスは1,000(85%増加)にポイントを上昇させている。

 ホリデー・ソングの上昇により、先週TOP5(TOP10中7曲)を独占したケンドリック・ラマーの新曲はそれぞれランクダウンしたが、「TV Off feat. レフティ・ガンプレイ」は4位、「Squabble Up」は7位、「Luther feat. シザ」は6位に、3曲がTOP10をキープした。「TV Off」は、先週1位に初登場した「Squabble Up」と代わりR&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートで今週首位を獲得し、ケンドリック・ラマーは両チャートでそれぞれ6曲目のNo.1タイトルを獲得している。

 2週間前に史上最長となる19週目の首位を獲得したシャブージー「ア・バー・ソング(ティプシー)」は、先週の6位から8位に順位を下げたが、カントリー・ソング・チャートでは今週25週目の首位を獲得して、史上4番目の最長記録を更新している。過去10年間では、27週を記録したギャビー・バレット「アイ・ホープ feat. チャーリー・プース」に続く2番目、 男性アーティストでは同25週間を記録したモーガン・ウォレンの「ラスト・ナイト」と並びトップに立った。

 「ア・バー・ソング(ティプシー)」は、エアプレイ・チャートでも今週19週目の首位を獲得して、同18週で並んでいたグー・グー・ドールズの「アイリス」(1998年)、マイリー・サイラスの「フラワーズ」(2023年)を上回り、単独の史上2番目の記録を達成した。それを上回る最長記録を保持しているのがザ・ウィークエンドの「ブラインディング・ライツ」(2020年)で、26週間という大記録を打ち立てている。

 先週7位にランクインしていたレディー・ガガ&ブルーノ・マーズの「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」は今週9位にランクダウンしている。

 
Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは12月13日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「恋人たちのクリスマス」マライア・キャリー
2位「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」ブレンダ・リー
3位「ラスト・クリスマス」ワム!
4位「TV Off」ケンドリック・ラマー feat. レフティ・ガンプレイ
5位「ジングル・ベル・ロック」ボビー・ヘルムズ
6位「Luther」ケンドリック・ラマー feat. シザ
7位「Squabble Up」ケンドリック・ラマー
8位「ア・バー・ソング(ティプシー)」シャブージー
9位「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」レディー・ガガ&ブルーノ・マーズ
10位「ホーリー・ジョリー・クリスマス」バール・アイヴス

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